ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

セルフタイトルのアルバム10枚

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 世間の一部で割と定説のように言われる「セルフタイトルのアルバムは名盤」というの、時々それ本当かなーと思ってしまうんですけども、でもまあ、自身のアーティスト名をそのまま作品にしてしまうってのは、作った作品集に対して何か気の利いた他のタイトルを付けるよりも、自身の名前をそのまま付けたくなってしまっている訳で、それってその人たちにとってどんな気持ちで付けるんでしょうね。想像もつかないな。

 という訳で、セルフタイトルのアルバムを10枚、「もしかしたらこういう気持ちからセルフタイトルにしてみたりしたのかもなあ」なんてことを書いたりしながら並べていきます。

 ただ、なんとなくですが「1stアルバムでセルフタイトル」というアルバムが世間にはかなり多くて、実際「セルフタイトルの1stアルバムが最高傑作」みたいなこともあるんですけれども、でもそれよりも「アーティストが活動を続けて満を持して出すセルフタイトル」というのに格好よさを感じたので、1stアルバム系のセルフタイトルは外しています。The Stone Rosesとか外したくなかったけど外した。。あと、番号をつけてセルフタイトルを連発していく系の作品も外してます。ツェペリンとかZAZEN BOYSとかそういうの。

 あと、年代は現在に近いものから逆順に下っていきます。

 

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The Beatlesの曲タイトルだけをサビ等で連呼する曲 10曲+10曲

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 前回と前々回の弊ブログ記事で「曲タイトルだけをサビ等で連呼する曲」を50曲探してきて色々と見ていきました。

ystmokzk.hatenablog.jp

ystmokzk.hatenablog.jp

 それで、part1の第1曲目はビートルズだった訳ですが、part2を描いてる途中に気づいたんですが、ビートルズって実はこのパターンの曲が相当多くない?っていう。それで選曲してみたら、完全にタイトルだけを歌ってる曲で10曲、完全じゃないけどやっぱひたすら曲タイトルを連呼しまくってる曲で10曲を選曲することができたので、前者を1軍、後者を2軍(?)として、今から見ていこうと思うものです。様々なキャッチーさを生み出してきたと言っても過言ではないビートルズの、これらのパターンの曲を見ていって果たして何が浮かび上がって来るのか。ひとまず見ていきます。年代が早いものから順番に行きます。

  • 2軍(完全にタイトルだけではないがタイトル連呼が目立つ)
  • 1軍(サビ等が完全にタイトル連呼のみで構築されてる)
  • 終わりに

 

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曲タイトルだけをサビ等で連呼する曲 50曲 part2

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 前回の記事からのパート2です。

ystmokzk.hatenablog.jp

 part2では2000年代から先の曲を取り扱います。それにしても1960年代〜1990年代までの30年で28曲で、残り22曲が2000年〜2019年の20年間というのは、なんかここ20年に比重がやや偏ってる気がしますね。

 part1から引き続き曲数を数えることができるよう、part2は全50曲中の29曲目から始まります。part1からの連番ということです。よろしくお願いします。

 

  • 2000年代 11曲
  • 2010年代 11曲
  • 終わりに

 

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曲タイトルだけをサビ等で連呼する曲 50曲  part1

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 曲のタイトルを歌詞にどう登場させるか、又は歌詞のどの部分から曲のタイトルをつけるか、あるいは歌詞と全然関係ないタイトルにするか、というのは歌のある曲を作曲するにあたって割とどれかを考えないといけなくなることです。
 そんな中で、曲のタイトルを歌の中でキャッチーなフックとして使う手法があります。個人的には、曲タイトルを連呼しながら他の言葉をくっつけていく作詞は歌詞カードとして読んだ時にちょっと微妙な感じを受けたりもしますが、しかし曲タイトルだけを連呼、となると話は別。歌詞カードには少なくない場合、サビの行とかに曲タイトルの一行だけが並び、その佇まいの潔さは時にクールに感じられます。
 今回はそんな「曲タイトルだけをサビ等で連呼する曲」を50曲集めて、どんな感じなのか、どう有効な感じになってるかを観ていきたいという試みです。段々年代が新しくなっていきます。邦楽も途中から混じります。投稿時間の都合で一度に書ききれなかったので記事を2分割して、このpart1では1960年代〜1990年代までを扱います。

  • はじめに・ルール説明
  • 1960年代 4曲
  • 1970年代 10曲
  • 1980年代 8曲
  • 1990年代 6曲

 

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【お知らせ】“素敵な歌詞bot”なるものを作りました

 私事ですが、こういうものを作りました。

 

 このブログで歌詞について言及したやつからもいくつか選出してたりしなかったりしてます。今のところ1アーティストにつき1ツイートしか枠を用意していないので、その分厳選したつもりではあります。

 しかし、歌詞の一部だけツイートで流れてきても、大してグッとこないなあとも思ったりするので、やっぱり音楽って言葉を伝える上で大事だなあ、とか思いました。それでもなるべくめげずに、コンスタントに好きなフレーズとかを追加していければと思います。

 もし万に一つこのbotのツイートでなんか言葉遣いとかいいなと思って曲を聴いてそれでそのアーティストが好きになるきっかけとかにでもなれればせめて幸いです。

 あと、どうしてもそのまま引用するだけでいい邦楽に偏ってしまいます…洋楽の方も、いいフレーズだと思ったら積極的に載せたい気持ちはあるんですけども。

『ひみつ』スカート(“東京インディー”って知ってる? Volum.3 フェイバリット・アルバム 2位)

ひみつ [KCZK-005]

ひみつ [KCZK-005]

 

 そうか、この作品も澤部渡のインディーレーベル、カチュカ・サウンズからの完全インディー流通だからサブスクも無いのか…次作『サイダーの庭』までサブスクには無い(2019年8月時点)。

 

 外様の人間が“東京インディー”なる概念を振り返り回顧しそして大好きなアルバムを取り上げていく企画、その第3回目は、ベスト15枚のうちの第2位。スカートの2013年作のこのフルアルバム。これは大傑作ですよ。ジャケットがそれまでのもう少し現代的に可愛い系のイラストから一気に渋い感じに変わりましたが*1、楽曲の可愛らしさはスカート史上でも最高級でしょ。

www.youtube.comこの最高に曲の雰囲気にマッチしたアニメーションPVが公式じゃなくてファン制作なのが凄い…この時期のスカートは本当に、マンガ方面に広いチャンネルを持っていたなあ。

 

*1:漫画家の森雅之によるもの。構図が少し『火の玉ボーイ』鈴木慶一ムーンライダースに似てますね偶然でしょうけど。

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“東京インディー”って知ってる? Volum.2 フェイバリット・アルバム15選(ベスト15→3)

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 前回からの続きです。

ystmokzk.hatenablog.jp

 前説を若干書いた上で、今回の一連の記事の本編となる、東京インディーの「あの感じ」がする頃のアルバム15枚を選んで、簡単に感想していきます。1アーティストにつき1枚ずつ選んでいます。一応順位を付けていて、今回は15位から3位までを追っていきます。1位は正直15枚の中でズバ抜けて好きすぎるけれども、であるがゆえに、果たして近日中に書き上がるんだろうか…単独記事にする予定です。折角なので2位も単独記事にします。時間や自分の気力が許すなら他にも全曲に触れたいアルバムあるけども…。

 

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“東京インディー”って知ってる? Volum.1 概念考察

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 “東京インディー”なる概念がそのものすごく一般的っぽい「東京でやってるインディーバンドたち」みたいな意味を離れて、ある特定のバンド・アーティストたちを指して使われるようになって他のは一体いつからだったんだろう。恥ずかしながら、九州から外に居住地を移したことのない、東京周辺に住んだことのない筆者にとって、そんなムーブメントがあると知ったのは、メディアが「東京インディーは離散した」と言われ始める時期の直前くらいでした。

 ムーブメント。そうだ、“東京インディー”は音楽のムーブメントのひとつだった。そしてそれはかつてのロキノン文化が取り上げた「1997年の世代」だとか「下北系ギターロック」とかみたいな“結果的に周囲からそう言われた”と似た雰囲気がありながらも、もうちょっと当事者たちの自覚が感じられ、緩やかな連帯感と相乗効果が確実にあり、そして本当にインディペンデントで、音楽的な実り豊かな季節でした。なんかノスタルジックを糧に説教するおじさんみたいになりそうだ。

 今回は、そんな“東京インディー”なる、確実に日本の音楽史に残るべき概念として存在しながら、少々分かりにくくもなっているこの概念について、まずは色々と考えてみようと思います。考えて、ある程度区分けして、そして次回更新時とかで、筆者が大好きなベスト15枚のアルバムを粗雑に紹介することで、せめて何かしら像を結ばないか、と願って更新していきたいと思います。

 

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「伝えること」についてのうた(10選)

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「伝える」でググって一番はじめに出てきた画像です。

 このブログが「本当に書かないといけないと思ってることじゃないけど、なんかとりあえず更新したい」と思う時によくやる「楽曲10選」系の企画です。

 今回のテーマは「伝える」ということ。つまり正直、歌詞の中身ばかりの話になってくると思いますので、各曲のサウンドについて語る感じにはそんなにならないと思います悪しからず。

 歌詞の中で「伝える」となると、まあ「眼に映る全てのことがメッセージ」的な、全ての楽曲はメッセージソングだ、みたいなところがあるかもしれませんが、ここではもうちょっと「伝える」ことを重視して「歌詞の中で誰かが誰かに自分以外のことを伝えようとする」とか「伝えること・通信自体を歌にしている」とか、そんな具合で選曲をしています。

 今から取り上げる曲よりも全然もっと今回のテーマに相応しい楽曲が世の中にはものすごく沢山あるんだろうなと思いながらも、ひとまず行ってみましょう。

 

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『裸足の兵隊』『ASTRA/クレイマー、クレイマー』昆虫キッズ

裸足の兵隊

裸足の兵隊

 
ASTRA/クレイマー、クレイマー

ASTRA/クレイマー、クレイマー

 

 東京インディーきってのロマンチック・ロックンロールバンド昆虫キッズの音源を順番に取り上げてきていますが、今回は2011年にリリースされた2枚のシングルを取り上げます。各2曲ずつで合計4曲。ジャケットはイラストレーターの100%ORANGEによるもの。これはこの2枚に続くアルバム『こおったゆめをとかすように』及びその後の『みなしごep』まで続きます。『みなしごep』は『こおったゆめを〜』のアウトテイク集的なものになるので、アルバム『こおったゆめを〜』周辺の昆虫キッズは関連シングルも多い、なんか一昔前の邦楽バンドみたいなリリース状況です。

 なお、この2枚のうち『ASTRA/クレイマー、クレイマー』については実際の音源を所有していませんが、ややミックス等変更した程度でアルバム『こおったゆめをとかすように』に2曲とも収録されていますので、そちらをもとに書きます。逆に言えば、こっちのシングルは今やファンアイテムかなあと思います。

 一方で『裸足の兵隊』の方については2曲目『王国のテーマ』はアルバム未収録であり、また表題曲『裸足の兵隊』もアルバムでは録音し直されており完全な別バージョンとなっています。まあ表題曲の方はPVがあるので、そこでシングル版の音源を聴けますけども。

 また、この4曲を全て収録したレコード盤もあるようです。これ専用のジャケット書き下ろしもあって力入ってる。

裸足の兵隊/ASTRA [12 inch Analog]

裸足の兵隊/ASTRA [12 inch Analog]

 

 個人的に昆虫キッズ最高傑作にして東京インディーを代表する、いや、日本のロックを代表する一枚だと信じている『こおったゆめをとかすように』へ向かっていくその足取りとなる4曲。その充実の程を見ていきたいと思います。

 

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