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ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

好きな曲A to Z(2/26(予定):Bの曲)

 毎日夜更新はこの文章量でもなかなかきついというかさっそく出来なかった…。

・好きな曲をAからZまで一曲ずつ挙げていく企画。今回はB
・なんとなくAからZまで全部異なるアーティストにする。
・前回ちょっと上げた画像のリストは全然変更されうる。

 アルファベットひとつごとに曲を見ていくと、あ、このアルファベットはこの単語があるから曲数多いな、みたいなことに気づく。
 Bはbabyとかbackとかbeとかblackとかが、それぞれその単語から始まる曲が多かったなと思います。っていうかBは全体的に見てもかなりの激戦区だった。



B
Brothers On A Hotel Bed/Death Cab For Cutie
(from Album『Plans』)
PlansPlans
(2005/09/05)
Death Cab For Cutie

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 エモってどういうジャンルなん?とあるとき思って、今でもきちんと掘ってないからよく分かってない。それで、時々思うのが「エモにギターは必要か?」ということ。
 実際は「ピアノエモ」なる言葉もあるし、静かなエモみたいなのも十分に想定されている世界なんだと思われる。でも「エモってエモーショナルなものなんだからやっぱ激しさありきじゃないの?」という想いがいつも引っかかり続ける。激しさとは。音なのか、声なのか、歌詞なのか…。「エモ」という言葉はある意味「オルタナ」以上に混乱してしまう感じがする。

 その元凶の親玉みたいなバンドこそ、Death Cab For Cutieだと個人的に思う。「叙情派エモ」という単語に興味を持てば真っ先に登場するこのバンドを前提に「エモ」について考えてしまうと、もうなんか、収拾がつかない感じがする。それもまだ初期のややダークな頃や、ギターが目立ち全体的にザラついた質感のあるアルバム『Transatlanticism』までならまだ、なんかこういうエモもあるのかな?と思いそう。

 アルバム『Plans』以降のデスキャブでエモに出会ってしまうと最悪だ。ここにはもう「エモーショナル・ハードコア」にほんの少しでも繋がりそうな要素は殆どない。あるのは、洗練されて透明でちょっと都市感のある、ピアノを重視した、感傷的で美しく聴こえるような歌ばかり。このアルバムを基準にエモというものを考えてしまうと、もうこんな感じにしか思えない。
「とりあえず奇麗で、感傷的で、甘美で陶酔的ならエモなのかな…?」

 前置きが長過ぎたけど、そんな「エモ」なアルバムの中でもとりわけ「エモ」に振り切れている楽曲が、この『Brothers On A Hotel Bed』だと思っている。ピアノのゆったりながらコードの響きがとても甘美で残響も程よいリフレインのイントロだけで曲全体の1/4を消化してしまう様。そこからすっとリズム、そして歌が入り、それらはピアノのリフレインに沿うようにささやかな節をつける。メイン楽器の後ろでもわもわ鳴ってる音の変化以外は延々と、そのストイックに「エモ」な音世界を漂う感覚、どっしりした展開もなく、でも段々ともの寂しさが静かに体内を循環していくようなそれを「エモ」と定義してしまうと、結局エモとは、寂しさに陶酔してしまうことなのかと、あらぬ方向に甚だしい勘違いを。

 もしそれがエモなら、世界中の星屑ほどにもある感傷的なうたはみんなエモなのかもしんない。

 延々と変わらない展開が最後、ピアノのフレーズが落ち着いたコードに到達して歌がタイトルコールを繰り返すところに落ち着くタイミング。ここの淡々ともの寂しさを浮かべてたところをぱっと梯子を外されて、夜空になんとなく浮かんでて子守唄みたいに暖かいけどでも芯がすっかり寂しい、みたいな感じがすごく好きだ。掻けないところが痒くなって悶えてしまうような甘く虚しくも香しい。こんなやるせなさを通じてこそ誰かと繋がれたら、なんてことが出来るのは、まあでも歌か小説か漫画の中くらいなのかもしれない。

Cause now we say goodnight from our own separate sides
 Like brothers on a hotel bed

他の候補曲:
・Baba O Riley/The Who(from『Who's Next』)
 十代って不毛ですよねってすごい壮大で切ないスケールで言ったので田中宗一郎はじめそういう中二マインドに絶大な支配を及ぼす曲。
・BABY BLUE/FISHMANS(from『空中キャンプ』)
 うすら寒過ぎるポップソング。宇宙的なスケールの曲もとても素晴らしいけど、こういうナチュラルに奇形感あるポップソングもっと書いて欲しかった感ある。
・Baby Britain/Elliott Smith(from『XO』)
 洒落てて小気味よいポップソングを作ろうと思ったらきっとシャッフルでピアノ弾いときゃいいんだと確信してしまう曲。曲展開の運び方もものすごく好き。
・Back Of A Car/Big Star(from『Radio City』)
 ギターの音のキラキラとギラギラの中間な感じや、どこまでもバタバタしてるドラム。まったししたドライブ感、USインディーギターロックの理想型かよ。
・Back To Black/Amy Winehouse(from『Back To Black』)
 この人のブラックミュージックをオールディーズポップスライクに超分かりやすく落とし込んでくれるセンス、ブラックミュージックのセンスが無い僕はすごく助かる。
・balloon/泉まくら(from『卒業と、それまでのうとうと』)
 相対性理論以降のロリボイス界隈で出るべくして出た少女ヒップホップの最終兵器さんのいきなり最終兵器な曲。歌詞の内容をよく分かってなくても時々聞こえるセンテンスとあと単純に声質が全力で殺しにかかってる。
・Bend Your Head/dip(from『9souls』)
 ヤマジカズヒデのメロディセンスのいい塩梅のザラザラ感最近すごい好き。今度京都までライブ観に行く。
・Big Sur/The Thrills(from『So Much For The City』)
 ビッグ・サーは北カリフォルニアの景勝地。そんなにいいとこなのかないつか一回くらい行ってみたいな、って想いがする曲
・Black Jenny/SHERBETS(from Single『Black Jenny』他)
 ベンジーの激しさは抑制が奇麗に効いてる時が特にいいんだってよく分かる曲。ベンジーのコード弾きギターの音好き。
・Black Star/Radiohead(from『The Bends』)
 ギターのディストーショナルな重さと夢見心地なキラキラさが絶妙にブラックでスターな感じのする、というか演奏も曲構成もいい感じに重力移動のガッツリ感を感じさせる、エモい静動が光る名曲。
・Bound 2/Kanye West(from『Yeezus』)
 ループするフレーズも、定期的に挿入されるボイスも、唐突過ぎる壮大な歌展開もなんもかんもキャッチーな曲。PVはいつ観ても謎の爆笑がわき上がる。
・Brand New Wave Upper Ground/JUDY AND MARY(from『WARP』)
 YUKIセンパイの歌のテンションが最も高い高過ぎるのと特にギターの音がなんかおかしいのが絶望的に噛み合ったある意味『ミュージックファイター』辺りよりもよっぽど変なテンションなんじゃ?と思う曲。