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ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

【こ】今夜はブギーバック/あの大きな心 / 小沢健二

音楽-テーマもの

相当に久々になってしまったブログ更新は、さらに相当久しぶりになってしまった、あいうえお順になんか1曲取り上げてブログ書く企画のやつにします。投げ出した訳じゃないやい(もうやらないと思ってた…)

「こ」の段は、曲名では「恋の〜」とかでいくらでもいい曲があるけれど、でもやっぱ、久々の更新だったらなんかデカいのブッ込みたいですよね。というところからの、このチョイスにしました。

Eclectic
Eclectic
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小沢健二
EMIミュージック・ジャパン (2002-02-27)
売り上げランキング: 15,832
動画が見つからないぜ。。。

アルバム『Eclectic』は、90年代に渋谷系の中心人物として、そしてオシャレでキュートな“王子様”として、音楽好きからお茶の間までを射程に活躍した東大出の才人・小沢健二が、98年頃から活動を実質フェードアウトさせた後に、2002年に突如リリースした作品。それまでのポップで溌剌とした作品から一転、ひたすらにダークで密室的で術祖的なR&Bサウンドが展開されており、当時のファンから激しい賛否両論を受けた作品である(それでも次作『毎日の環境学』におけるファンさえも半ば無反応にならざるを得なさそうっぷりに比べたらマシでしょ…)

作品解説は以上。あと最近ceroが収録曲をカバーしたりアルバム『Obscure Ride』のサウンドの参照元にしてたりで再評価の気運が高まっている。正直今このアルバムをディスってもいいことなさそうだ。いやこのアルバム好きだからいいんだけど。

あまり書きすぎるとこの記事が『今夜はブギーバック/あの大きな心』でなくてアルバム自体のレビューになりそうなので手短に追記すると、このアルバムの特徴(いびつさと言い換えてもいい)を思いつきで言うならば、「華奢な日本人が華奢なままで黒人ばりのR&Bをやろうとすることの不可能性」だろう。思想的な面で日本人が黒人的な“リアル”と全く同調することは困難であろうし、それが大学教授を親に持つ控えめに言っても“お坊ちゃん”と言われても仕方のない身である小沢健二ならなおのこと。

しかし、このアルバムはハナからそんなリアルなど求めていない。このアルバムにあるのは、乾いた概念や比喩に満ちた言葉の数々で“本質的でねっとりとした性”を描こうとする逆説めいたアプローチだ。それは直接的な肉体性というよりはむしろ、光と闇のファンタジーじみた、性の実験室じみた“非現実性”に傾いてる。身も蓋もないこと言うと、村上春樹っぽいというか…。

その思想面での「本来の黒人性からの乖離」が、音にも出ている気がして、それがこのアルバムを一層いびつなR&Bアルバムにする。音が全体的に、“本場の黒人音楽”と比べるとクリアな気がする。黒人音楽的な「くすみ」「暴力性」「ギラギラ感」のようなものがここにはない。それがこの音楽を“R&Bっぽいけどなんか違う、いびつで特別で非現実的な音楽”にしている(んだと思う)。ceroディアンジェロと自分を結びつける触媒にこのアルバムを用いたとされるのは、そういった部分が関係あるかもしれない。

(以上、普段さして黒人音楽を愛聴しない人間によるアルバム評でした)

そんな寄る辺のない、妙な孤独と焦燥ばかり募るアルバムにおいて一番ホッとする瞬間が、この彼のかつての代表曲の再録であったことは、こればっかりはもう明らかだ。彼のキャリアの最も華やかなりし頃にリリースされ、その後日本語ラップの代表作にして最大級のヒット作品として大いなる存在感を今でも保ち続けるこの曲。

しかし、この新録では少なくともその「日本語ラップの名曲」たる部分、つまり原曲でスチャダラパーが担当したラップパートはごっそりオミットされている。しかし、原曲で結構な尺を占めるラップが全部削除されたのに、曲の尺はそこまで短くなっていない。

その訳こそ、このリメイクにて追加された歌詞、およびセクションなのだ。ぼくはこの部分がとても好きだ。

やがて陽炎が空を焦がすこの街で/あなたに会えたよ
 それを最高に感じる
 南へ行く高速道路/あなたと下る時
 欲望と愛の行方を見てる魔法のように

原曲が持つ歌詞の情景はパーティー会場であり、その点でこの曲は本作の他の曲の多くの場面がベッドルームじみていることと異なっている。しかしながら、この新規挿入部により、この曲のストーリーはベッドルームへ向かう過程へと書き換えられており、他曲との接続が図られている。

ただ、そんなことよりも「やがて陽炎が空を焦がすこの街で」「南へ行く高速道路/あなたと下る時」といったフレーズが持つ、「ああ、小沢健二っぽいなあ…」と思わずにはいられない類のダンディーな響きに惹かれる。そしてそれらは次の追加フレーズに吸い込まれていくのだ。

あの大きな心/その輝きにつつまれた
 あの大きな心/その驚きが煌いた
 あの大きな心/その輝きにつつまれた
 あの大きな心を!

ここには結局、彼がかつて
愛すべき生まれて育ってくサークル
 君や僕をつないでる緩やかな/止まらない法則

とか
心すっかり捧げなきゃ/いつも思いっきり伝えてなくちゃ
 暗闇の中挑戦は続く/勝つと信じたい今は!

とか
強い気持ち/強い愛/心をギュッとつなぐ
 幾つの悲しみも残らず捧げあう
 今のこの気持ちほんとだよね

とか歌ってるのと、結局は同じことなのかもしれないなと。言い方は大人っぽくなってても。それは、チャラい言葉で言うならば、とてもエモいことだよな。

サウンド的にも、今作の他の曲のような変態おばけR&Bサウンドではなく、原曲のキラキラチャラチャラした部分こそ削ぎ落としながらも、幾分スタンダードで肉感的で小気味よくて落ち着いたソウルでファンクなアレンジが施されている。アルバムから浮きかねないくらいのストレートなアプローチは、ある意味この曲にかつてからと同じメッセージを載せてしまいたくなった、それを曖昧さで誤摩化したくなかった、彼の今作ではらしくない油断、もとい静かな熱さの現れなんだろうか、とか思ったり。


結局のところ、彼がライブ活動を再開させた際に演奏されたブギーバックは、本作のバージョンではなくかつての“J-Popのクラシック”めいた原曲バージョンだった訳で、現在の彼のライブ活動においては『麝香』くらいしか演奏されてない辺りにこのアルバムの悲しさの一端があるけれど、しかしそれゆえにこのアルバムの寄る瀬のなさ・孤独さとそれ故の崇高な感じはかえって高まるかもしれない。

ただ、近年の彼のライブを観てないので具体的に知らないのだけど、近年ライブで披露される新曲の数々というのが大変素晴らしいと聞いていて、自分は彼のライブは一般販売された『我ら、時』でしか知らないのだけど、

ここで聴くことの出来る新曲や最近の新曲などと並べたときに、よりしっくり来るのは、この「あの大きな心」バージョンなんじゃないかな、とか思ったりする。というか流石に原曲は94年の曲ですから、今聴くには流石に古いかなーみたいな、あと若いなーパーティーやなーみたいな部分もある訳で、当時よりもR&Bやらをよりシリアスに受け止められる今の我々からすれば、こっちのバージョンの方が楽曲としてしっくりくるところだと思ったりもする。

いずれにせよ、この曲のこのバージョンのメロウさや真摯さ、そして彼の宗教的とさえ言えそうな“人の繋がり”に対する哲学観が、とても好きだ。願わくば、原曲バージョンだけでなく、こっちのバージョンの他の人によるカバーとかも聴いてみたいものですね。そのような形などで、もっと語り継がれてもいいものだと思う。

『kemuri』Kalan Ya Heidi

私事ですが、仕事の都合で鹿児島に引っ越しました。
ブログに私事もクソもないか

なんか地震が来て揺れてるのでブログを更新してみます。
(後にこれを観ることになった方々へ:平成28年4月14日夜から15日にかけてなんか九州は全体的に揺れてたのです)

kemuri

1. もといたとこにかえるゆめ
 作詞を担当しました。
 可愛らしい感じの曲にしっとりとキチ○イじみた歌詞が乗せれたので満足してます。特に2回目のヴァースは初期スピッツしてて自信作。コスモスって歌詞にも出てるし。

2. インナーグルーヴ
 作詞作曲担当しました。
 元々は私個人のサンクラに上げていた(今も別に消してないけど)『junkfood inner groove』という曲で、さらにその前にやろうとして結局しなかったバンドで別タイトルで取り上げてて(その時はストーンズの『Out Of Time』を目指したアレンジにしようとしていた)、さらに辿るとまだ学生の頃人生ではじめて野外弾き語りしたとき、その前日にさっと作った曲(歌詞がなんか性風俗の女のひとの話だった。なぜ?)で、多分このCDでも古い方の曲。たびけんさんに『junk〜』の方でカバーしてもらったりもして、嬉しかったな…。
 イントロのイントロ部分はビーチボーイズの『California Girls』っぽくしたくて、その後は全体的に『Wouldn't It Be Nice』に拠った感じのアレンジ(シャッフル、一度サビを避ける曲展開、鉄琴とか)。ビーチボーイズの曲って時々ホントビックリなくらい幸せでいいですよね。アレンジ決め終盤に入ったトランペットがすごくいい。
 歌詞は『junk〜』からそれほど変更はない、やけっぱち気味のもの。最後の曲に合わせて微調整。淡い喪失感があればいいなと。

3. メープルのマーブル
 前作EPより。先行シングル曲的な位置。

4. 月は無慈悲な夜の女王
 作詞担当しました。
 本作で一番洒落た、難しいコード進行してる。弾けない…。最終的にとても品があってほわーんとした感じに収まったのはアレンジの人の力量。ソフトSF?終盤、紙めくりからの展開が寂寥感あっていい。
 歌詞もそんな感じに沿って書いたつもり。「宇宙の色」辺りは引用。っていうかタイトルも引用。原作はまだ手に取ってないです…。

5. どこかに行きたい?
 特に何も関わってませんが、この曲がこの位置にあるのはほっとします。地に足ついたまったり加減。オルガンのオブリがユーモラスで、こんなの全然思いつけない。

6. 彫刻刀
 pitoという昔福岡にあったバンドの曲のカバー。原曲がmyspaceで聴けました。myspaceって…半ば郷愁。原曲のAdvantage Lucyっぽさはなんかなくなってる。ピアノとかのせい?ギターも意外とかき鳴らしてる箇所が少ないんですよ。ややジョニーマー的?こんなの弾けたらいいよな。曲調が今作で一番明るくて、前曲から続いてアルバムで一番快活なゾーン。

7. 世界はさみしさでできている
 前作EPより。前曲からのギャップはある。いきなり歌詞に死体とか出て来るし。あと今作のぼくの曲で唯一ミドルエイト的な箇所がない。

8. バナジウム温泉キット
 作詞作曲担当しました。自信作。
 ぼくが今のとこ個人でやってるhasu-flowerの曲でも多いんですが、オープンコードのEの抑えを基調にずっと1、2弦解放のままコードを展開させる手法を最初にやった曲。なのでなのかほのかにシューゲ的な感触あります(当初はもっとシューゲポップにするつもりでしたが、蓋を開けてみるとこの二本のギターによるワビサビの利いたアレンジがとてもいい)。
 曲展開は初回サビを抑えて二回目以降からぐわーっと広がりを持たせる、初期ART-SCHOOLが時折用いてた手法。サビ後のドラムも『プールサイド』意識なので、まあそういうことです。
 歌詞は今作1難産した。一番スピッツしてると思うし、昆虫キッズ意識な部分もあったと思うし、あと丸々持ってきてるのが、フレーズでひとつ(サビ)と内容でひとつ(3回目ヴァース)。そういうのも含めて、もっとどうにかなったんじゃないかという気もするけど同時にとても満足してる。dipから「琥珀の〜」に繋げられたの達成感大きい。
 あと、タイトル思いついた時は物凄く全能感あった。ネカフェで『ニッケルオデオン』読んでる時だった。ぼくは緑の巻が一番好きですね。

9. わたしの王子様
 前作EPより。前二曲がやや暗かったので巻直し。剽軽なポップさがあり元気出る。

10. 磁気のあらし
 作詞作曲担当しました。
 この曲も、結構前(学生ロスタイムしてた頃?)に作って、割と今作のこれと同じようなアレンジで録音してひっそりと発表されたことがあったもの。アレンジこそ豪華になったものの、こっちは曲構成も歌詞もそのときから殆どいじってない。
 何を置いてもビートルズ、っていう曲。メインのコード進行は『Something』(だった。後から知ったパターン)、メロトロンもあり、ピアノもあり、逆再生シンバルあり、リンゴがスターなドラムあり、そういえばギターの音色も末期ビートルズジョージハリスン?曲自体も元から『Hey Jude』と『Across The Universe』を混合させたような。ただ、二回あるブレイクの箇所は私。
 ただ、一旦曲が終わった後のリフレインのアレンジは、ジェントルではなくノイジーな拡がり。『Yankee Hotel Foxtrot』のイメージ。このアレンジがあがってきた時が今作で一番ぐっときた。
 本制作で殆ど手を加えなかった歌詞は作った当時から自信作。

11. タウンバイザリバー
 作詞を担当。タイトルは勿論もじり
 今作で一番儚くて切ない曲。アルバムの冒頭(近く)と末尾がシャッフルビートなのは偶然ではない(と思う)。エレピの音が夜の水滴のよう。
 歌詞は短いけど、アルバムのこの位置ありきの、ささやかな締めになったと思う。結果的にだけど、岡崎京子『リバーズエッジ』にだいぶ寄った感じになった。タイトル決まってから歌詞書いたから、無意識に引っ張られたんだろう。「川のそばでけむりが〜」のくだりはミッシェルの『サニー・サイド・リバー』。


 ガールズポップ、と言うとなんか元気がありそうな響きがするのでもうちょっと用心して、少女ポップという単語を(妥当かどうかはともかく)用いて、そういう界隈で、変なたとえですが「これぞまさに少女スピッツ!」って感じの作品って、そんなに無い感じがします。なんだろう、やはり「少女」という単語が、概念が、「恋」とかそういう概念の引力に強く引っ張られてしまうのか、どこか「等身大」風なものになってしまう(それは女子が曲を書く場合に限らず男子のそれでさえも!)。そういうものが良いと、そこに生じる繊細さとか自然体とか何とかが賞賛される、という、ナチュラルな「可愛さ」なのか何なのか、そういうのをきっと世の中は好きで、今日も明日も君とわたしの爽やか果汁二人乗り、てな景色が憧れで理想で尊くて、みたいな世間だと、少なくともぼくは感じていて。
 今作で、というか前作もそうだけれど、(ぼく個人がkalan ya heidiに対するいくらかばかりの貢献の中で)試みていることの大きな一面は、そういうのをひん曲げてしまうことだった。その着想、というかシンパシー的な意味では、やはり相対性理論(バンド)の存在感というのはとてもあった。あの人らが成し遂げたとても重大なことのひとつが、ゼロ年代オタク文化の煮詰まって脱力ったやつを丁度いい具合にテキトーな塩梅でSFだとか学校生活だとかに結びつけて投入することで、純情可憐な少女ポップの「素直さ・自然さ」の部分を徹底的に脱構築ってしまったことだ。調子に乗って脱構築なんて言ってみたが、要は「さも日常のように歌ってるが、お前みたいな日常があってたまるか!」ということだ。そういう意味でやはりやくしまるえつこ節(?)というのは少女ポップの歴史の中で(その指向性は異なっているにせよその効能とかなんか雰囲気とかそういうレベル?で)最も「少女スピッツ」的な要素だったのかもしれない。
 この、ここでいう「スピッツ」的要素というのには注釈をつけておくべきだろうか。それは、「果てしない闇の向こうにOh!Oh!手を伸ばそー!」的に壮大な世界の話ではなく(それはそれで好きなので他意はないです)、確かに舞台設定としてはもっと日常、せいぜいちょっとした旅行、ピクニック的なレベルの旅行程度くらいまでの世界観において、しかし色んな角度、思いもよらないような角度から(少なくとも作り手は幾らばかりかそう願いながら)「不思議」が沸き出してきて非現実的に何かを変えてしまうような、つまり「不思議」が日常をさりげなくしかし実はエグいくらいにハッキングしてしまうような感じのそれを指す(ことにしよう)。
 ここで少女ポップの世界でこのような試みをするときに発生する問題が、いわゆる「不思議ちゃん」属性に閉じ込められてしまうことだ。「不思議ちゃん」属性をここでは二つ想定する(パッと浮かんだだけ)と、
・「あーああの娘あんなに変なキャラつくっちゃってー」タイプ
・「うわ…なんか怖い…少女聴くのやめて家でパラッパラッパーしとこ……」タイプ
となり、これらのどちらかに深く入り込んでしまうと、それはそれでそういう世界観としてアリかもしれないが、「少女スピッツ」というイメージのバランスからは滑り落ちてしまう感がある。アイドルだと、目立ってなんぼの世界だし、不思議キャラなら前者寄りの方がグイグイくるだろうし、逆にアーティスティックになれば後者の方面で「女の業・少女の業」みたいなの(大森○子?)があるのだろうか。

 でももし自分がそういうのに関わるなら「少女スピッツ」くらいのバランスがいい。

 いわゆるインディーロックとかいう音楽の良さ、その中でも特にぐっと来るのは、さりげなくも貧乏貧相な日常くさい(少なくともゴージャスとは感じない)感じと同時に、何かが全然違っていて「あれっ?」って具合に目についたり、焼き付いたりする類のものだ。Pavementだって、Wilcoだって(Wilcoをインディーバンド呼ばわりは最早ムリか…?)、Deerhunterだって、中村一義だって昆虫キッズだってミツメだって、なんかそういうところだと思う(これが例えば大げさに言えばスマパンとか、Syrup16gとかART-SCHOOLとかだとやや話は違う気がする)。

 別に貧乏貧相でもないと思うし、むしろ拘り抜かれて制作されている音はいいよもぎ菓子のように味わえると思うし、そして何と言ったってボーカル二人の声の澄み具合は最高だ。どんな汚い言葉を吐いても、エグい中身を歌っても、その響きは決して濁らないんじゃないかと思う。
 だからこそ、できることがあったし、することができた。本作に関わることができて、とてもとても嬉しいばかりです。聴いていただく方にどう思ってほしいとかいうのはあまり口に出したくないが、「なんか不思議だな、でも悪くない感じに不思議だな」と思っていただければ、それは大成功なんだと思う。


 無駄な駄文を久々に出してみましたが、とにかくいい作品だと思います。良かったら買ってください。手売りもありますので、ぼくに連絡いただければ(アドレスは右上プロフィール欄にあります。ツイッターでもOK)送料無料・まごころ(時にそれは物理的に)を込めて承ります。ので、よろしくお願いします。

2015年その他

音楽-年間ベスト等

 あけましておめでとうございます。
 何かいいことがあるといいですね本当に。

 一昨年、ベスト30に加えてもう一個記事作ってて、なんか当時の自分は暇というかなんかもっと他にすることなかったんかい、とか思ったりしましたが、今年も(2015年の話なんだから去年だけど)色々あったものなので、自分用に簡単に纏めておきます。



○2015年ベスト30漏れ、いわゆる”次点”5点ほど順不同
・noise myself / Kei Hiyamuta
 これもまた宅録シューゲのひとつの形。なんかすごいシューゲはエレクトロニカと見分けがつかないんだなあ、っていう幻想的な世界観が素敵です。
・きれいな血 / SHERBETS
 2014年の浅井健一ソロが暗かったのでSHERBETS本隊はどんなん来るんや…と思ってたらことのほか明るめの作風で驚いた。にしてもリリースペースがまたおかしいことになってきてる。
・Cover Songs / 小島麻由美
 これを2015年作品扱いしていいのか微妙だけど、彼女のこれまでのあちこちで披露されたカバー曲(+新録カバー二曲)による作品集。『夏の魔物』とか『SWEET MEMORIES』とか色々ヤバいけど、尾崎豊のカバーが二曲もあって、しかも未発表だったというのは、まさか尾崎トリビュートに参加予定があった…?
・パラード / ザ・なつやすみバンド
 相変わらずなんもかんもクオリティー高い。楽器も豊富で曲もポップなのから深みのやつまで。『サマーゾンビ』が未収録なのはちょっと残念だったけど。あとメジャーデビューということですが、その際にも「もはや東京インディーという狭い括りでは云々」と書かれていたのはやはり釈然としない。
・Carrie & Lowell / Sufjan Stevens
 最初はもっと上だったけど、次第に下がって次点になった。英語が判って内容に深く入れたら違っただろうなあ。どの曲も単純な弾き語りのようで終盤グワーってなる瞬間があってびっくりする。ギターの曲もいいけどピアノの曲が沈み込むようで好き。

○ライブ盤(ライブ盤は意図的にベスト30から外してる)
・The First Waltz Award / スカート
 ワンマンロングセット公演からの超充実なライブ盤。澤部さんの汗が飛ぶような情熱のパフォーマンスが盤を狭しと弾けていて素晴らしい。選曲も限りなくベスト盤的内容!
・さようならからこんにちは / 昆虫キッズ
 2015年を僅か7日しか生きなかった昆虫キッズのラストライブの盤。圧倒的ボリュームで充実もいいところだけど、しかしぼくは実際にこれを観たので、その時の感慨と轟音のリアルさにより尊さを感じる。
・LIVE〜2015.02.13 at STUDIO COAST〜 / ART-SCHOOL
 これも行ったのでアレですが、でも見返すと結構面白いなあと思います。DVDだと当然、演奏者の動きとかあるんでそういうのもまた面白い。最後の『しとやかな獣』は何回観ても最高だなって。活動再開嬉しい。

○マンガ・小説。全然買ってない&なかなか読めてない
ヴォイニッチホテル / 道満晴明
花とアリス殺人事件 / 道満晴明
ジークンドー / G=ヒコロウ×雑君保プ×道満晴明
 道満晴明関係。ヴォイニッチの方も終わってしまった。意外と小気味よい収まり方だった。花とアリスの方は原作より先に読んでしまった。こっちも爽やかな読後感だった。ジークンドーは道満先生もいいけどヒコロウ漫画も手を伸ばしてみたいなと思うのと、そして表紙で天使のキャラが中央なのは、それに相応するだけのインパクトがあの話にはあったなあと。
・咲-Saki / 小林立
 シノハユ / 五十嵐あぐり
 咲日和 / 木吉紗
 立-Ritz- / 大和田秀樹
 まさか2015年中に準決勝が終わると思ってなかった本編。本編よりも後ろ暗い設定があり、またある種のデッドエンドが想像される中あまりに懸命に健全すぎて眩しくも尊い感じのするシノハユ。安定して面白い日和。そして短期集中連載にして多くの「!?」を遺していった立。2015年も楽しませてもらいました。
・ニンジャスレイヤー / ブラッドレー・ボンド&フィリップ・ニンジャ・モーゼズ
 2015年はアニメイシヨンを切っ掛けとして遂に忍殺にはまった年でした。未読の層にも広がるトンチキ描写に反して物理的にも質的にも重厚な物語にズブズブに引き込まれた。特に二部くらいからか、フィクションを通じてある種の“祈り”みたいなのを書こうとしてる場面が散見されて、そこに目頭が熱くなること度々。『フェアウェル・マイ・シャドウ』でのキャラクターの輝き様の尊さには、まさにフィクションだからこその醍醐味を強く感じた。
・CANDY POP NIGHTMARE / 氷川へきる
 オタサーの姫の真希奈のドヤ顔が可愛いかったです。ドラマCDの声優田村ゆかりだったのか。
・波よ聞いてくれ / 沙村広明
 沙村先生のサブカル散りばめコメディはやはり面白い。いちいち光景が楽しい。
宝石の国 / 市川春子
 特に年末にかけて、フォスがどんどんメンタルひどい感じになりつつあるけど、果たして。あとシンシャが可愛かった。
ワールドトリガー / 葦原大介
 侵攻の話が終わっても別のテンションに上手く切り替わってて楽しかった。あと女子キャラがいちいちいいなって思う。鳩原さんとか絶妙に地味い。
僕のヒーローアカデミア / 堀越耕平
 割と年末に近い時期にやっと纏めて読んだ。確かにこれは面白い!っていうか亜人的な造形のキャラが当たり前のように出て来る漫画が今のジャンプの看板張ってるんだなって(よく考えたらワンピースとかだって出て来るけど)今のジャンプはかなりギークな層に受ける作りになってるなあと。
左門くんはサモナー
 絵柄がすげえポップでびっくりした。やっぱりジャンプどんどんギークな層に(割愛)。設定の割にどこにも行きようのないダメーな具合のギャグセンスが好き。バトル漫画にはならないでくれ…。

○2016年に期待してる新譜
・スカート
・For Tracy Hyde
・NYAI
岡村靖幸
GRAPEVINE
あとはよく把握してないです。
2016年いい年になれ。いい年になるよう頑張るしかないか。

○自分関連
 1月20日に発売予定のKalan Ya Heidiのアルバムに参加させてもらってます。よかったら買ってください。

 hasu-flowerの方も計画が多少あり。頑張らなくては。

2015年個人的フェイバリットアルバム30選(後編)

音楽-年間ベスト等

後編です。
15位→1位まで。
順位とかあんまり意味ないしアレですけど。


15. Dealer / Foxing
Dealer
1.Weave 2.The Magdalene 3.Night Channels 4.Laundered 5.Indica 6.Winding Cloth 7.Redwoods 8.Glass Coughs 9.Eiffel 10.Coda 11.Three On A Match
 今年twitterで知り合いになった方から教えてもらった、アメリカ、ミズーリ州セントルイス出身のインディー・ロックバンドFoxingの2nd。出身地からは想像つかないくらいの寒冷地系エモの様相を呈している。ギターからピアノからオーケストラまで冷たくも奥行き重視の音作りになっていて、そこを叙情的で時にキュアー的にナルシスティックに沈痛で、時にぐうっとエモくなるボーカルの雰囲気はやはりどっちかと言えば北欧で、とりあえずセントルイスじゃない、セントルイスはこんな凍死しそうなほど寒くなるのかしら。

14. SHINE ALL AROUND / 豊田道倫
SHINE ALL AROUND
1. 雨の夜のバスから見える 2. SHINE ALL AROUND 3. ありふれたジャンパー 4. そこに座ろうか 5. 愛したから 6. 24 時間営業のとんかつ屋 7. どうして男は 8. ともしび商店街 9. サイボーグの渋谷、冬 10. 帰省 11. I Like You 12. 小さな公園 13. Girl Like You 14. 倒れかけた夜に 15. Tokyo-Osaka-San Francisco 16. また朝が来るなんて
 今日が発売日だが関係ない(勿論昨日フラゲしている)。数回聴いただけでもこのアルバムの素晴らしさがおれには判ってしまうのだ。だってこんな、こんな日常の渋み・人生の苦みをそのままポッップソングに抽出してる人なんて他にいない。何がブラックミュージックだ何がシティポップだ、こっちは人生送ってて普通に辛いんだからそんなのに気配りする余裕なんてどこにもありゃあしないんだよと、人は疲れるしやがて/唐突に死ぬんだよと。音楽活動20周年というアニバーサリーの気負いも程々に、より馴染んだと思われるmtvBANDの演奏が哀愁をラフにグルーヴさせる。ここでも冷牟田さん!

13. Unknown Moments / Alfred Beach Sandal
Unknown Moments
1. 名場面 2. Supper Club 3. Cool Rununings 4. Dynamo Cycle 5. 祭りの季節 6. おもかげ 7. Fugue State (feat. 5lack) 8. Town Meeting (prod. by STUTS) 9. Honeymoon 10. Swallow
 前作『Dead Montano』から継続するメンバー構成(3ピース)を軸に、歌もの色の強かった前作からやや方向転換して、外部のビートメーカーやゲストにラッパー(5lack)等を迎え、より多面的な作りを志向した感じか。相変わらず国籍感の混濁した乾いた世界観は健在。レビューをこちらで書いてました。

12. V / Wavves
V
1. Heavy Metal Detox 2. Way Too Much 3. Pony 4. All the Same 5. My Head Hurts 6. Redlead 7. Heart Attack 8. Flamezesz 9. Wait 10. Tarantula 11. Cry Baby
 今年はCloud Nothings(というかディラン・バルディ)との共作もあったWavves。その後リリースされた今作は、前作で見せた音響感は引き続き発展させ、重みやらシリアスみやらはどっかに放り投げてしまったかのような、いい形の開き直りが感じられるパワーポップアルバム。音の整理はさらに進みギターの音は少しシンセっぽい変な音色になったりもしてユニーク。そしてほぼ全曲テンポが速く曲も長くない!やってることはクソ単調なのにそれを上手く誤摩化せてしまうスキルが身に付いたパワーポップって、聴きやすくて楽しい。

11. 愛ならば知っている / 泉まくら
愛ならば知っている
1. baby 2. pinky  3. Love 4. Lullaby 5. YOU 6. Circus  7. 愛ならば知っている 8.  9. 明日を待っている
 福岡在住の、身も蓋もない言い方だと“やくしまる以降”系ラッパーの新作。ホントにこの街にいるの…?子供っぽくフワフワした意匠は第一作目のみで前作はそうでもない感じだったが、今作のリリックの世界観はより「社会の中での二人の関係性」みたいなのに進んでいる気がする(ジャケットが象徴的か)けど、トラックはよりクラクラとするようなシニカルなカラフルさが光っている。4から6までのクレイジー遊園地みたいなある種の賑やかな流れから必殺のポエトリーリーディーングを挟んでからの最後二曲のメロウさへの帰結が、微妙に変わって行く声の表情ともども素晴らしい。

10. Many Shapes / Taiko Super Kicks
Many Shapes
1.メニイシェイプス 2.シート 3.流れる 4.低い午後 5.別れ 6.釘が抜けたなら 7.水 8.ラフ 9.夏を枯らして
 確かに最近の東京インディー系の新人の中でもとりわけミツメスカート昆虫キッズ辺りの頃の東京インディー感に馴染むという意味で“東京インディー最後の至宝”などとタワレコに呼ばれてるのかもしれないところのTaiko Super Kicksの初フルレングス。レビューはつい最近こちらに書かせてもらいました。

9. エピタフ / トリプルファイヤー
エピタフ
1. SEXはダサい 2. トラックに轢かれた 3. 変なおっさん 4. Bの芝生 5. 戦争の話 6. 面白いこと言わない人 7. 今日は寝るのが一番よかった 8. ゲームしかやってないから 9. 質問チャンス 10. なんかしゃべんないと友達になれない 11. こだわる男 12. 全国大会
 その旧来の“東京インディー”側のバンドであろうトリプルファイヤーの3枚目はついに10曲を超える長さの作品に(それでも全体で32分程度だけど)。まさに昨日レビュー書きましたのでそちらを。尺的にも楽曲的にも相当完成された感じがして、この次はどうなるんだろうという興味と勝手な心配があります。

8. Sound & Color / Alabama Shakes
Sound & Color
1. Sound & Color 2. Don’t Wanna Fight 3. Dunes 4. Future People 5. Gimme All Your Love 6. This Feeling 7. Guess Who 8. The Greatest 9. Shoegaze 10. Miss You 11. Gemini 12. Over My Head
 あちこちで大評判の、アラバマ州のバンドAlabama Shakesのこの2nd。聴いたときに思ったのはやはり、曲自体はオーセンティックな感じなのに、音の響き方が全く現代的だということ。ギターの空間的な存在感(ディレイエフェクトとかそういうことではなく。そういう意味ではミツメの近作とやや共通する感じがある)は、アメリカン・ビンテージなギターサウンドのフォルムを更新してしまった感じがある。野心的なプロダクションと確かな楽曲・歌唱力・演奏力による傑作か。ただのロックンロールでさえオルタナティブロック的に聴こえてしまう。

7. Happy Valley Rice Shower / Happy Valley Rice Shower
<img src="http://blog-imgs-86.fc2.com/y/s/t/ystmokzk/20151230105657814.jpg" alt="cover のコピー" border="0" width="300" height="300" /></a>">cover のコピー
1.Just Like Lucy 2.I See Your Face And Feel Ecstasy 3.Skybird 4.Nothing In My Sound 5.Airport 6.Sundown 7.November Rain And All Free Angels 8.Happy Valley Rice Shower 9.Stay Gold
 ある程度昔より大変お世話になっているたびけん氏(未だに会ったことないけど。会いたいです)のソロユニットの、初のアルバム的に纏まった形でのリリース。フリーダウンロード。氏は「バンドキャンプ漁ればゴロゴロいるようなシューゲイザー・リバイバル以降のギターポップ、のようなバンドになりたい」と言うけれど、それがどうして、この宅録シューゲ・ギターポップという形式がそうさせるのか、意外とこういうの他に無くて替えが効かず繰り返し聴いていました。コーヒーカップ一杯の陶酔感とシンプルにして明快な蒼いギターサウンドが今年一番鮮やかでした。

6. ねむらない / HiGE
ねむらない
1. ジョゼ 2. ネヴァーランド・クルージング 3. なんて素敵でいびつ 4. S.S. 5. テーマ・フロム・ダリア 6. 檸檬 7. ing 8. 彼 9. *イノセント (What's going on?)* 10. 闇をひとつまみ
 昨年遂にオリジナルメンバーの脱退があり、それまでのバンドの均衡が崩れそうだった(ファンブック読む限りはもっと前から不安定だったようだった)HiGEが、もういっそ自分から均衡崩して変わっちまえ、と思い切ったように思えた、ドラスティックな変化を見せた新曲群の詰まったアルバム。レビューはこちらで書いております。

5. Fading Frontier / Deerhunter
Fading Frontier
1. All the Same 2. Living My Life 3. Breaker 4. Duplex Planet 5. Take Care 6. Leather and Wood 7. Snakeskin 8. Ad Astra 9. Carrion
 7が先行公開された時の「はぁ…?」な感じは何だったのか。Deerhunter史上最もクリアーなサウンド・視点を披露する、前作のもやが晴れて行くかのような快作。エレクトロ的なサウンド処理がとても澄み渡っていて、特に2のどこまでも視野がクリアーになっていくような雰囲気はどうだ。アルバム前半はDeerhunter史上最もポップでキラキラした流れでもあり、きれいなブラッドフォード・コックスみたいななんか矛盾めいた感じが可笑しくも祝福的でもある。そして今思うと、比較的地味な後半に7はやはり必要。

4. SONGS / 踊ってばかりの国
SONGS
1. ocean(intro) 2. 君を思う 3. ガールフレンド 4. OK 5. 口づけを交わそう 6. 時を越えて 7. Hero 8. 太陽 9. あなたはサイコパス 10. 赤い目 11. 唄の命 12. ほんとごめんね
 これを3月出たのに気付かずに最近気付く自分の鈍感さが情けない。踊ってばかりの国が元々持っていた泥臭い歌心の情緒ある部分はそのままに、一気にサウンドも歌詞も洗練され、純度の極めて高い「土っぽいポップソング」が連なっていてびっくりした。まさにこれを望んでました。アコギエレキ1本ずつの編成でも音に不足感を抱かせないギターの多彩なフレージングが光る。そしてアルバム最後にはまさかの彼等流のシューゲ・ギターロック12が。ともかくこのバンドの持てる限りのポップネスがこうして一枚の作品に結集したことが最高だと思う。

3. わたくしの二十世紀 / PIZZICATO ONE
わたくしの二十世紀
1. 聴こえる? 2. 私が死んでも 3. 東京の街に雪が降る日、ふたりの恋は終わった。 4. 恋のテレビジョン・エイジ 5. 戦争は終わった 6. あなたのいない世界で 7. ゴンドラの歌 8. かなしいうわさ 9. フラワー・ドラム・ソング 10. 日曜日 11. きみになりたい 12. 昨日のつづき 13. 12月24日 14. 私の人生、人生の夏 15. 美しい星 16. マジック・カーペット・ライド
 いろんな歌手が小西康陽の曲を歌う、という意味ではトリビュートアルバム的なようにも思えるけれど、明確に違うのは小西本人の徹底したコントロールのもと、彼の楽曲の本質だけをグロテスクなほどに露出させる作りで一貫していること。ともかくその音数の少なさは、彼の最もリリカルな楽曲群に辛うじての輪郭だけを与え(それがとても上品に聴こえるのは氏のアレンジ力の賜物だ)、そしてぽつんと明確なうたの存在感が、彼の歌詞のどうしようもないどうしようもなさ、つまりは彼の「死」を見据えた悲しみを直視させる。凍えるほどにジェントルで、哀しくて美しい。

2. The Magic Whip / Blur
ザ・マジック・ウィップ
1. Lonesome Street 2. New World Towers 3. Go Out 4. Ice Cream Man 5. Thought I Was a Spaceman 6. I Broadcast 7. My Terracotta Heart 8. There Are Too Many of Us 9. Ghost Ship 10.Pyongyang 11. Ong Ong 12. Mirrorball
 最初に公開された3のMVで「ああ、これはひどい」と思ったのを全面謝罪しないといけなくなるなんて思ってもなかった。再結成アルバムで史上最高傑作だ。ブラー以外の活動だと陰気さと器用貧乏さが強調されがちなデーモンの作曲が、バンドというフォーマットと、再結成盤ということでの幾らかのファンサービス的なポップさにより絶妙のバランスで噛み合い、バンド外のエフェクト処理等も含めて極めてファニーで豊かな英国音楽を作り上げている。1や6、11辺りのポップな曲の配置と、その間の楽曲における音響的な冒険のバランスの良さ。こんな作品ができる端緒となってくれてありがとうTOKYO ROCKS。

1. ぼんやりベイビーEP / 土井玄臣
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1.あれから僕は 2.ジ・イルミネイテッド・ナイチンゲール 3.あの時のビッチ 4.鏡の前で 5.あの娘の残したもの 6.静かな場所 7.ぼんくらベイビー
 4日前にはじめて聴いた作品だ。そもそもこの人知らなかった。そんなものを年間一位にするなんてどうかしてる。でも仕方がない色々とどうかしてまいってるこの年末のぼくの波長にこの音源は本当に合ってしまった。聴いたとき本当にびっくりすると同時に、音楽の尊さ、音楽だからこそ描けるファンタジー(妄想とも言う。でもなんでこんな悲しい妄想ばかりしてしまうのか)、その極北を見てしまったような気になった。エレクトロミュージック門外漢のぼくにこの作品の音楽的なところについて語れるところは少ないし、そんなことしたくない。ただ、気になった人はBandcampのリンクから試聴して、思うところを思ってほしい。そしてちょっとお金を出してダウンロードして、歌詞を読んだりしてほしい。ここ数日のぼくの夜は常に彼の音楽があった。


 以上です。これを投稿する30分前に3位が1位に繰り上がりました。12月に買ったもの・リリースされたものも多く、極めて不安定で水ものな30選になりましたが、もし万が一読む人がいて、さらに万が一何かのきっかけにでもなるようなことがあれば、幸せな限りです。
 ブラックミュージックは正直よく分からない、シティポップを楽しむには共感の余地がなさ過ぎる、お気に入りだった東京インディーは昆虫キッズの解散・「最早東京インディーという狭いカテゴリーで語るべきではない」などというコピーの頻出など黄昏れじみてきた(遂にTaiko新譜でタワレコのお墨付きだ)、、、2015年は、個人的にも色々としんどい感じで、いまでもまいってしまっているところで、シーンの総覧などとてもじゃないができませんが、それでもやっぱり、いい作品はいいんだなあと、あと悲しみに、正確には音楽というフィルターを通じて半ばファンタジー化した悲しみにばかり、心を動かされているもんだなあと、これを書きながら思いました。

 多分もうひとつくらい2015年まとめ書きますが、ひとまず30選はこれでおしまいです。

2015年個人的フェイバリットアルバム30選(前編)

音楽-年間ベスト等

2015年ももう終わろうとしていますので、今年もいわゆる年間ベスト的なものをやります。今年も30枚選びました。

画像をクリックするとAmazonもしくはBandcampとかに飛びます。あと曲目のうちリンクが貼ってあるのは何かしら試聴できるサイトに飛びます。太字はその作品内で一番好きな曲。

それでは、いきましょう。長いので2分割して、30位から16位まで。


30. Star Wars / Wilco
Star Wars
1. EKG 2. More... 3. Random Name Generator 4. The Joke Explained 5. You Satellite 6. Taste The Ceiling 7. Pickled Ginger 8. Where Do I Begin 9. Cold Slope 10. King Of You 11. Magnetized
 前作『The Whole Love』でソングライティングとバンドの力量の何度目かの充実を迎えた後、思いっきりエクスペリメンタルな方向にぶっ壊れてみせたアルバム。当初のフリーダウンロードは嬉しかったです。エクスペリメンタルといっても、長尺のジャムではなく各曲3分前後に纏めてしまう辺りは元々のパンク志向が現れた形か。ぶっ壊れたコンピューターのような演奏が楽しいが、いつものウィルコ節な6や11辺りが普通に好きだったり。

29. ニンジャスレイヤー フロムコンピレイシヨン「忍」/ V.A
ニンジャスレイヤー フロムコンピレイシヨン「忍」
1. キルミスター/BORIS 2. HALO OF SORROW/Melt-Banana 3. 劇場支配人のテーマ/THE PINBALLS 4. SRKEEN/8otto 5. RADIO/6EYES 6. NINJA SLAYER/Electric Eel Shock 7. NINJA PRAYER/Shinichi Osawa 8. SUICIDAL BUNNY/Taffy 9. HIDE/80kidz 10. JAG JAG/Sawagi 11. AURASHI NO KEN/BORIS 12. NEO CYBER MADNESS/skillkills(ボートラは省略)
 twitter小説『ニンジャスレイヤー』が今年アニメ化し、その主題歌集。一応“アニソンのOPED集”であるはずなのに、上記リストから感じられる小〜中規模のライブハウス的なアトモスフィアはなんなのか。ニンジャスレイヤーはジョジョ以来の「洋楽とかからガンガン名前を引用してくる作品」なのでそういう楽しみもあって大変しあわせです。第一話EDのBORISもよっぽどですが、その後の第二話でMelt-Bananaのぶっ飛んだトラックが流れ出したのには笑った。後期ED 集の『殺』の方も素晴らしい(特にギターウルフが)。自由な作品だなあ。

28. b'lieve i'm goin down… / Kurt Vile
b\'lieve i\'m goin down…
1. Pretty Pimpin 2. I'm an Outlaw 3. Dust Bunnies 4. That's Life, tho (almost hate to say) 5. Wheelhouse 6. Life Like This 7. All In A Daze Work 8. Lost My Head there 9. Stand Inside 10. Bad Omens 11. Kidding Around 12. Wild Imagination
 この人が米国オルタナ界の重鎮がたから評価高いのは、オルタナを通過したブルース・フォーク・カントリーみたいなのを大いに体現しているからなのか。なんだかんだでルーツミュージック好きが多いんだろうか。今作はマイナー調の曲が多く、またアコギの響きが活かされた曲が多数を占めており大変地味で落ち着く。音響感は隠し味的に背後に回り、あくまで滋養っぽさを前面に押し出した仕上がり。

27. 13 / その他の短編ズ
13
1. 赤いカーテン 2. ルール 3. ファンクと文章 4. 工場 5. あの人 6. さいごの曲 7. B.B.B(ビーボーイバラード) 8. ワルツ 9. プランクエクステンド 10. フー 11. 島の神様 12. したらいいじゃない、もうそんなの 13. 血が止まらない
 音楽のジャンルがどうこうというよりも、自分たちの内なる歪なファンタジーさを表現すべく活動しているような女性デュオの初全国流通盤。レビューをこちらで書かせていただきました。聴いてると景色がファンタジックに乾いていく感じがします。そういうのっていいですよね。大人の絵本的な?

26. めまい / ミツメ
めまい
1. めまい 2. 取り憑かれて 3. Sicence 4. Alaska
 実験的だったアルバム『ささやき』を経ての、緩やかなポップ回帰が行われたミツメのシングル。音数を相当減らし、極端なディレイやエコーなども減っているにも関わらず、むしろ豊かな空間性が担保された楽曲の数々は魔法じみてる。これも「居合いのようなグルーヴ感」みたいなのの一形態か。ソフトロックという形容さえされているが、2のまろやかカントリー風味なサウンドや歌を聴いてるとそれも納得。

25. Another One / Mac Demarco
Another One
1. The Way You'd Love Her 2. Another One 3. No Other Heart 4. Just to Put Me Down 5. A Heart Like Hers 6. I've Been Waiting for Her 7. Without Me 8. My House by the Water
 ユルくてキュートなUSインディーの代表格デマルコさんの、ミニアルバム。ギター主体の曲は恒例のデマルコ印のポップソングという感じだけど、新機軸のシンセが導入された曲が、これまでよりも曖昧で哀愁めいた風情を醸し出している。そのシンセの音色がとてもフワフワと曖昧で、なんとなくMOTHER2とかそういうのの系統めいた不思議さがある。白昼夢のような感覚は、彼のいつもの歯抜けの笑顔のままでぱっと彼岸したかのような感じ。

24. アンナ*ソンナ*バカナ / 真空メロウ
<img src="http://blog-imgs-86.fc2.com/y/s/t/ystmokzk/1006654435.jpg" alt="1006654435.jpg" border="0" width="300" height="303" /></a>">1006654435.jpg
1. まるい星 2. NOBODY CAN PLAY MY GUITAR 3. 天国注射の夜 4. 毛布とマシンガン 5. Too late
 ゼロ年代前半下北ギターロック組でもとりわけナチュラル基地外めいていた真空メロウ(ホロウの方ではない)の、再結成してしばらく経ちようやく出た音源が完全自主制作でディスクユニオン限定でそしてもはや廃盤状態とは…。画像のリンク先でも買えません。ギターロック業界の損失だ!誰かなんとかして。現役時代ころの切迫感やキリキリしたテンポチェンジは後退しているものの、それでもやはり替えの効かない個性が、声や節回しなどから。割とべたっとしたギターロックをしている彼等もいいものですね。

23. The Monsanto Years / Neil Young & Promise Of The Real
The Monsanto Years
1. A New Day for Love 2. Wolf Moon 3. People Want to Hear About Love 4. Big Box 5. A Rock Star Bucks a Coffee Shop 6. Workin' Man 7. Rules of Change 8. Monsanto Years 9. If I Don't Know
 前作『Storytone』からのブランク半年で新バンドで新作という、駆け出しバンドでさえ真っ青なリリースペースを余裕でこなす超大御所。頭おかしい。今作は農薬等に関する大企業を告発する社会派作品だが、そういうことをしても潰されず普通に活動を続けてられるのも凄い…。そして曲のクオリティーが今回も高い。全編バンドによるハードで荒涼とした作品かと思えば、2のようなアコースティック作品やお気楽気なテンポの5なんかもあってバラエティ的にも何気に充実。というか新バンドのはずなのに安定性が半端ない。

22. Double dream is breaking up the door. / Paradise
Double dream is breaking up the door.
1. “ブレイズ ネイル” 『Brais Nail』 2. Paradise 3. complexion 4. 「初恋の狂気」 5. The Sick Rose 6. Dawn 7. THE FOUNTAIN 8. The thousands of the Sun 9. All nerves 10. Double dream is breaking up the door.
 昆虫キッズ解散という大事を年の初めに経験した後の今年の冷牟田敬氏の多作多忙そうな感じは凄い。まさかこっちのバンドも解散するというのは凄いことだけど…解散ライブ観に行ったけど、まさかのアンコール含め8曲くらいで終了、しかも二曲カバーという内容でビックリした。良かったけど。1と10がちゃんとライブで聴けたのが嬉しかった。レビューは同時発売だった冷牟田敬ソロと合わせてこちらで行っております。

21. over sleeper / ヤマジカズヒデ
over sleeper
1. over sleeper 2. amphicar 3. know you want 4. small stone 5. 屋根裏の地下室 6. some velvet morning 7. pray for the sun 8. night rider 9. 宙を撃て 10. 遅い痛み 11. からみあうワイヤー 12. hypnopedia 13. intro
 日本のオルタナ界隈でも最上級にベテラン格なdipのヤマジ氏の、なんと21年ぶりというソロ(実際はバンド外の活動やCDR作品などあるのでそうでもないそうだけど)。dipがバンドのグルーヴを研鑽していく場で、特に昨年の『neue welt』がまさにそんな作品だったところ、このソロ作はより自由に、彼の歌ものの側面を豊かにフューチャーした作品となっている。彼独特の繊細さ・神経質さや、『TIME ACID NO CRY AIR』の頃のようなローファイポップが入り乱れた、愉快で充実したオルタナポップアルバムだ。

20. 柴田聡子 / 柴田聡子
柴田聡子
1. ニューポニーテール 2. 好きってなんて言ったらいいの 3. ポイズンレークパーク 4. ぼくめつ 5. ばか・あほ・まぬけ 6. 悪魔のパーティー 7. マンドリン・ピアノ・デュエット 8. わかっているのに 9. サン・キュー 10. ファイトクラブ 11. アワーホープ 12. あさはか! 13. 狼少年パグ
 特に前作『いじわる全集』がほぼ全編弾き語りだったためにそういうイメージが強かったけど、今作は山本精一監修によるバンドサウンドものとなっている。監修のせいかどことなく羅針盤っぽさを感じさせるソフトサイケさがあるかと思えば、70年代のニールヤングのアコースティック作のような質感も覗かせる(彼女は今年出たニールヤングのムック本に寄稿してたりもする)。それでも相変わらずの歌詞や歌メロの自由さ・摩訶不思議さ。この人には世界がどんな風に見えているのかと、そのナチュラルなストレンジさに相変わらず静かに戦慄する。

19. No No No / Beirut
ノー・ノー・ノー
1. Gibraltar 2. No No No 3. At Once  4. August Holland 5. As Needed 6. Perth 7. Pacheco 8. Fener 9. So Allowed
 ザック・コンドンによるソロ・プロジェクト(なんですね。よく知らない…)Beirutの今作は、演奏も尺もコンパクト。前作までのようなオーケストレーションやエレクトロな仕込みは影を潜め、バンドセッションにより形作られたというシンプルなサウンドになっている。それはあたかも、これまで広大な世界に向けていた視線を少し落として、街の片隅で音楽を鳴らすスタンスに切り替えたかのような。その分、気軽にはねるような楽曲が多くてそれはそれで楽しい感じ。

18. 魔法がとけたあと / Lantern Parade
魔法がとけたあと
1. 君の頬 2. 救いようがない 3. もしかしたら今も 4. 霧雨のサンバ 5. 時のかおり 6. たったひとつの朝 7. 水たまりは空の色 8. たのしいしらせ 9. 魔法がとけたあと 10. 詩や歌のような日々を
 ランタンパレードが打ち込みからバンド形式に変わったのは4年前からだそうで、その4年前の作品の歌詞を見返すとなんとも「日常のささやかな悔恨や絶望・悲しみ」に満ちた言葉たち・音楽だろうと。その情念が今年今作でもう一度。引き続きのバンドメンバー、そしてやはり高度にいろんな音楽性を吸水して生み出されたであろう、豊かな日本のニューミュージック、その響きが豊かであればあるほど、綴られる哀しさやるせなさは深く香るような、そんな感じ。安易なロマンとかに見向きもせず日常と対峙する視線の穏やかな力強さ。

17. Currents / Tame Impala
Currents
1. Let It Happen 2. Nangs 3. The Moment 4. Yes I'm Changing 5. Eventually 6. Gossip 7. The Less I Know the Better 8. Past Life 9. Disciples 10. Cause I'm a Man 11. Reality in Motion 12. Love/Paranoia 13. New Person, Same Old Mistakes
 ハードなサイケ感を醸し出していた前作から一転、今作はギターの轟音がシンセに置き換わり、またブラックミュージック的なタイトなR&B感とポップさを得て、街に溶け込んでいくようなジェントルさなんかを漂わせてる。それでも、分厚く重ねられたシンセやコーラスの壁は頭を様々に揺らすけれども、同時にたとえば3のような軽快な足取りや7のようなカッチリなビートが新鮮に響く。折衷により生まれたヘンテコポップ作品。

16. さよなら20世紀 / THE PINBALLS
さよなら20世紀
1. ヤードセールの元老 2. ママに捧ぐ 3. 20世紀のメロディ 4. 法王のワルツ 5. スノウミュート 6. 劇場支配人のテーマ 7. 沈んだ塔
 先述のニンジャスレイヤーのEDで話題となった彼等ロックンロールバンドの今年の新作ミニアルバム。全編軽快なアップテンポor攻撃的なアップテンポでグイグイくる。レビューはこちらにて。

後編に続きます。

『エピタフ』トリプルファイヤー

某所に投稿しようとしてたけど色々あって最後まで書けず放ったらかしになってたのを、ちゃんと最後まで書いてみたものです。
エピタフ



高田馬場のジョイ・ディビジョン」と呼称されて久しいバンド・トリプルファイヤーの音楽を聴いてて思うことのひとつは、先のいくつかの偉大なポストパンクバンドのサウンドを聴いたときと同じく「この演奏が止んだら無音、虚無めいた無音なんだ」という感覚について。共通するその演奏の根源的な心細さは、音楽が鳴っているにも関わらずその終わりと虚空を意識させる。それが、「音楽が鳴ってるときは空間が満たされてて楽しい」と感じる類のポップソングとの大きな印象の違いだ。

この点についてトリプルファイヤーは実はとてもストイックに突き詰めているバンドだ。エフェクトを使わず単音の細かいリフを多用するギター(遂にJC直結などという話も聞き、エレキギターを多少なりとも弾いたことのある人ならこの凄さが分かると思う…)とベース、ドラムで埋められる空間は少なく、そこには不思議と、ファミコンの音源を聴いているかのようなもの寂しさがある。

この度の新作『エピタフ』でも、そのサウンドスタンスは変わらない。今作では所々で見られるパーカッション類の使用や、ギターのカッティング的フレーズの増加(先行公開された「変なおっさん」などに顕著)など、ファンク的な要素が増えたようにも聞こえるし、同時に演奏の“こじらせ方”の工夫も多彩になり、時折のファミコンがバグったような感覚がより増した風でもある。

そんなよりヘンに研ぎ澄まされたスカスカのサウンドの上で、このバンド最大のアクター(ボーカルというよりもこうなのでは…?)吉田氏の言語センスは今作においても圧倒的に冴えているし、醒めている。情けない男路線の曲の自由な身も蓋もなさもさることながら、『スキルアップ』系の意味不明さをさらにドライに追求した『Bの芝生』や、謎の上から目線の双方向性(当然録音物にそんなものない(ライブでもないけど))に聴者を晒す『質問チャンス』など、ユーモアの切れ味は鋭くも多彩に。そして文脈の飛ばし方のハンパなさ。大喜利的な発想力の鬼だ(実際その方向で最近はテレビ出演もしているとか)。

今作はバンド初の収録曲数が10曲を超える、いわゆるフルアルバム的なそれである。あるからか、曲調はいつにも増して多様で、遂にはあの吉田が明確にメロディを歌う「こだわる男」も収録され、初期トーキングヘッズのようなユニコーンのような不思議な存在感を放っている。ドライなポストパンク路線はかなり極まった感じがあるが、今後はこの曲や「月光密造の夜」(スカートが主催するイベント名)の企画におけるカバー曲のように、メロディアスな曲にも広がっていくのか、それともさらにこのドライさを突き詰めていくのか、分からないけれども、何にせよ今作は聴いていて痛快さと後ろ暗さがとてもマッチした、失礼な比喩をすれば「今日はこれ聴いて時間つぶすのがいい日だった」って感じの作品だと思う。