ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

2018年の年間ベスト的なアルバム(後編)

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(FF15はプレイしていません…画像とあと顛末が面白かったのでつい)

 前回の続き。残りベスト15位→1位まで。

 前回の前文(グチ)の続き。音楽を聴く環境の変化で、車とともに大きいのは、新譜を入手する方法がいよいよサブスクリプションサービス中心になってきたこと。これの難しいこととして、自分はApple Musicを利用しているけれども、なんでもApple Musicを利用し始めると、そのデバイスに同居するitunesの音楽との併用が上手くできなくなることがあるとかいう。それを解決する方法もきっとあるんだろうけれど、よく調べもせずにいる結果、「Apple Musicで取った音楽はiphoneのみで聴く。その他はPCやipod touchで聴く」という分かれ方になってしまった。

 つまり、手持ちの音楽全てをひとつのデバイスで聴けなくなってしまった。これは特に今回みたいな年間ベスト記事を書くときに面倒くさくて、いちいち家のスピーカーの端子をPCとiphoneとに繋ぎ換えて、聴きたい音源を流している。この作業もよく考えれば、Bluetoothスピーカーとかを導入すればこんなことせずに済んで良かったんだよなあ、とか思うけれど、4月の引っ越しの際に前使ってたスピーカーがいよいよ壊れたので買い直した際も、旧態的な有線スピーカーを買ってしまった。

 いちいち選択が賢くない。車のナビも、Bluetoothに換えればもっと音楽が聴きやすくなるかもしれないけれども、しかしそういう変化はどうにも面倒くさくて、結局現状をだらしなく続けている。意識が低いんだと思う。合理的に考える頭を持てていないんだと思う。このまま死ぬまでこんな感じかと思うと憂鬱なので、どっかでちゃんとしないといけないと思うけれども、とにもかくにも生活がつらくてさみしくてつらい。

 バンド活動も、以上も含んだようなグダグダさで、色んな迷惑をかけてしまったし、お世辞にも上手くいっているとは言えない状況で、情けなさとしんどさばかりが積み重なってる。こっちは自分だけの問題じゃないのだから、もっとちゃんとしないといけない。優先度はこんな世間的にくだらないだろう年間ベストなんかよりも遥かにずっと高いはず。頑張らないといけない。頑張っていきたい。先日どうにか苦し紛れに出した音源よりも、ずっとずっといい曲を自分はいくつも持っている。せめてこれらを世に出さないことには、自分は死にたくない。頑張らないといけない。年明けにちゃんと出した音源のストリーミング始まるかな。地味に不安だ。。。Tunecoreでちゃんとお金払ってやったんだからきっと大丈夫だよね…?本当はもっと早くにストリーミング配信されるはずだったのに、あっちのサービスは一体どうなってるんだ。

 

 幾らでも愚痴や自虐は書き連ねられるけれどもキリがないと気付いたので、残りの年間ベストを書いていきます。

 

15. 『Skylight』Pinegrove

pinegrove - rings - YouTube

 事件のことは知らずに聴いた。制作したのは事件より前*1ということなので、そこについては触れないことにします*2

 冒頭の曲のサウンドで驚く。いや驚くような激しい音じゃないけれども、なんかこう、こんな具合にぽっかり開けた感じの導入っていうのが、不思議と新鮮に感じたから。不思議なアンビエンス感。制作時の映像を観たところ、郊外の空き家を貸し切って、そこで合宿形式で録音したらしい。自分たちの空間を作っていく楽しさも羨ましいところだけどそれ以上に、ドラムが家屋のあちこちにセットを移して、ベストなアンビエンスの場所を探し当てていたのがなんか、凄かった。これによる音響効果なのか…。

 楽曲自体は、エモ的ともオルタナカントリー的とも言われる彼らの持ち味が素直に、かつ後追いで聴いた前作と較べても、より広大な感覚でメロディが書かれている気がする。声質のこともあって、それこそとてもデスキャブっぽい感じ、それこそ『Transatlanticism』とかの頃みたいな、と思った。オブリガードもそんなに派手なものは無く、フォーキーなベースにさりげない味付け程度に留まる。歌もアンビエンスが利いているので前面には無く、詰まるところこのどこか芯を欠いたような、いやむしろ空白こそを芯としているようなサウンドを、アンビエンス感そのものを聴いてるような気持ちにもなったりして。なんかよく分からんことを言っている。

 11曲30分という短い尺のうちに展開される、どこか真芯を欠いたことによりとても奥行きを感じられる世界の揺らぎに、行ったことない景色を見に行くような、ささやかな鮮やかさを感じた。こういうのを生活の移動の中に織り込むことで、少しでも景色の退屈を紛らわしていかないといけない。

 

14. 『In Colors』ART-SCHOOL

In Colors

In Colors

 

ART-SCHOOL「Dreaming Of You」MUSIC VIDEO - YouTube

 今年は結局一度もアートスクールのライブを観れていない。全曲レビューも昨年末から止まったまま…と思ったら、このアルバムの全曲レビューを書いていたのか。

ystmokzk.hatenablog.jp これだけ書いてたから、今年前半の分でも特に書くことが無くなってて、今読み返して笑う。新しい要素を適度に挿入してサクッと作られた、良い新作です。ああー流石に1回はフライングVではなくジャガーを弾いてる木下理樹さんを観ておくべきだったなあ。

 

13. 『Beyondless』Iceage

BEYONDLESS [帯解説・歌詞対訳 /ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (OLE13762)

BEYONDLESS [帯解説・歌詞対訳 /ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (OLE13762)

 

Iceage - Pain Killer (feat. Sky Ferreira) - YouTube

 出てるの知ってApple musicで聴いたとき、まず1曲目でビックリしました。なんでストーンズみたいなリフのロックンロールをあんたらがやってるの…?めっちゃポップやんけ、っていう。もっとこう、ハードコアでゴスくて正直聴きづらいイメージがIceageにはあったんですが*3、今作は随分とまたポップになってしまって。

 更なる驚きは2曲目。『Pain Killer』なるどこのメタルだよ!ってタイトルやSky Ferreira参加等も驚きだけど、イントロのホーンセクションの大味なフレーズで「これはもしや『笑ってはいけないIceage』なのでは…?」という疑念が沸いてくる。Iceageがサザンオールスターズみたいになっちゃったよ。こうなってくると、彼ら特有の這いつくばるようなメロディもなんだかロックンロールのだらしなさ的な受け止めが可能になって、なんだこれ…。

 他にも今作には、シャッフルのリズムで冬っぽいギターの鳴りがセンチな曲や、やっぱりシャッフルのリズムでダラダラしたセブンスコード感全開の曲や、極めつけには終盤何のビールのCMなの?みたいなホーンセクションが鳴り響く『Showtime』みたいな曲まである。その一方で、所々ではギターにThe Cureのような冷たいエフェクトをかけてキラキラと響かせる美しい場面もある。

 どちらにせよ、従来のメタメタにハードコアで、息が詰まりそうな緊張感みたいなのは失せてしまった感じがある。そういうのが好きだった従来のファンの方々なんかは、今作のやたらにカラフルな作風をどう思ってるんだろうと、余計な不安を感じたりもするけれども、筆者はこれだけ作風をポップにしても楽曲のメロディ自体は頑にIceageしてるのが面白く感じるので、驚きつつも楽しんで聴いているところ。

 

12. 『Double Negative』Low

DOUBLE NEGATIVE

DOUBLE NEGATIVE

 

Low - Always Trying To Work It Out [OFFICIAL VIDEO] - YouTube

 今回の筆者の30枚の中で間違いなく一番過激な作品が、この超ベテランの作品ということになる。スロウコアというジャンルが生まれた黎明期から活動を続けるバンドが出した今作は…これはそもそもバンド作品だろうか、スロウコアだろうか、そもそもロックですら無い何かなのではないか…。

 ともかく、暴力的な音の嵐。音数が多いわけではないけれども、ひとつひとつの持続する音がともかく強烈に低音を強調され、太く、かつ冒涜的に響き散らす様が、ともかく心理的・体力的に直接ダメージを与えてくる。その中にあっては、メンバー男女によるボーカルも抽象的・宗教的に響きを重ねるばかりで、そこに親しみやすい暖かみみたいなものは感じにくい。

 それこそ、仕事が遅く終わって日付の変わり際に車で帰宅中に車でかけた『Tempest』は本当に、車のスピーカーが壊れたのかと思った。他の曲もまた、車の中という密閉空間で大音量で聴くと、何かの洗脳装置なんじゃなかろうか、というような、宗教的なような、はたまたとても冒涜的なような奇怪な轟音に包まれる。

 かつてRadioheadのThom Yorkeが尊敬できるアーティストにLowを挙げていたことがあったように思うけれど、今作はそういう要素だけで出来ていると思う。正直、このアルバムは全然ポップじゃないし、楽しくは聴けないし、むしろ聴いてる間は、何か災害映像とかを安全な場所で大音響で聴いてるような、とても不安で不安定な気持ちになってしまう。自分はこう、世界の危機とか問題とか何とかに対して、何も誠実に出来ていないんじゃなかろうか…などというと意識高くなってしまった感じの自己陶酔じみてて嫌になるけれども、でもこの音楽を聴いてただただテンションブチ上がるという風になるのは、いまひとつよく分からないなあと思う*4。今作聴いてて思い浮かぶ世界観は、少なくともベルセルクとか、そういうのだもの。

 これはスロウコア的な黄昏の音楽では決して無いと思う。ひたすら不安を煽るこの音楽は、しかし一体どういう意図から出てくるものなんだろう。長いキャリアを経て、どうしてこういうことをしようと思ったのか。色んなことが分からないまま、しかしながら圧倒的に暴力的な音圧に、ここでしか味わえない何かを時々求めてみたりしてる。

 

11. 『the CITY』サニーデイ・サービス

the CITY [ROSE-218X] [Analog]

the CITY [ROSE-218X] [Analog]

 

Sunny Day Service - 卒業【Official Video】 - YouTube

 2018年はサニーデイにとって悲しいことが起こった。『Dance To You』の地獄のレコーディング途中からバンド活動から抜けていた丸山晴茂氏が永眠したことが発表された。『Dance〜』以降のサニーデイは、何かを振り切るべくヒステリックになっていたように思ってたけど、その理由のひとつが、彼のことだったのかなあと、こうなってしまっては嫌が応にも考えてしまう。

 その「何かを振り切るべくヒステリクになって」いった果ての作品が本作なのかなあと、今となっては思ったりする。曽我部恵一本人もインタビューで「いよいよよく分からないものができた」みたいに話していたとおり、本作は昨年の『Popcorn Ballads』以上に曲調は拡散し、闇鍋めいた状況になっている。冒頭3曲のアブストラクトさはいよいよなのだけども、そこから『おばあちゃんのカリフラワー』で急にバンドサウンドになるのはずっこける。そこから、ラッパー参加も複数含まれる、いかにも宅録で作成したんだなって楽曲が続き、謎リミックスを挟んで以降は、これバンド録音じゃね?っていうものが続いていく。『Dance〜』セッションでボツになった曲には組曲形式のものもあったということで、ここにある『シックボーイ組曲』はおそらくそのリサイクルなんだろう。つまり、今作には複数、丸山氏がドラムを叩いているだろう曲が含まれている。それらと、宅録以降の鋭角的な感覚で作られた楽曲とでは根本的に雰囲気が違い、それが今作の混迷の根本的な部分になっている。でも、統一性をかなぐり捨ててでも収録しないといけなかったんだろう。そう思うと、胸が痛い。

 最早アルバムのレビューじゃないけれども、丸山氏を失ったバンドは、どうしていくんだろう。サニーデイ・サービスは、どうするんだろう。曽我部恵一の年末の連続リリースは狂気じみていて、状況は終末じみてきている。『超越的漫画』くらいからこっち、旺盛すぎる活動と、どこからか吹いてくる破滅の感じが、少しばかり不安にさせる。

 

10. 『Lamp Lit Prose』Dirty Projectors

LAMP LIT PROSE

LAMP LIT PROSE

 

Dirty Projectors - Break-Thru (Official Video) - YouTube

 Dirty Projectorsもまた、昨年から連続リリース組のひとつ。こっちは重たかった前作から一気に軽快な方向にシフトして、ホッとする作品になっている。そういう意味では、昨年の完成度をかなぐり捨てて壮絶な作品となったCloud Nothingsとは似ているようでちょっと違う立ち位置なのかなと思う。

 ともかく軽快すぎる…前作の神経質で重たくて大袈裟なムードは一体何だったんだよ…切り替えが上手すぎ、器用かよ、ってなことを思いますが、でもまあ『Break-Thru』のPVでなんか楽しそうに一人芝居するデイヴさんを見ていると、ああ、よかった…って気持ちになってしまう。

 アコースティックなサウンドを中心に据えた今作は、本当にそこも前作と真逆。しかしながらジャケットにて一目瞭然なとおり、本作は彼ら*5出世作『Bitte Orca』をどこか意識した節もあり、そのサウンドの構築具合はさらりと複雑で変態的。本作はバンド録音っぽく聴こえるけれども実際は前作に続いてひとり作業によるところが大きいとのこと。そのオーガニックだけどイッちゃってる音の数々と、『Bitte Orca』「より後」の曲のポップさと、何よりなんか妙にコード感が明るいソングライティング、及び10曲37分という尺などで、今作は彼らの作品でも最も聴きやすいポジションに収まっている。もしかして最高傑作なんじゃなかろうか、自分がこういう複雑な音が好きならもっともっと上位だったろうなあ…。

 フジロックでの「コーヒー」Tシャツなどでもファニーな話題を呼んだ彼ら、急に明るくなりすぎで逆に心配なんじゃ、とかも思ってしまうけど、でもたまに今作を流してると、複雑なことはやってるんだろうけど、単になんか楽しいなってなるんだから、いいなあって思うんです。こんな無邪気に楽しいダープロのアルバムありましたっけ。あれっこの文章書いてたらどんどんこのアルバム好きになってきたぞ順位ここでいいのか…?

 

9. 『POLI LIFE MULTI SOUL』cero

POLY LIFE MULTI SOUL (通常盤)

POLY LIFE MULTI SOUL (通常盤)

 

cero / 魚の骨 鳥の羽根【OFFICIAL MUSIC VIDEO】 - YouTube

 こっちはもう、「楽しい」なんていう明るい感覚を極限まで削ぎ落としてしまった感じがする。今年の日本で一番神経が先鋭化した音楽のひとつなのかもしれない。筆者の今までのceroぎらいの要素が全て無くなってしまったのかもしれない。その代わり、聴くときはどこか心の隅で正座してる感じさえある。

 使ってる音はロックというよりむしろAORだったりフュージョンだったりしかけてるけれども、それらの組み合わせ方が徹底的に挑戦的。言い方が正確か分からないけれども、ポストパンク的な作曲・編曲とさえ言えるか。メンバーは昨年のArto Lindsayの作品『Mundo Civilizado』を参照点のひとつとして挙げているけれど、ラテン音楽等のリズムや質感の解体・再構築という手法では確かに納得できる言及。しかしそれによってできた作品の質としては、こっちの方がずっと謎に醒めた感じがするのが不思議なところ。どこの怪しい国のサウンドトラックだろう、と術祖的な歌詞含めて思うけれど、泥臭さのような部分は意識的に丁寧に削ぎ落としてあるように感じる。

 ceroの今作の冒険っぷりは、本当にどんな世界を放浪しようとしてるんだろうと聴きながら困惑するけれども、その出口としての最終曲であるタイトル曲の完成度がやはり半端ではない。今年一番のポストパンクな楽曲かも。直線的な進行の中で神経は醒め切ったまま研ぎ澄まされ、ありとあらゆる不穏が整然とリズムに吸い込まれていく。まるで闇の奥、無音の奥の何か真実めいた収束点に向かって直進していくような楽曲の作りはもの凄いけれども、正直、これがゆらゆら帝国みたいにキャリアの行き止まりにならないかな…という不安は抱いてしまう。

 『レテの子』の今作ではややポップな立ち位置、および歌詞の「決してレテの川の水は飲まない」という謎フレーズがネットでちょこちょこ弄られてる(本人もそれに乗っかって楽しんでる)のがせめてポップだなあ、と思うくらいの漆黒のアルバム。ライブでは『Summer Soul』なんかも演奏するらしくポップで楽しげなものになっているらしいけれども、しかしこんなアルバムがこの国のチャートで仮にも1位になった事実は、希望とか何とかの話ではなく、このアルバムにまつわる不思議がまたひとつ増えたんだなあ、という感じがした。

 

8. 『For』uri gagarn

For

For

 

uri gagarn / Owl - YouTube

 日本のスロウコアシーン(そんなものがあるとは思えないけれども)で活動を重ねていたuri gagarnが、group_inouの活動休止によってなのか、幾らかメジャーな露出があった気がしたのも今年で、自分もどうにか知ることができた。これは格好いい。3ピースバンドでもこういう風にすればやりようがあるのか!と思った後で、そういえばスロウコアってジャンル自体3ピースバンドが多いジャンルだったな、と納得。

 nhhmbaseの強靭なリズム隊に、group_inouではcp名義でMC担当をしていたギターボーカルの3人組。今年は全然ライブを観れていないけれども、彼らのライブを辛うじて観られたのはとても良かった。強靭なリズムに対する、錆びまくったような音を鳴らすギターと線の細いボーカル*6とのギリギリの対峙感が、極めてスロウコア的、「コア」な音場を成立させていて、その緊張感がライブでも音源でも変わらない*7のが嬉しいところ。言葉の載せ方も、メロディアス過ぎずややヒップホップを感じさせる部分があるのが特徴的。

 ザラザラでゴツゴツした楽曲群のその質感の隙間から沸き出してくる、微かな叙情性は、物語的なドラマチックさの欠片も無く、その分とてもリアルなものに個人的には感じられた。青空をパッと見上げて、別になんも無いのになんか思いに浸るような、そんな感覚が、この無味乾燥気味なサウンドには確かに潜んでいる。ネットをしてれば、たとえばtwitterを覗けば、あらゆる情報で溢れていて、そのいちいちに色々と考えたりしてしまうけれども、そういうの見ないで外に出て行けば、これだけシンプルで、無意味に錆び付いた光景があるんだなあ、という、スロウコアというジャンルが持つ微かだからこそ価値のある叙情性が、今作にはしっかり備わっていて、それは時に饒舌よりも遥かに饒舌に感じられる。

 

7. 『Egypt Station』Paul McCartney

Egypt Station

Egypt Station

 

Paul McCartney - Who Cares - YouTube

 ポール大先生の新作、自分には凄く唐突に感じられたのですが、世間的にはこれちゃんと事前アナウンスとかあったんですよね。いつになくプロモーション頑張ってたという話も聞いたし、その辺は上記PVを観てもよく分かる*8

 今作の良さは、ともかくなんだかよく分からないけども静かに充実しているところか。派手な曲は辛うじて現代風のプロダクションによってコーラスが壮大な『Fuh You』くらいで、他の曲は正直地味で、御年76歳ということもありボーカルの音域の問題もあったろうことからか全体的に一本調子で、派手な盛り上がりや決定的なメロディというものは、意図的なのか何なのか分からないけれど、ともかく外してある。

 思うに、ポール大先生であればそういう“大名曲”を1曲くらい作ることは前作の『NEW』のように簡単だろうけれど、それよりも、もう良い年なので、自分が作りたいものをひたすら作って並べたらこうなったのかなあ、という感じがする。それで、これだけのクオリティの曲が揃うのだから立派すぎるけれども。

 今作の地味さを思うと、どうしても筆者の大好きな2005年の『Chaos And Creation In The Backyard』のことを思ってしまう。あちらはポールがナイジェルPの指示でひとりで作らされたアルバムで、あそこには「ひとりで作った小作こそポールの微細なセンスが最も良く活きる」という、本来バンド活動が大好きなポールにとってとても皮肉な素晴らしさがあった作品。それに対して今作も、ポールが主導して作った部分は多いと聞き、また加齢によって、ポールのパワフルな部分は自然と取り除かれてしまい、結果として『Chaos〜』と似たような風情が現れている…というのは自分の趣向に寄せすぎた考え方だろうか。

 ともかく、今作のポールの一本調子は、“誇るべき一本調子”であることを述べたかった。安定して細かいフェイクをしたり、タイトに可憐なメロディを並べたり、所々でThe Beatlesを思わせるようなピアノのサウンドやその他ガジェットを平然と援用しまくるこのアルバムは、アルバムタイトルが示すとおり、確かにどこか冒険的な感覚がある。思い返せば、George Harrisonの遺作もまた、平穏で心地よい一本調子が感じられる作品だった。なんだかんだでポールはまだ生きて作品を作りそうな気もしてるけれども、この比較は縁起悪いかな。アレンジの細かい点を挙げればキリがない程、今作には確かに、ポール含む先人たちが築き上げてきた「気持ちのいいバンドアレンジの方法論」が沢山詰め込まれている。それでいてかつ、現代的なアルバムとしても活きているのは、彼の普遍的なセンスと、それを音に丁寧に落とし込んだプロデュース陣の成功だろうと思料される。

 

6. 『Vessel』Frankie Cosmos

Vessel

Vessel

 

Frankie Cosmos - Being Alive [OFFICIAL VIDEO] - YouTube

 これを今年の女性SSW勢で一番上に持ってくるのは間違っている気がしてならない。けど一番好きなのが、一番女性SSW的な面白さを感じれたのが今作だったんだから、仕方ない。筆者はセンスが無い奴、パワフルな女性SSWよりも女子っぽさを優先するロリコンクソ野郎だとか、そんな具合に切って捨ててくれればいい*9

 今作を好きなのは、この人が自分の声のか細さをとても大切にしていること、そしてそれをどう重ねて、バンドサウンドと合わせればよりキャッチーに、魅力的に見えるかをよく理解していることがとても大きい。上に貼った動画を見てもらえば分かるとおり、こういうパンクな曲をやるのに全く向いていない、どこのその辺の少女だよって声質は、たとえばCourtney Barnettや、それこそこのリストに出てこない、Snail MailやMitsuki辺りと較べても遥かに弱い。とてもじゃないがオルタナ女子といった具合ではないし、観たことは無いけれどもライブとかでも聴こえづらいんじゃなかろうか。

 でも、だからこそいいのである。ああ、石を投げられそうだ。たとえば上の動画でも、リズムが切り替わるところのなんとも言いがたい寂しさ・儚さは、彼女の乾いて弱い声あってのものである。本作の魅力は詰まるところ、そういうことになる。2分前後かそれ以下の楽曲がずらりと並んだ今作は、名曲らしい名曲があるわけでもない。吹けば飛びそうな小曲がめい一杯に詰め込まれている。宅録アーティストである彼女が生活のどこかでせっせと作り溜めた楽曲をただ詰め込んだだけという*10簡素さ、その簡素さそのものを楽しんで聴いているんだと思う。よく聞くとコードバッキング以外にも鳴っているか細いオブリガードのフレーズも、ギター以外のキーボードかベルか何かの楽器のこじんまり具合も、それがとても魅力的で楽しげに聴こえるのは、しつこいけれども可憐な声と、そのコーラスワーク等の絶妙な組み方によるものだ。まるで粗雑さと綿密さが隣り合った秘密の宝物が、ベッドルームとストリートの狭間のどこかで頼り無さげに鳴っているような。36秒のピアノ曲とか、こんな破片みたいなものを入れてしまうくらい、このアルバムはおもちゃ箱と宝箱の間を行き来している。

 やはりこうやって文章化してみると、自分のこのアルバムに対する愛着はなんか気味が悪い気がしてきた。捕まりはしないかと不安にもなるけど、でもこのアーティストが両親が有名な俳優だという情報は、むしろ今作の評価を下げかねないなあとか思うに至って、今作を評する言葉を失いかけている。ええいもう言ってしまえ。「これは天使のおもちゃ箱のようなアルバムです」

 

5. 『REBROADCAST』the pillows

REBROADCAST 通常盤

REBROADCAST 通常盤

 

the pillows - Boku no Tomodachi - YouTube

 このブログで全曲レビューを書いているので、流石に付け加えたいことは殆どないです。長い彼らのキャリアで、5本の指に入る傑作だと信じております。本当に、「『Star overhead』が収録されていないこと」以外のいちゃもんが思いつかないのだもの。いやあホント『Star overhead』は久々に、さりげなくthe pillowsの大名曲だったと思います。歌詞が、読んだときと音として聞いてるときで感じ方が全然違うのが特に素晴らしいっすね。この数行、本当に必要な文章かな?

 

4. 『愛と芸術とさよならの朝』パラダイス・ガラージ

愛と芸術とさよならの夜 [HEADZ233]

愛と芸術とさよならの夜 [HEADZ233]

 

パラダイス・ガラージ(PARADISE GARAGE)「TOKYO GIRL'S BLACK BAY」 - YouTube

 今年後半で聴いた回数でいけば、今作が間違いなく一番多かった。なので邦楽ではこれを一番上位にしても良かった気がした。自分でもなんでこればっかり聴いてたのか、上手く説明できる気がしないけれども。

 カルトなSSWとして活動を続ける豊田通倫氏の、かつて90年代に「デス渋谷系」などといういよいよ訳の分からないジャンルの一角として*11活躍し、今や「伝説化」*12したユニットの、実に18年ぶりの新作とかいうことで、今作。その実体は、全て豊田氏の宅録によって制作された、ラフでちょいカオスな全10曲39分のアルバムである。

 氏は今作を「サニーデイの『Dance To You』に強く影響されて作ったアルバム」と主張する(当該インタビュー記事はこちら)。『Dance To You』は確かに、バンド名義ながら実質宅録的な、ある種のチープさを含みながらも圧倒的に構築された作品集だったけれども、もっとラフでジャンクではあるけれども、今作もそういった方向を目指した部分が見受けられる。特に冒頭3曲の存在は、今作を筆者がリピートさせる強い要因になった。再生直後、チープながらごわごわしたノイズが鳴り響き、その後にぽつんと残されるアコギの弾き語りがとても寂しくも幻惑的*13な『paradise garage band*14から、不思議な浮遊感・透明感に包まれてフワフワと疾走する『果てるなどして』、そしてスピードダウンして、チープなトラックと弾き語り調の曲が絶妙な情緒を醸し出す『やられちゃったおじさん』*15までの3曲の流れは、音使いの歪さ等が奇妙なんだけれども、しかし絶妙にフォーキーでキャッチーで、個人的には今年の日本の音楽で最もポップな並びだとさえ思いました。特に『やられちゃったおじさん』の不安定なメロディラインは、なのに凄くキャッチーで不思議に思う。

 その後は、宅録のトラックはやや薄れ、氏が得意とする弾き語りの側面が前面に出た楽曲が並ぶけれども、それでも突然エレキギターの轟音が挿入されたり、『居酒屋たよこ』のような氏でないと作らないような極上のポップソングがあったり、『飛田の朝ごはん』という曲では今年亡くなった落語家・月亭可朝氏のメッセージと自身のラップともつかない語りとを弾き語りに乗せて淡々と流したりする。リード曲では突然カオスな宅録に戻るけれど、その後氏の人生のしみったれた部分を強く感じさせる『ソフトランディング』でアルバムタイトルを絶唱し、そしてちょっち間を置いてから、非常にチープなロックンロール『君の往く道、私の喫茶店*16であっさり締める。あっ結局ほぼ全曲解説しちゃった。

 本当に、この決して正統派なサウンドではない作品の良さを語ることは難しい。感覚的な話だもの。上記Frankie Cosmosちゃんみたいに誤摩化すのも難しい。向こうが天使ならこっちはモロにおっさんだもの。せめて言えるのは、日本にも豊田通倫というおっさんがいる、という事実はなんだか嬉しくなるな、ということ。筆者も、歳を取ってきたんだと思う。今年の邦楽で最もエモく感じた作品のうちのひとつ、ということにしておこう。

 

3. 『Mark KozelekMark Kozelek

Mark Kozelek [輸入CD](RT0014CD)

Mark Kozelek [輸入CD](RT0014CD)

 

Mark Kozelek "Weed Whacker". Video by Luke Gibbs. - YouTube

 Mark Kozelekさんの今年の2枚のうちの、Sun Kil Moon名義じゃなかった方のやつ。これはですね、念仏化してからは一番センチメンタルでいい音源なんじゃないでしょうか。

 今年前半の分でも述べたとおり、今作は彼のアコギによる、ミニマルでセンチメンタルなループの上に近年の説教スタイルを載っけた、というスタイルで11曲90分弱をやり通すアルバム。歌にメロディがある部分は相当に限定されて、リズムが入ってる曲はごく僅かしか無い。なのでこの音楽でセンチメンタルな気持ちになるとすれば、それは多分にトラックの作り込みによるものだと思われる*17

 この辺は、本当に感覚になると思うのですけど、このトラックでノスタルジックになれるかどうか、だと思うんです。筆者は徹底的に、なれる。1曲目のアコギの高音の規則的な鳴りがランプの明滅みたいに感じれて、突如自分の使用機材を説明し出すところで「この人の歌詞ホントに何でもアリだなあ」と思い、『The Mark Kozelek Museum』という曲名に笑いながらもドン引きするけど、しかしながら宗教的なコーラスが移り変わっていく様に、その謎の情熱込みで圧倒され、『My Love for You Is Undying』の徹頭徹尾センチメンタルなアコギの柔らかい響きにノスタルジックの海に沈み、そしてとどめの『Weed Whacker』の変則的な者フルの響きに導かれて、茫洋とした意識の中を漂っていく。こういうのを運転中に聴くと、危険なのかもしれないなあと思いながらずっと聴いてた。念仏なのに不思議と眠くならないのは、ラップ調であっても歌心がやっぱりあるんだろうなということを思った。

 ハーモニクスの音ばかりで神経質な中に変なコーラスをかます『666 Post』や、どことなく一番歌っぽい風情のある『The Banjo Song』の何気にクソ長い12分間などもあったりして、今作は徹底して、彼の美しいアコギ(ガットギター?)捌きが終始聴けるという特典がある。

 どうしてこんなに生ギターの音はセンチメンタルな感じがするのか。今作はこの性質をSun  Kil Moonの『Admiral Fell Promises』や、それこそ件の大名盤『Benji』以来に活かしきった作品なんだと思う。どうして急に、こういう作品を、しかもソロ名義で出したのかが全然分からないけど、骨々しかった前作の反動なのかなということにしておく。これがこんな順位なのは、単にMark Kozelekだからじゃなかろうかという自問があるけれども、この辺はもう、感覚的なことなので、もうどうでもいい。これはとてもセンチメンタルなレコードな気が、歌詞も録に分かっていないのに、した。彼がソロ名義でこれをあえて出したことのその理由を、ぼんやりと思う。

 

2. 『針のない画鋲』土井玄臣

針のない画鋲 [NBL-223]

針のない画鋲 [NBL-223]

 

土井玄臣 - ハート / Motoomi Doi - Heart - YouTube

 土井さんの歌う歌は、歌ってる世界の次元が違う気がしてる。次元というととても語弊があるので、歌ってる世界のファンタジーのジャンルが違う、と言っても語弊があると思われるので、どうしたらいいのかよく分からない。

 本作は、これまで得意としていたエレクトロなトラックの作り方を放棄して、ノンビートで、色んな音の揺らぎが現れてはどこかに消えていくような、静かな世界の非常に微睡んで惨めったらしいポップソングが紡がれていく。この人のファンタジーは、どうしてこう、ひたすらに不幸せなんだろうと、その整然として殺風景な光の照射の中にいて、ひたすら「叶わないこと」を注ぎ込んでいく。

 氏の、ひたすらファルセットを用いた声の響き方が、ノンビートな今作では普段以上に存在感があるかというと、むしろ回りの揺らぐ音に溶けていくような感じがして、かえって歌詞が頭に入らない気がした。その、言葉が溶けてしまうようなトラックの、シンセだったりピアノだったりギターだったり、そのいちいちが、美しいというのもあるけれども、なんかその美しさにこう、目的が無いというか、ひたすら世の中の中に浮かぶ、霊魂か、プラズマか、雰囲気か何かを描写しただけかのような佇まいがある。

 アルバムは終盤に向かっていくに連れて、深く、思念なのか空想なのか痛苦なのか、ともかく何かそういうものの奥に沈潜していく。だからこそ、今作で唯一ドラムの入った最終曲『マリーゴールド』の、輪郭のはっきりした佇まいが優しく、虚しく響く。

 いよいよ、感覚的な文章しか書けていない気がする。上記リンク先の今年前半の評の方が言いたいことを言ってたかもしれない。何はともあれ、これは私のこの年間ベストの2位であるからして、12月に次のアルバムが出なかったら1位だったんだなあと思うと、この圧倒的に感傷な音楽に対して、何かもうちょっと言葉を添えられないのかなと苦しく思う。

 

1. 『Foxwarren』Foxwarren

Foxwarren - "To Be" - YouTube

 年末直前にやってくれた。オルタナカントリーの大本命。素晴らしい。文句なしに今年1番「好きな」アルバムです。

 Andy Shaufの『Party』は、2016年に自分が年間ベストに入れれなかった(=聴いてなかった、知らなかった)アルバムの中で最も、聴いとくべきだったアルバムだったと思う。圧倒的なアイディアの量、きっちりとアレンジを使いこなすセンス、楽曲の時に剽軽で、時に神妙な具合までの振り幅の、それぞれに対する丁寧さ。ややチェンバーポップ感が苦手だったかもしれない気がしたけれど、Sufjan Stevensよりはもっとフォーキーで実感が沸くSSWだったと思った。

 そんな人が、彼の地元の仲間たちと、結局10年かけて今回の正式リリースに至ることになったという、このバンド名義のアルバムについては、もう何も文句をつけるところは無い。フォーキーでカントリーなバンド形式によって、筆者の趣向にはより近づいたサウンドに仕上がってしまった。もう、冒頭『To Be』のアコギのストローから始まり、静かに立ち上がっていくカントリーサウンドと、そしてサビの部分でスタジオ音源ならではの、一気に音がズレて広がっていくような感覚の時点で、この作品が『Yankee Hotel Foxtrot』的な意味で“オルタナカントリー”であることが確定してしまった*18

 その後、2曲目以降は幾分カントリーを離れて、抽象的な音楽になっていく。3曲目の『Everything Apart』のリズムは8分の6で、ビート自体は直線的な8ビートの変形になっている辺り、一筋縄では行かなず、やはりどこか幻惑的な仕掛けが施されている辺りにAndy Shaufという人の存在感を感じたりもしたけれども、その後のマイナー調の楽曲の続く流れでは、少しElliott Smithのことを思い出したりした。どこかヨーロピアンな情緒を引っ張ってくるアメリカ大陸側の人間としては、確かな共通点だった。声の響きは徹底的に重ねられて、不思議の国のカントリーソングに不安げに響かせられる。

 『Your Small Town』は、今作でも最も現実的な質感のある、それでいてどこかしみじみとした寂しさをたたえた、程よいカントリーソングだ。続く『Sunset Canyon』*19と合わせて、今作がカントリーロックのアルバムだったことを思い出させる。

 アルバムは軽快に始まったはずの『Fall into a Dream』の終盤にてオルタナティブなノイズの飛び交う停滞パートにおいて、今作のオルタナ性の種明かしのような顔を見せた後に、スライドギターの揺れ動きが黄昏れきった『Give it a Chance』でアルバムはゆったりと終わりを迎える。

 今作の、ジャケットだけを見たらバンドサウンドでカッチリ作ってそうな雰囲気から、実際はAndy Shauf的なスタジオワークを徹底的に施してあり、『Party』と同じ程度には幻惑的である。そしてその上で、アメリカの伝統音楽としてのカントリーミュージックについて、過去の重要な達成を踏まえた上で、自分たちなりにコンパクトに(10曲36分)、整然と纏めきっている。

 本作は、間違いなくオルタナカントリーというよく分からないジャンルについて、正しく“オルタナティブ・ロック”な手法をしっかりと施したカントリーロックのアルバムである。つまり、『Yankee Hotel Foxtrot』の後に続く、偉大な達成のひとつに数えられるべきアルバムだ。なので、もっと騒がれてもいいような気がするけれども、でも本人たちは10年越しでアルバムが完成できて、御の字だったのかもしれない。

 大体、筆者の年間ベストのトップは感情論入りまくりの、なんか後で読むとよく分からない感じにブチ上げた感じの文章になりがちなんですが、今年はこれが出てくれたお陰で、音楽的な趣味趣向だけでこのアルバムをトップに出来てしまったので、地味に驚きました。これ、全然『Party』よりも好きなんですが、本当に世の中はもっと騒がしくなってもいいのに、と思いながら、また自分の音楽的な荒野のイメージに、豊かな奥行きと情緒を得ることが出来た感じになって、とても有り難いです。

 

 

 以上、幾つか実家でお酒を飲んだ後、紅白歌合戦を観ながら書いたので、非常に内容のアレが雑になってるかもしれない部分はありますが、ともかく今年の30枚でした。来年も、私や貴方にとっていい音楽が色々とありますように。

 

*1:youtubeに制作時の様子の動画とかが普通に上がってるのはそのため?

*2:事件を起こして反省した当人は「事件なんて関係ない、と言うリスナーとはあまり関わりたくない」的な思いはあるみたいで、そう思うと本人の意思を無視した文章になるかもしれないけれども

*3:今聴くと前作もポップ化の萌芽は結構色々ありましたね

*4:発狂するような方向でならまだ分かる

*5:だった

*6:この細さからシャウトする瞬間が、とてもハードコアに投げ出してる感じがしてめっちゃ格好いいんだよなあ

*7:正確にはライブの方が生々しくエグくその緊張感を味わえるけども、音源もこれはこれで非常に豊穣な間を有していて、息詰まる感じでは同等だと思う

*8:このPVでカメラに向かってアクションをするポールを見てると、まるで昨年頭に他界した某大御所みたいに見えてきて、ちょっと意識してたりするのかなあ、とか思った

*9:筆者にはMitsukiの良さが前作も今作も全然分からんという弱みがある

*10:今作がアルバム3作目と後で聞いて、いちアーティストの成長過程としてそれでいいのかどうかという思いもチラッとしたけれども、そんな観念的なことよりも自分はこのアルバムが好きだと思うので、どうせ海の向こうのことなんだし、気にしないことにした。

*11:…ということで整理としていいんでしたっけ?検索してもいまひとつ判然としない。果ては自分の書いた、事実考証の怪しい渋谷系批評記事とか出てくるし…

*12:これは当時の「和製Beck」的な評価よりもむしろ、スカートや昆虫キッズ等を中心とした東京インディ(悲しいけど死語)勢の豊田氏再評価によるところが大きいものと思料します。

*13:このアコギの寂しさに筆者が『Yankee Hotel Foxtrot』を感じてしまったことが、おそらくはリピートすることが増えた1番の原因なんです

*14:Macの標準的なDTMソフト「Garage Band」に掛けた曲名だけど、今作で使われているDTMソフトは「Logic」だそうです。筆者も使ってます。

*15:曲名は小島真由美『やられちゃった少女』のオマージュというのだから堪らないです。

*16:終盤にノイジーに広がる場面があって、最後の最後にグッと来る

*17:歌詞はよく分からないですからね

*18:ちなみにこの曲のギターソロは、とてもシンプルながら、その音の詰まり具合にどこかネルス・クラインを感じさせる部分がある

*19:こっちは間奏のドラムで、スネアの音にハンドクラップが重ねられてることに気付いて、そんなところまで手を入れるものなのか、と驚いた