ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

音楽-アルバムレビュー

1990年代のPrinceにインディーロック的なものを見出そうとするプレイリスト【30曲】

最近なぜか急にPrinceをよく聴くようになって*1、これまでの人生でもここまでPrinceばっかり聴いてることもなかったので、今回のはその勢いで書くもののひとつです。 Prince、ジャンルはファンクとかR&Bとかだと見なす人が大半だろうと思われますが、多くの…

大文字時代のTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT【25曲】

前期について書いたので、今度は後期について書きます。本当に便利な時期にバンド名が小文字表記から多文字表記に変わったもんだ。具体的には1998年の『G.W.D』*1から2023年の最終作『エレクトリック・サーカス』までの作品を後期とします。 前期であるとこ…

小文字時代のthee michelle gun elephant【25曲】

チバユウスケが死んでしまって、悲しいとか何とかよりも「あっ、死んでしまったんだな」みたいなぼんやりした感覚だけあって、何とはなしにとりあえず彼の代表バンドであろうthee michelle gun elephantを聴き返してたら、前期と後期で好きな曲を集めたプレ…

『ニュールンベルグでささやいて』『C.M.C』The Roosters(1982年〜1983年リリース)その他諸々

前回の記事で、サブスクがついに解禁されたThe Roosters(z)の全スタジオ“アルバム”についてレビューしましたが、今回解禁されたもののうち唯一(唯二?)アルバムではないけども解禁された作品があります。今回はそれらについての話です。どちらも1982年にひ…

The Roosters(z)の全スタジオアルバム(10枚)

祝・The Roosters(z)全スタジオアルバム(+α)サブスク解禁! ということで今回は、そんな解禁されたオリジナルスタジオ“アルバム”全10作品を順番に見ていく記事です。タイミング! ちなみに、今回のサブスク解禁は相当に悲願な出来事で、その辺の様々に困難だ…

『luminous』ART-SCHOOL(2023年6月リリース)

songwhip.com ART-SCHOOL全作全曲レビュー、2023年現在ではこれが最後にして最新の作品になります。6月にリリースされたこの作品は昨年の4曲入りシングル『Just Kids e.p.』に続く作品で、フルアルバムとしては2019年の『In Colors』から3年ぶり、通算10枚…

『Hello darkness, my dear friend』ART-SCHOOL(2016年リリース)

songwhip.com ライブ前に完結させたいとの思いでにわかに再開したART-SCHOOL関係全作全曲レビュー、今回は2016年の、通算8枚目になるフルアルバムである本作になります。メジャーレーベルを離れて自主レーベル“Warszawa”からリリースされた本作、ジャケット…

『YOU』ART-SCHOOL(2014年リリース)

songwhip.com ART-SCHOOL関係の(ほぼ)全作品全曲レビュー、あとアルバム3枚で完結します*1が、今度のライブまでに全部終わらせたかった気持ちもあり、やや慌てつつも、今回はこの通算7枚目となる11曲入りフルアルバムについてレビューしていきます。現在ま…

『The Alchemist』ART-SCHOOL(2013年リリース)

songwhip.com このバンドの前作にあたる『BABY ACID BABY』から約7ヶ月という短いスパンでリリースされた本作を、その高速さをリスペクトしたペースで前作のレビューを書き終えた勢いで一気にやっていきます。6曲収録のミニアルバムです。 前作のレビューは…

『BABY ACID BABY』ART-SCHOOL(2012年リリース)

songwhip.com このバンドのイメージをまさに地で行くドライなメンヘラ感丸出しなジャケットだ…。 ということで、新譜リリースを記念に再開した木下理樹関連作品レビュー、今回はその新譜においても続いている現行メンバーになって最初のリリースである、この…

『Destroying Beauty』killing Boy(2012年リリース)

songwhip.com ART-SCHOOL新譜リリースを記念しての弊ブログの木下理樹関連作品レビュー再開、その第2弾として、killing Boyの2枚出した作品の2枚目の方である本作を取り上げます。ART-SCHOOLの新譜『luminous』はもうリリースされてしまいましたが。 キーボ…

『killing Boy』killing Boy(2011年リリース)

ART-SCHOOLが今年の6月14日に新アルバムを出すということなので、それへの期待なんかもあったりした中で*1、そろそろ昔からやってたアルバム全曲レビューも進めないとなあ…と誰からともなく背中を押されたような感じがしたので、まずはART-sちょおlではない…

『Revolver』The Beatles(1966年8月リリース)

ホワイトアルバムに関する長すぎる記事を書き終わったので、折角だからこっちのアルバムについても書いとこう、と余勢を駆って書くものです。おそらく1990年代以降、これとホワイトアルバムが“The Beatles”という看板をなしにした上で最も多くのリスペクトを…

『The Beatles』The Beatles(1968年11月リリース)2/2

このサムネ画像は2018年のデラックスエディションのジャケ写真。 ただ単に筆者が聴き返してハマり直す周期に入ったがために唐突に始まったこの歴史的名盤のレビューの後半です。前半は以下のとおり。 ystmokzk.hatenablog.jp この後半記事では、本作のDisk2…

『The Beatles』The Beatles(1968年11月リリース)1/2

最近またこのアルバムの曲順いじりに熱中していて、何度も聴きかえして色々と纏めておきたくなったので、この歴史的な2枚組のアルバムについて書きます。 何かもう語られ尽くしている作品のような気もするし、きちんと書こうとすれば夥しい文章量になって纏…

“バンドの再結成”をめぐる取り留めない何やら

以下の文章は、「Number Girlの再結成が、結局ライブを1回も観ないまま終わってしまった」「最近Pavementとサニーデイ・サービスのライブのチケットを買った」の2つの内容で言い切れるものを、よりこねくり回して出てきた文章なので、実に主観的で、別に何…

『3』麓健一(2022年12月リリース)及び彼について

新年最初の記事です。今年もよろしくお願いします。 昨年末の2022年年間ベストの記事に書いたとおり、このアルバムの単独記事を書けなかったことが2022年にやり残した最も大きなことだと思っていたので、今回早速書いておこうと思います。成り行き上、彼のデ…

2022年年間ベスト(20枚)+2022年このブログ備忘録

今年も書きます。2日間フルに使ってDeerhunterの記事を書いた直後のスッカラカンな状態があったり、今年例年にも増して新譜を聴けてなかったり、さまざまな時間の都合があったり、以下の敬愛するブログでも「本当に他者に伝えたいなら、30枚も50枚も書くもの…

『Halcyon Digest』Deerhunter(2010年リリース)

2022年11月からこのブログで書いてきた4ADレーベルに関する色々についての、これがひとまずの最後の記事になります。もうこのブログでも何回名前を出したことがあるか分からないこのアルバムについて、今回はしっかりそこそこにケリをつけておこうと思います…

Deerhunterのディスコグラフィーの大体(※2022年末現在)

なんか4ADの記事前半からのCocteau Twinsに流れた時と似たような要領で、4ADの記事後半が一旦書き終わった段階でDeerhunterについてもある程度まとまったことを書いておこうと思ったので、それが今回の記事になります。一応、この記事の後に弊ブログで何度も…

4ADというレーベル、そしてアルバム30枚(後編)

後編です。前編は最近の弊ブログとしては久しぶりに大いに読んでもらえたので頑張って書いた甲斐がありました。読んでいただきありがとうございました。 ystmokzk.hatenablog.jp 後編ということで、前編で14枚扱ったので、こっちでは残りの16枚を見ていくこ…

Cocteau Twinsのディスコグラフィーそこそこ全部

成り行きで突如Cocteau Twinsにハマったので、連続して記事にします。今度は、彼女たちの全スタジオアルバム(8枚)及び意外と色々と出しているシングル・EPの類もそこそこ触れながら、1982年の最初のアルバム『Garlands』で始まり、1996年の最後のアルバム『M…

『Heaven or Las Vegas』Cocteau Twins(1990年リリース)

open.spotify.com 4AD記事の続きを書いていくつもりが、ふと「Cocteau Twinsは『Treasure』を取り上げたけども、このアルバムも相当良かったよなあ」と思って聴き返したら、相当どころではなく良かったので、なんか急にこれ単体の記事を書きたくなったので書…

4ADというレーベル、そしてアルバム30枚(前編)

今回は表題のとおり、1980年代頃から現在に至るまで優れたロックアルバムやバンド等を輩出し続けているイギリスのインディーレコードレーベルである4ADについて、改めてその歴史や拘りについて書き出して、そして具体的にその長い歴史から30枚のアルバムを選…

『DOKI DOKI』サニーデイ・サービス(2022年11月リリース)

open.spotify.com Doki Doki サニーデイ・サービス ロック ¥1833 music.apple.com サニーデイ・サービスの新作アルバムがいつの間にか出ていて、なので全曲レビューもついた感想文を書いておこうと思います。それにしても今回もリリース告知の三日後くらいに…

『another sky』GRAPEVINE(2002年11月リリース)(及び2022年の再現ライブについて)

songwhip.com おそらくこのブログですでに何度か何らかの形で取り上げたことのあるGRAPEVINEのこのアルバムですが、今回どういう風の吹き回しなのか、バンドの25周年とこのアルバム20周年が被ったことによりこの、別にファンの間でアルバム自体が特別飛び抜…

『It's the moooonriders』ムーンライダーズ(2022年4月リリース)

1976年から活動を続け、2011年に活動休止、その後主要メンバーの他界などを経つつもやがて活動再開したムーンライダーズですが、今年の4月に遂に新作アルバムのリリースまで辿り着きました。この作品がもう実にムーンライダーズでしかない作品でとても嬉しく…

トレモロ(ギターエフェクト)について(50曲)

「トレモロ(Tremolo)」という語はおそらく「コーラス」と並び立つくらいに、音楽用語としての存在のあり方だけの中で複数の意味を持ってしまって混乱が起きがちな概念じゃなかろうかと思います。元となるイタリア語としては「振動、ゆらぎ」の意味だとのこと…

『Terror Twilight: Farewell Horizontal』Pavement(2022年4月リイシュー)

Pavementのなかなかデラックスエディション化されなかったラストアルバムが遂に成されて、元々大好きだったこの作品について改めて様々な背景を知り、そしてLP版やサブスクでの驚愕の曲順を前にして、様々な複雑な想いが去来したので筆を取ります。これまで…

2枚組アルバムについて:前編(24枚/25枚)

今回は2枚組の音楽アルバムについて取り上げたいと思います。今回は25枚紹介する記事の前編、ということで、分かる人には何の記事の前振りか判るかと思いますが。 世の中、様々な2枚組の音楽アルバムが存在してきました。筆者はCD文化を長らく送ってきた者な…