確か7月17日くらいに弊ブログが100万PVを達成したようです。サムネは今日(7/21)時点のもの。
嬉しいような、結構時間がかかってしまってたような。最近精神がたるんでてあまり書けてなかったのもあって、でも今年に入って何も書いてない時でも前よりもPV伸びるようになって、なんかよく分かんないっすね。
前回のこういう記事が2022年の冒頭に書いた50万PV達成記念だったようで、そこから2年半で倍にはなったのか。2016年から改めて始まったこのブログで、8年で100万というのがどうなのか、よく分かりませんけど、でも単純に100万って数字はいいと思うので、前回のそういう記事以降に書いた弊ブログの記事の中でよく読まれたっぽいものを振り返ったりしておこうというものになります。
前回の50万PVの時のはこちら。
その前の30万PVのときや10万PVの時のは以下のとおり。
50万PV時までの記事を最新の内容を加えてリポスト等した時にものすごくウケが良かったりしたこともあるけども、そういうのは基本除きます。サブスク解禁関係とかで再ポストすると時折やたら伸びたりとか。
2022年
1. ムーンライダーズの全アルバム(1月)
なんか正月明けに書き終わったなあ、ということをぼんやり覚えているようないないような。
内容、なんか半端なく多いな…という感じ。メンバー紹介もメンバーが多いから文量も多くて、読み切るのが大変そう。だけど、ファンの性質的に細かい情報を拾うのが好きそうなところなんかにも支えられて伸びたのかもしれません。
自分はここ数年でようやっと入った後追いですが、ムーンライダーズ関係の記事はなんかよく読まれます。リアルタイムからのファンと受け止め方や定石の置き所が若干または全然違ったりするのが興味深くもあり。
“全アルバム”のカウントはタイトルのとおりで、この後にこの年の新作アルバム『It's the mooooonriders』については単独記事で書きましたが、その後のインスト作品以降については書けていません。
2. “宅録”の時代的変遷、及び“宅録”アルバム30枚(1月)
この年の1月は2連続でヘヴィな文量の記事を書いてそしてどっちもかなり手応えがあって、ひょっとしたら一番書いてて調子のいい時期だったかもしれません。
自分も一応宅録をする環境があり(最近全然できていない…)、本当に多少は機材のこととかも見知っているため、そういうのも込みで、特に、ある種の“チープさ”に格別の愛着(と、甘え)をもって書いていた気がします。
宅録というとなんとなく「作者が曲を書き楽器を全部演奏なりプログラミングなりしてミックスして出す」みたいな形式こそが“宅録”なんだ、というイメージがあり実際そうな気もしますが、ここでは多人数でもスタジオじゃない家で、スタジオに比べて不十分な機材で録ってればOK、としています。多分これは、宅録的ローファイさの共通項的なのを探りたかったりしたんじゃないかなあと。今見ると演奏陣は半端ない猛者揃いの『Niagara Calendar』とか宅録か…?とかも思わなくもない。いやでも、家で楽器を録音してミックスまで完結させたらそれはもう“宅録”でしょ、って気もするし。
この辺の、趣味とか知識とかの限界による都合でふわっとした感じに括られた宅録記事というのは、ほかにそんなないんじゃないかなとは思ったりします。
3. 『HELL-SEE』syrup16g(2月)
これもかなり読まれたなあ。このバンドの人気1位作品かもなやつだし、というかこの手の、あまりこういう言い方も良くない気がしつつも、所謂“鬱ロック”的なものの中でも最重要作品のひとつだろうし、それなりに書けば読まれるコンテンツにはなるよなっていう。
この作品も、ある種のチープさというのが大きな魅力だと思います。そもそも、シングルを作るつもりが曲が沢山できすぎて、費用を抑えるために相当無茶な録音を行っている段階でこのアルバムは変なんですが、その変な環境で集中的にやったことで、音にもそして言葉にも統一感があるんじゃないかなとは思ってます。とはいえ、今聴くならリマスター盤の方がはるかに聴きやすいかなとは思います。
正直、分かる(分かってしまう)人には言葉以上に“分かる”作品だろうと思うので、ここに書いてあることがかなり的外れ、書かなくてもよかったことのように思われるんじゃないかという怖い気持ちが書いててあったし今もあります。まあでも、それなりに多く読まれてるなら、そこそこは間違った内容ばかりでもないのかなって、少しだけ不安が減る思いがします。
4. 4ADというレーベル、そしてアルバム30枚(11月〜12月)
2022年は2月までは調子良かったけど、その後ウクライナで戦争が始まってしまったあたりから、気分的にどんどん良くなくなって、ブログの記事も精彩を欠いてたかもって思います。あの頃は世界は終わるんじゃないかと思ってました。今もまあ別の局面で様々に問題が世界中で発生してて、やっぱり終わるのでは…?という気がして全然元気が出ませんが。
そんな中で、なんで特定レーベルについて書こうと思ったのか、その発端が自分でもよく分かりません。でもまあ、ひとつの音楽レーベルについてここまでくどくどと長ったらしく書いたネットの文章もそんなにないでしょうから、そこがよく読まれた理由だったりするんかなあとか適当に考えます。
強いていうなら、1980年代のうちからCocteau Twins的な幻想的で美学の強い音楽と、Pixiesのような暴発的でオルタナな音楽とが平然と並び立つこのレーベルは、他の伝説的なレーベルと比べても、なんか幅がおかしいところが面白いなと思います。後半の記事で扱ってる分とか、同じレーベルにたまたま所属してる、くらいの統一感だし、もはや「インディー界の名門レーベルのひとつ」以上の意味はそんなにないのかもしれないとも思うけど、でもちょっと“4AD”的だなあと思う場面もあったりで、このレーベルはまだまだ面白いことを続けてくんだろうなと思います。
それにしても、前編記事からCocteau Twinsに横滑りしたり、Deerhunterの記事に発展したり、この年の年末はひたすら4AD尽くしだったなあと。成り行きだと思うけども、なんでだろ…。
5. Deerhunterのディスコグラフィーの大半(12月)
一般論として、こういう「このアーティストの全アルバム」みたいなレビューは割とよく読まれがちですね。やっぱこういうのの需要大きいのか。
リアルタイムで『Microcastle』とかにハマれなかった自分の後悔があらゆるところで滲み出ている気はします(笑)とはいえ、サウンドとそして歌詞も所々つまみながら各作品を見ていくのは、書くのは大変だけど、書き上げられるとそれなりに意味がありそうなものになるので、少しばかりやり切った感じがしてきます。
この記事の1日後に書いた『Halcyon Digest』の記事はもっとやり切った感がありましたがそんなに伸びず。というかなんでこの記事の翌日にまた相当な文量の『Halcyon Digest』の記事を書いているのか。そしてさらに翌日には年間ベスト記事も書いているのか。この辺の自分でもよく分からないスピード感と、そして年末に何してんの?という感じが自分でも不思議です。何をしてたんだろう…。
2023年
6. 【追悼】岡田徹の23曲(2月)
訃報を聞いたその夜のうちに一気に書いていたみたいです。2023年は(も)大御所アーティストの訃報が相次ぎましたが、特にしんどいなと思ったのは「生涯現役」な方々が相次いで亡くなったこと。
作曲家の死というのは、もう、未発表曲とか以外でその人の書いた曲、その人の個性や手癖やウィットの乗った曲が新たに生まれない、ということを意味します。AI?ふざけるな。どうしようもない。
2023年はもうひとつ、訃報にかこつけたような形で書いた記事が多く読まれた年で、なんだか不健全な気がします。
7. Pavementの歌詞を読む(10曲)(3月)
ササっと書けて結構読まれた、コスパが良かった記事。まあ10曲ってのがいつもより少ないもんな。ここ数年は単位が30とか50とかで書いててしんどいのばっかだったもんな。きっとこういうのでいいんだよこういうので。
日本語の歌詞だとそのまま読むしかありませんが、英語の歌詞を翻訳して読む場合、結構自分の都合の良いように歌詞の表現を変えられるのが、やってて楽しい気がします。人のふんどしで自分の言語感覚を再発見する、みたいな。他者のレガシーをダシにした遊びのようで失礼にあたるところもあるのかもだけど、やってる時は結構楽しいです。まあ、著作権のことは、どう、なのか…。
8. 『Revolver』The Beatles(5月)
なんでこの時期に『(White Album)』とこれの記事を書こうと思ったのかよく分かりません。ただ、「この作品はどっちかというと、自分が死ぬまでにレビューとか書いておきたい作品だなあ」と思うことはあり、『(White Album)』とこれはまさにその範疇の作品だったことはあります。
思い出した。なんかたまたま検索したら、このアルバムの最新ミックス版が出ていたことを知って、定位がちゃんと現代的なものになってたことに、ようやくかよ…!とか思いながらも、めっちゃいい…と思ったことが書いた理由だったと思います。それにしても本作の、実にオルタナ的なフォーキーさとギターの音とドラムの音やプレイっぷりは、やっぱり射程が長いなあと思います。新ミックスでそれが世に示されて良かったなあ。次は同じことを『Rubber Souls』でやってくれよ…!と思うけどどうなのか。音数が少ないから現代的に左右に楽器並べるのが難しいか?でもベースが右か左の端から聴こえてくるのはやっぱなんか、落ち着かないもんだよなあ。
9. The Roosters(z)の全スタジオアルバム(10枚)(11月)
ついにサブスク解禁されたことで満を辞して書けた記事。とはいえ、その後のシングルもサブスク解禁されたことにまだ対応できてないのはよくない…。この記事投稿後なるべく早くやろう。
この記事を書くことで、それまでそこまで馴染みのなかった、花田ボーカル時代の作品にも色々と愛着が湧いてきたのは良かったなと思います。少なくともこのバンド在籍時の彼は、自分の強い主張や音楽観があって実行する、というよりも、ひたすら“対応”をしてただけのようにも思える人ですが、しかしその“対応力”が大いにあったからこそ、バンドの寿命を伸ばすことができたんだなあと思いました。そしてその対応力に乗せるに相応しい下山淳というプレイヤー・作曲家。このバランス感覚は、確かに大江時代にはないものだなと。
とはいえ筆者はやはり大江時代の作品への思い入れが強く、本当に何年か越しに書き上げることができた『ニュールンベルクでささやいて』『C.M.C.』の記事については、これもまた、死ぬまでにどうにか書き残せたなと、幾らか満足しています。やはり全アルバムレビューよりはそんなに読まれなかったけども。
10. 小文字時代のthee michelle gun elephant(12月)
ムーンライダーズの岡田徹の記事を衝動的に書いたのに対して、こっちについては、ぼんやりした感覚で訃報を捉えてた部分があって、自分はTMGEより後のバンドに関しては全然聴けてない人間なんで、その辺もあったかもしれません。でも少なくとも、TMGEについてはそこそこ聴いてて、訃報のあとしばらくして、こういうところが顧みられなくなったりしたら寂しいなあ、みたいな部分を文章にしておこうと思って、これを書いたんだったと思います。
前期TMGEのチバユウスケという人の、歌詞のハジケっぱなしなスタイルや旺盛な作曲能力には、この時期のこのバンドだけが持ってた“自由”のフォーマットが宿ってたように思います。それについて、しっかり書いておきたい記事だったと思います。それはきっと、彼が死のうと死ぬまいと、帰ってくることのない性質のものだったようにも思いますけども。
11. 大文字時代のTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT(12月)
また年末ギリギリまで何か書いてたんだな…。ここ最近では、これが一番広く読まれてた気がします。X上ではそこまででも、その他からの読まれ方がエグくて、確か1日だけで3,500PVとか付いて、なんだこれは…とフワフワした気持ちになって。人が死んだのに便乗してる感じは前期以上にあったような気もします。
後期、なんだかんだ言ってもこっちも好きだったなあ、という気持ちが書いてる間に色々と湧いてきてた気がします。選曲も色々と入れ替えたりして、発見があったりして、面白かったなあ。最後の移籍後の2枚で、どことなく前期的なチバユウスケの要素が垣間見えてくるのは、やっぱこのまま続きを見たい気もしてくるし、でも最後だからこそそういうのが出てきたのかもとも思えるし、複雑な気持ちを、今更とっくの昔に終わったバンドに抱くのは、時間軸が危うくなって、変な体験でした。
いまだに、チバユウスケが死ぬって、なんか意味わからん感じがします。とはいえ、R.I.P.…。
2024年
12. 1990年のPrinceにインディーロック的なものを見出そうとするプレイリスト(4月)
こうして見ると、記事自体も長いけどタイトルも長いな…。そこまで大きくバズった気はしないけど、書くのに相当苦労したので。
これより前に書いたコーラスエフェクトの記事の際にPrinceをようやくアルバム単位でオールキャリア見通して認識できるようになって、まずは『Sign 0' the Times』の大量の未発表曲のものすごいクオリティの高さに夢中になってて、しかしどこかで、ひたすら雑に、むしろ“雑さ”をコンセプトにしたとさえ思える『Chaos and Disorder』という1996年のアルバムがすごく愛しくなり、その前後の歴史の非常にややこしいところも含めて、人間としてのPrince Rogers Nelsonその人のことが大好きになりました。この、圧倒的で傍若無人なようでいて、ツッコミ待ち的な愛嬌も匂わせる、しかし、誠実さのラインは、現実世界で完全には実行不可能なくらいに高い志を持つ、語るべきところの多すぎる人間。ギター音楽をメインで扱う弊ブログ的にも、R&B界隈の人物でここまでギターを使い倒す人もいなくて、そういう意味でも、しっかり捉えるのが遅すぎたくらいの話。
現在、どう書こうとも魔境になるのが決定してるであろう彼の1980年代について同じテーマで書こうと挑戦し、色々な事情から頓挫しているところです。選曲また変えて気分を変えてみようかな。
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以上です。
そして、6月中に何も書けず、しかし妙にPVの伸びが良くて、何も書かずに100万に達するのも嫌だなと思って、急ぎでART-SCHOOLの『スカーレット』の書き直し記事を書いた、というのが最近の話です。今のブログになってからの最初の記事がART-SCHOOLなので、100万直前の記事もART-SCHOOLにしたら格好がつくかなと。この前観たライブがとても良かったのでなんか書いときたかったのもあると思いますが。
今後このブログはどうなるのか。どうにかモチベーションを維持して何か書き続けていきたいなとは思います。
いちいち文章の冗長すぎる記事ばかりのこのブログを普段より読んでくださっている方、本当にありがとうございます。この場を借りて、できる限り心から感謝させてください。今後もなんか書けるものがあれば書き残しておこうと思うので、よかったらぜひ。少なくとも、ART-SCHOOLの上記作品の次の分とかは書かないまま死ぬのは遺憾が過ぎるかなあと。頑張りたいです。
それではまた。