ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

好きな曲A to Z(1/26(予定):Aの曲)

 タイトルだけでは分かりにくい気がしますが、つまり「iTunesを眺めて頭文字AからZまでで好きな曲を選んでみる」という企画。選曲がようやく完了したので、ちびちび上げていこうと思います。ちなみに同じ方法で「あ〜わ」「1→30」も作りました。そっちはまた後ほど。
ピクチャ 3

 一応、1アーティストにつき登場は1回ということにして選曲。アルファベットなのでAからZまで全部で26曲。一回の更新につき一曲ずつ公開してみます(記事数稼ぎ感)。

 曲名には視聴できる動画があればそのリンクを。また、同じアルファベットの他に見つけた激しくすばらな曲も名前だけ列挙できればと思います。見落としは当然、膨大にある…



A
Add Some Music To Your Day/The Beach Boys
(from Album『Sunflower』)
Sunflower / Surf's UpSunflower / Surf's Up
(2000/07/13)
Beach Boys

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 こういう色んな音楽挙げたがりな企画でこの「生活の中に色んな音楽が」って歌い上げるこの曲を一曲目にするのはどうかな…とは思いながらも選曲。ビーチボーイズで最もサーフィン!女の子!楽しい!に拘る男マイク・ラブが書き上げたとはにわかには思えない、音楽に対するささやかな畏敬の念の込もったリリックが素晴らしい。
(彼の名誉にかけて言うと、マイク・ラブはテーマを決めて単語を列挙する歌詞を作ることを得意としていて、それが世界各地の女の子について歌う代表曲『California Girls』などでよく現れているが、この曲ではそれを音楽に適用して、しかし浮ついたところの無い(初期の浮ついた歌詞もそれはそれでとてもいいものだと思うけど)凛としたものに仕上げている)
 穏やかでフォーキーなメロディや演奏はバンドのパブリックイメージからも、そしてこのバンドが誇る超天才・ブライアン・ウィルソンの普段のどこかトリッキーな作風とも異なる、どこか落ち着いたもの。この辺バンドヒストリーとその音楽性の変遷について書き始めるといつまで経っても次の曲に進めないので取りやめるが、とにかくこの曲においてバンドは、そのキャリアでも最も穏やかで、しかし十分にリリカルで、そして美しい3分半を手にしている。メンバーが代わる代わるリレーしていくボーカルの素晴らしさ。
 圧巻なのは中間の展開部。穏やかだったメロディはここで切なげに浮かび上がる。

Music
 When you're alone
 Is like a companion
 For your lonely soul
 When day is over
 I close my tired eyes
 Music is in my soul

これは本当にマイクの歌詞なのか…はともかく、音楽ばかり聴いて他の生活がまるでダメになってしまってるとき、日々どうしようもなくて音楽聴くくらいしかやることもないようなときなどに、さらりと毛布をかけてくれるような言葉とメロディの美しさ・物悲しさがとてもたまらない。

 多分こんな曲のこんな歌詞にぐっときてしまうからこそ生活がダメになってしまうんじゃないか(高校生の頃にこんな曲に入れ込んじゃったからロクな暮らし出来てないんじゃないか)という危惧もあるが、そんなことどうでもいい超名曲。基本的に曲のタイトルが『MUSIC』とかだと「音楽は素晴らしいなんてそれ、音楽好きな人にしか伝わらないしなんかやだな」って思ってそれだけでなんか割引いて見てしまうことあるけど、この曲はやっぱり特別だなあ。


他の候補曲:
After The Gold Rush/Neil Young(form『After The Gold Rush』)
...and Carrot Rope/Pavement(from『Terror Twilight』)
Anderson/advantage Lucy(from『Echo Park』)
Ask/The Smith(from『The World Won't Listen』)
ASTRA/昆虫キッズ(from『こおったゆめをとかすように』)