“東京インディー”なる概念がそのものすごく一般的っぽい「東京でやってるインディーバンドたち」みたいな意味を離れて、ある特定のバンド・アーティストたちを指して使われるようになって他のは一体いつからだったんだろう。恥ずかしながら、九州から外に居住地を移したことのない、東京周辺に住んだことのない筆者にとって、そんなムーブメントがあると知ったのは、メディアが「東京インディーは離散した」と言われ始める時期の直前くらいでした。
ムーブメント。そうだ、“東京インディー”は音楽のムーブメントのひとつだった。そしてそれはかつてのロキノン文化が取り上げた「1997年の世代」だとか「下北系ギターロック」とかみたいな“結果的に周囲からそう言われた”と似た雰囲気がありながらも、もうちょっと当事者たちの自覚が感じられ、緩やかな連帯感と相乗効果が確実にあり、そして本当にインディペンデントで、音楽的な実り豊かな季節でした。なんかノスタルジックを糧に説教するおじさんみたいになりそうだ。
今回は、そんな“東京インディー”なる、確実に日本の音楽史に残るべき概念として存在しながら、少々分かりにくくもなっているこの概念について、まずは色々と考えてみようと思います。考えて、ある程度区分けして、そして次回更新時とかで、筆者が大好きなベスト15枚のアルバムを粗雑に紹介することで、せめて何かしら像を結ばないか、と願って更新していきたいと思います。
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