ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

音楽-全曲レビュー

『ニュールンベルグでささやいて』『C.M.C』The Roosters(1982年〜1983年リリース)その他諸々

前回の記事で、サブスクがついに解禁されたThe Roosters(z)の全スタジオ“アルバム”についてレビューしましたが、今回解禁されたもののうち唯一(唯二?)アルバムではないけども解禁された作品があります。今回はそれらについての話です。どちらも1982年にひ…

『luminous』ART-SCHOOL(2023年6月リリース)

songwhip.com ART-SCHOOL全作全曲レビュー、2023年現在ではこれが最後にして最新の作品になります。6月にリリースされたこの作品は昨年の4曲入りシングル『Just Kids e.p.』に続く作品で、フルアルバムとしては2019年の『In Colors』から3年ぶり、通算10枚…

『Hello darkness, my dear friend』ART-SCHOOL(2016年リリース)

songwhip.com ライブ前に完結させたいとの思いでにわかに再開したART-SCHOOL関係全作全曲レビュー、今回は2016年の、通算8枚目になるフルアルバムである本作になります。メジャーレーベルを離れて自主レーベル“Warszawa”からリリースされた本作、ジャケット…

『YOU』ART-SCHOOL(2014年リリース)

songwhip.com ART-SCHOOL関係の(ほぼ)全作品全曲レビュー、あとアルバム3枚で完結します*1が、今度のライブまでに全部終わらせたかった気持ちもあり、やや慌てつつも、今回はこの通算7枚目となる11曲入りフルアルバムについてレビューしていきます。現在ま…

『The Alchemist』ART-SCHOOL(2013年リリース)

songwhip.com このバンドの前作にあたる『BABY ACID BABY』から約7ヶ月という短いスパンでリリースされた本作を、その高速さをリスペクトしたペースで前作のレビューを書き終えた勢いで一気にやっていきます。6曲収録のミニアルバムです。 前作のレビューは…

『BABY ACID BABY』ART-SCHOOL(2012年リリース)

songwhip.com このバンドのイメージをまさに地で行くドライなメンヘラ感丸出しなジャケットだ…。 ということで、新譜リリースを記念に再開した木下理樹関連作品レビュー、今回はその新譜においても続いている現行メンバーになって最初のリリースである、この…

『Destroying Beauty』killing Boy(2012年リリース)

songwhip.com ART-SCHOOL新譜リリースを記念しての弊ブログの木下理樹関連作品レビュー再開、その第2弾として、killing Boyの2枚出した作品の2枚目の方である本作を取り上げます。ART-SCHOOLの新譜『luminous』はもうリリースされてしまいましたが。 キーボ…

『killing Boy』killing Boy(2011年リリース)

ART-SCHOOLが今年の6月14日に新アルバムを出すということなので、それへの期待なんかもあったりした中で*1、そろそろ昔からやってたアルバム全曲レビューも進めないとなあ…と誰からともなく背中を押されたような感じがしたので、まずはART-sちょおlではない…

『Revolver』The Beatles(1966年8月リリース)

ホワイトアルバムに関する長すぎる記事を書き終わったので、折角だからこっちのアルバムについても書いとこう、と余勢を駆って書くものです。おそらく1990年代以降、これとホワイトアルバムが“The Beatles”という看板をなしにした上で最も多くのリスペクトを…

『The Beatles』The Beatles(1968年11月リリース)2/2

このサムネ画像は2018年のデラックスエディションのジャケ写真。 ただ単に筆者が聴き返してハマり直す周期に入ったがために唐突に始まったこの歴史的名盤のレビューの後半です。前半は以下のとおり。 ystmokzk.hatenablog.jp この後半記事では、本作のDisk2…

『The Beatles』The Beatles(1968年11月リリース)1/2

最近またこのアルバムの曲順いじりに熱中していて、何度も聴きかえして色々と纏めておきたくなったので、この歴史的な2枚組のアルバムについて書きます。 何かもう語られ尽くしている作品のような気もするし、きちんと書こうとすれば夥しい文章量になって纏…

『3』麓健一(2022年12月リリース)及び彼について

新年最初の記事です。今年もよろしくお願いします。 昨年末の2022年年間ベストの記事に書いたとおり、このアルバムの単独記事を書けなかったことが2022年にやり残した最も大きなことだと思っていたので、今回早速書いておこうと思います。成り行き上、彼のデ…

『Halcyon Digest』Deerhunter(2010年リリース)

2022年11月からこのブログで書いてきた4ADレーベルに関する色々についての、これがひとまずの最後の記事になります。もうこのブログでも何回名前を出したことがあるか分からないこのアルバムについて、今回はしっかりそこそこにケリをつけておこうと思います…

『Heaven or Las Vegas』Cocteau Twins(1990年リリース)

open.spotify.com 4AD記事の続きを書いていくつもりが、ふと「Cocteau Twinsは『Treasure』を取り上げたけども、このアルバムも相当良かったよなあ」と思って聴き返したら、相当どころではなく良かったので、なんか急にこれ単体の記事を書きたくなったので書…

『DOKI DOKI』サニーデイ・サービス(2022年11月リリース)

open.spotify.com Doki Doki サニーデイ・サービス ロック ¥1833 music.apple.com サニーデイ・サービスの新作アルバムがいつの間にか出ていて、なので全曲レビューもついた感想文を書いておこうと思います。それにしても今回もリリース告知の三日後くらいに…

『another sky』GRAPEVINE(2002年11月リリース)(及び2022年の再現ライブについて)

songwhip.com おそらくこのブログですでに何度か何らかの形で取り上げたことのあるGRAPEVINEのこのアルバムですが、今回どういう風の吹き回しなのか、バンドの25周年とこのアルバム20周年が被ったことによりこの、別にファンの間でアルバム自体が特別飛び抜…

『Just Kids.ep』ART-SCHOOL(2022年7月リリース)

songwhip.com www.youtube.com 帰ってきた。お帰りなさい。アルバム『In Colors』から4年ぶりとなる、長い活動休止から復活の4曲入りシングル。 復帰作、ということもあってだろうか、軽やかに駆け抜けて行く4曲。エンジニアは過去にアルバム『Flora』やミニ…

『It's the moooonriders』ムーンライダーズ(2022年4月リリース)

1976年から活動を続け、2011年に活動休止、その後主要メンバーの他界などを経つつもやがて活動再開したムーンライダーズですが、今年の4月に遂に新作アルバムのリリースまで辿り着きました。この作品がもう実にムーンライダーズでしかない作品でとても嬉しく…

『Terror Twilight: Farewell Horizontal』Pavement(2022年4月リイシュー)

Pavementのなかなかデラックスエディション化されなかったラストアルバムが遂に成されて、元々大好きだったこの作品について改めて様々な背景を知り、そしてLP版やサブスクでの驚愕の曲順を前にして、様々な複雑な想いが去来したので筆を取ります。これまで…

『Dragon New Warm Mountain I Believe in You』Big Thief(2022年2月リリース)※2枚組アルバムについて:後編

一個前の記事は、この2枚組アルバムのレビューのための前振りでした*1。これが25組中25組目のアルバム。多くの人がそう思ってるだろうけど、本当に素晴らしいアルバム!何が素晴らしいのか、全曲レビューという形で、できる限り言葉にしておこうと思います。…

2003年のsyrup16g後編:『パープルムカデ』と『My Song』

折角頑張って『HELL-SEE』のレビューを書いたので、同じリリース年の上の画像2枚についても書いておきたいと思います。タイトルに「2003年のsyrup16g後編」とありますが、前編は勿論『HELL-SEE』の記事になります。 ystmokzk.hatenablog.jp 『HELL-SEE』の記…

『HELL-SEE』syrup16g(2003年3月リリース)

以下の年間ベスト記事で3位に上げたんですが、やっぱり書き足りなかったので書きます。やっぱ『coup d'Etat』は全曲レビューしといてこっちはしないのはおかしいよなあ、っていう。 ystmokzk.hatenablog.jp ystmokzk.hatenablog.jp ということで、あのバンド…

『LOVE/HATE』ART-SCHOOL(2003年11月リリース)【リマスター記事】

ART-SCHOOL全作品レビュー記事のリマスターという体裁の仕切り直しの一連の記事の11個目。筆者のオルタイムベストで3本の指に入るくらい好きなアルバムです。邦楽だけでオールタイムベストを作るならこれが1位です。当然2003年のアルバムでも1位。 重くて暗…

『UNDER MY SKIN』ART-SCHOOL(2003年9月リリース)【リマスター記事】

ART-SCHOOLの全作品レビューのとりあえず『LOVE/HATE』まで書き直しを目指すレビュー記事の、これで10個目になります。 「白鳥の歌」と題したいかにも最後の作品っぽいものを出したにも関わらず、一応は終わらずにシングルを、それもとても強力なシングルを…

『SWAN SONG』ART-SCHOOL(2003年7月)【リマスター記事】

ART-SCHOOLの全作品レビューのとりあえず『LOVE / HATE』まで書き直しを目指すレビュー記事の、これで9個目になります。すでに崩壊が約束されつつも何故か楽曲はやたら沢山生まれ出して、しかも見事な諦観の美を獲得してしまう、彼らの危うい魅力がもしかし…

『EVIL』ART-SCHOOL(2003年4月)【リマスター記事】

ART-SCHOOLの作品の、かつて書いた記事のリマスター(書き直し)、これで8つ目の記事になります。メジャーデビュー後すぐ『Requiem For Innocence』という鮮烈なアルバムを放った後の、次のモードに突入する4曲入りシングルにして、同じ年の暮れに最初の大き…

『coup d'Etat』syrup16g(2002年6月):2002年の日本の下北系ロック関係(後編)

2002年頃に急に色々と現れてその後しばらくのロック界隈の潮流と人脈とを形成した下北系ギターロック界隈について、2002年にリリースされた10枚のアルバムをサンプルとして見直してみる、という趣旨の記事を前回から書いています*1。 ystmokzk.hatenablog.jp…

『Requiem For Innocence』ART-SCHOOL(2002年11月)【リマスター記事】

ART-SCHOOL関連作品のリマスター記事という形式でのレビュー書き直し、7つ目にして大きな山場となります、彼らの1stフルアルバムについて今回取り組みます。 このバンドを端的に象徴する1枚であり、なおかつその特化し切った楽曲のフォーマット等により後進…

『DIVA』ART-SCHOOL(2002年10月)【リマスター記事】

楽曲の疾走感を損なわないよう一気に駆け抜けていきたいART-SCHOOL関連作品のレビュー書き直しもとい記事リマスター、これで6つ目の記事です。 今回はバンドのメジャーデビュー後初のシングル『DIVA』です。4曲入り。東芝EMIからのデビュー。これは同じ東芝…

『シャーロット.e.p』ART-SCHOOL(2002年4月)【リマスター記事】

ART-SCHOOL関連作品のリマスター記事、という名の単なるレビュー書き直し、今回で5つ目です。インディー時代最後の作品にして、また後のアルバム『Requiem For Innocence』の先行シングル的な要素も併せ持つ作品。6曲入り。 open.spotify.com 前作『MISS WO…