ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

マラカス・シェイカーを使った楽曲(30選)

f:id:ystmokzk:20200922091435p:plain

 マラカスとシェイカーの違いってよく分からないですよね。形としてはよく分かるけど、たとえば音だけ聴かされて「今のはマラカスかシェイカーか?」って言われても正直おそらく分からないと思いますし、音を聴くだけであれば別に違いが分からなくたって別に構わないんじゃないかと勝手に思ったりしてます。

 

 それで、今回はマラカス・シェイカーの音が入った楽曲を30曲分見ていって、こういった楽器が楽曲においてどんな効果を発揮するか、逆に、マラカス・シェイカーをどう使うといい具合になるか、というのを調べてみたくて、時間をかけて30曲分のプレイリストを作成しました。

 

 マラカス・シェイカーといえば踊りたくなるような・ラテンで陽気な感じがするものですが、実際使われてる例を見るとそういうのばっかりじゃないなーむしろそういうのは少数かもしれないな…という並びになってしまいましたが、とりあえず見ていきたいと思います。

 

続きを読む

ストーンズで20曲(ギターの好きな感じの)

f:id:ystmokzk:20200906144825j:plain

Mick Jaggerエレキギター持って歌う姿好き。画像はギターにシールド挿さってないけど…。あとギターがフェンダージャガー…。

 

 先日、以下の記事を読みました。

rollingstonejapan.com

 1974年のアルバム『Goats Head Soup』がリイシューされることを受けて書かれたこの記事は、色々と現代的なストーンズの鑑賞方法を整理してあって、いちいち納得する場面の多い、素敵な記事でした。ぼくが『Goats Head Soup』大好きなのもあるかもですが、「バンド音楽さえ主流でなくなった現代においてThe Rolling Stonesというバンドの数十年も前の音楽をどう楽しむか」という視点をきちんとキープした上での、とはいえ少々熱っぽくてフェティシズム的なストーンズ語りは、凄く共感できる感じ。

 

 これを受けて、自分の中でストーンズ熱が再燃して、自分の好きなストーンズのプレイリストを作ろうと思って、今まであまりちゃんと聴いてなかった作品(特に1980年代以降のものの多く)なども聴き返して、結構満足いくプレイリストができたので、それを公表するとともに、1曲ずつ見ていきます。

 で、ストーンズであれば、以前は1960年代のポップソングのキッチュさをこそ好きでいたけど、そこから次第に1970年代の諸策の、昔なら「ダサい…」って思ってたものについてもある程度理解が増えて行ったりして*1、特に、彼らが何か雑食的に他のジャンルを漁る際でも「ストーンズ的な歪さ」が出てしまう点は、彼らを彼らたらしめる重要な点だなと思います。

 今回は、特に彼らのサウンドの中核であろう「ギター」の音や活用方法が面白い・好きな楽曲を集めて20曲のプレイリストにしてます。

*1:それでも今でも「やっぱダサいな…」と思ってしまうものは多々あります。けどそういうことについては特にこれ以上語るまい。

続きを読む

アメリカンロック?アメリカーナ?に関するあての外れた考察とあと20枚ほど

f:id:ystmokzk:20200812195854p:plain

 たとえばアメリカのロックバンドのアルバムの解説文なんかで、

アメリカンロックを代表する堂々としたサウンドは…」

「ちょっと待って、それって具体的にどういう感じ…?」

と、時々思ったりすることがあります。最近はなんとなくこういう感じの要素を言いたいんだなあみたいなのは分かってきた気がしますけど、まあそもそも、音楽性を指して「アメリカンロック」という形容詞は、いささか大きすぎる感じがするのも事実。アメリカのロックバンドはみんなアメリカンロックなんじゃないの?的な。

 

 一方で、近年は「アメリカーナ」という語もロック音楽のジャンルのひとつとして扱われることが増えているように感じます。こちらはThe Americana Music Association (AMA) なる組織がアメリカにあったり、そこが色々イベントをやったりで、またこの語に括られるアーティストの顔ぶれなんかでも、アメリカンロックよりかはより音楽性を限定した感じがありますけれども、しかしそれでも、なんかフワッとした感じが抜けないような…。

 

 …などと言いながらも、この二つの語が意味するところの音楽に自分の好きなものが沢山あることも事実です。なので今回は、この二つの語について、全く学術的ではないし研究も十分とは到底思えない、筆者個人の思い込みによる整理によって色々その意味を決めつけて見て、その後に、いつものように自分の好きなアルバムそれぞれについてコメントをつけるやつを20枚やります。「牽強付会」というやつなのかな…と思いますが、自分の趣向を整理する上でも、ひとまず最後まで書けそうなので書いてみようと思います。
 

  • 序章:ほら、分かるだろ、あれだよあれ
    • ●逆にアメリカンロックじゃないものって何だ?
    • ●要はカントリーロックのことだろ?
      • a. 1960年代:カントリーロック誕生まで
      • b. 1970年代:ウエストコーストロック・SSW
      • c. 1980年代後半〜1990年代:オルタナカントリー等
      • d. 2000年代以降:「アメリカーナ」という新たなラベルとその他
    • ●序章まとめ:アメリカっぽいバンド音楽
  • 本編:ぼくの好きなアメリカンロック/アメリカーナ 20枚
    • 1970年代
    • 1980年代
    • 2000年代
    • 2010年代
  • 終わりに

 

 

続きを読む

The Jesus & Mary Chain(JAMC、ジザメリ)の25曲

f:id:ystmokzk:20200802150638p:plain

 ここ最近ずっとThe Jesus & Mary Chain(以下「JAMC」と呼称します。日本風な「ジザメリ」でもいいんだろうけども)ばっかり聴いてて盛り上がってきて、マイナー気味そうな曲まで一通り聴いてとてもテンションが高くなったので、25曲のプレイリストを作りました。再結成アルバムの曲は時期が他の曲と開きすぎることもあり収録してませんが、曲順もいい具合だと思います。今回はいきなりこれを貼ります!

 

 彼らは1999年の活動休止までにフルアルバムを6枚、シングルを19枚、EPを6枚リリースしており、今回はそれらからの選曲となります。彼らの詳しいディスコグラフィについては、英語版Wikipediaの記事を見ていただければです。

 そして今回は、この25曲を通じて彼らのキャリアとか、バンドとしての性質とか、各楽曲の魅力とかを改めて検証したいような、そんな意気込みの記事です。なので、さっさと本題に入っていきます。

 ちなみに、(『Honey's Dead』までの)各アルバムの論評についてはこちらのブログの記事がとても良いかと思います。彼らの歴史に横たわる”面倒臭さ”もよく踏まえられています。

slapsticker.blog.fc2.com

  • 1. Happy When It Rain
  • 2. Upside Down
  • 3. Almost Gold
  • 4. Sometimes Always
  • 5. Don't Come Down
  • 6. Far Gone and Out
  • 7. Subway
  • 8. Fizzy
  • 9. Degenerate
  • 10. Half Way to Crazy
  • 11. Teenage Lust
  • 12. Some Candy Talking
  • 13. Rollercoaster
  • 14. Darklands
  • 15. Never Understand
  • 16. Birthday
  • 17. Save Me
  • 18. Between Planets
  • 19. Something I Can't Have
  • 20. Down on Me
  • 21. Black
  • 22. Shake
  • 23. God Help Me
  • 24. Sundown
  • 25. Just Like Honey

 

続きを読む

コード進行の話:Ⅰ→Ⅳ反復のキャッチーさについて

f:id:ystmokzk:20200723103027j:plain

 前回コード進行についてざっとした記事を書いたのは、今回のこの記事に繋げるためでした*1

ystmokzk.hatenablog.jp

 前回の記事のサムネイル画像をLoe Reedにしたことで言いたかったのは「コード進行はシンプルなものでもいいものはいいんだよ」ということでした。そして今回は、世に無数にあるコード進行の中でも最もシンプルなもののひとつである「Ⅰ→Ⅳ」の反復に焦点を当てて、その働きとキャッチーさについて見ていきたいと思います。

 

 ただ、今回のテーマは、普段コード進行のことについて考えることのない人が読むとちょっと分かりにくいと思います。以下でも簡単な解説を書きますが、それよりも例によって作成したSpotifyのプレイリストで今回選曲した楽曲を聴いてもらった方が雰囲気がわかるかもしれません。確かにこういうシンプルな繰り返しなのにグッと来る展開ってあるよね、という、そういう楽しみ方ができる文章になっていれば幸いです。

  •  はじめに(おさらい?補足?):Ⅰ→Ⅳ進行とは?
  • 本編
    • 1960〜1975
    • 1976〜1990
    • 1991〜2000
    • 2001〜2010
    • 2011〜2020
    • このリストの1位
  • 終わりに

 

*1:というか、今回の記事の序文として書こうとした「コード進行についての簡単な解説」がなんか言うほど簡単じゃなくなってきたので、単独で記事にしたのが前回のものです

続きを読む

コード進行の話:ポピュラー音楽における基本的なコード進行とその効果

f:id:ystmokzk:20200723121459j:plain

画像をクリックするとこの画像元のLou Reedのスリーコードの記事(外部サイト)に飛びます。

 

 コード進行の話をします。

 今後、このブログで「こういう定番のコード進行の曲を並べてみました」的な記事だったらいくつか書けるな…と気づいたんですが、そういう記事を書くより前に、じゃあまず、今後取り上げるようなコード進行はどういうものがあるのか、そもそも、ブルーズ〜ポップス〜ロックンロール〜ロックという流れの中で多くのヒット曲やそうでもない曲で採用されてきたコード進行にはどういうものがあって、それぞれどんな特徴があるのか、というのを一回整理しておきたくなったので、今回これを書きます。

 楽器を演奏する人・演奏してたことのある人においては「あるある〜」な感じに受け取ってもらえれば、または演奏とかしない、「コード進行」といった言葉に馴染みのない人にとってはコード進行を通じて楽曲の聴き方の面白さが何かしら増えれば、なんか幸いな気がします。

 なお、五線譜は読むのも書くのも苦手なので使いません!また筆者はギターはそこそこ弾きますがピアノは全然弾けないので、ギターでよく演奏されるコード進行に偏った話になってしまうと思いますのでご了承ください。

 

  • はじめに:「コード」「コード進行」とは
  • 具体的なコード進行例
    • 基本的なスリーコード:Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ
      • ●ブルーズにおけるトライアド
      • ●ブルーズからの派生としてのロックンロール
      • ●ロック・ポップスに溶け込んでいくスリーコード
      • ●パンク・パワーポップでのスリーコード
    • 二つのコードによる反復の事例
      • ●Ⅰ→Ⅳの反復
      • ●Ⅳ→Ⅰの反復
      • ●Ⅰ→Ⅵmの反復
      • ●ツー・ファイブ:Ⅱm→Ⅴ
    • 有名なコード進行パターン
      • ●カノン進行:Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ
      • ●王道進行:Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm
      • ●逆循環(小室進行):Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ
      • ●ギターロック的メジャー進行:Ⅰ→Ⅴ→Ⅲm(or Ⅵm)→Ⅳ
      • ●オールディーズ調?:Ⅰ→Ⅲm→Ⅳ→Ⅳm
  • ひとまずの終わりに

 

続きを読む

回ってきたブロガーバトンの対応の記事

f:id:ystmokzk:20200719182350j:plain

 ブロガーバトンなるものがあるらしくて、このような様式の各項目を埋めて自己紹介的なものになるんだろうと思われます。これがどこ発祥なのかは、この様式にある端っこのID的なやつで検索したら出てきました。

hiyapa.hatenablog.com

 で、今回そのバトンが回ってきたのは、以下のブログをされているナギさん(id:nagi1995)からでした。

nagi1995.hatenablog.com

 弊ブログの『青い車』の記事をお褒めいただいています。ありがたい…。

 正直、全然ブログを通じての人付き合いというのをしてこなかったので、このバトンを回す次の人がいないのですけど、この記事を見られた方でバトンを受け取りたいという方いらっしゃいましたら、どうぞid:ystmokzkからバトンを受け取りましたの体で適宜実施してもらえればと思います。

  • ブログ「華氏65度の冬」について
    • おすすめな記事
  • 本編:ブロガーバトンの所定の内容について
    • 名前
    • 年齢
    • ブログ歴
    • 現在の総記事数
    • 更新のタイミング
    • ブログのジャンル
    • ブログを始めたきっかけ
    • 今後のこのブログの野望
    • ひとこと
    • 一番古い記事
    • お気に入りの記事

 

続きを読む

素敵な歌詞botで翻訳した気に入ってる15曲

f:id:ystmokzk:20200719134250p:plain

いつもとりあえずはGoogle翻訳に歌詞をコピペしてから考える

f:id:ystmokzk:20200719134929p:plain

 私が運営してる「素敵な歌詞bot」は、私が好きな歌詞の一節を邦楽・洋楽に関わらず掲載してるものですが、英語歌詞のものであれば適宜私の方で翻訳してます(半ばGoogle翻訳をいじり倒してるだけかもですが…)。今回はその中で個人的になんか上手いことなったな、と気に入ってるやつを掲載します。順番は登録が速いものから順番で、15曲分を、botのツイートから引っ張ってきて掲載します。

 現在このbotに歌詞を掲載している楽曲の一覧についてはこちらに掲載しています。

ystmokzk.hatenablog.jp

 なお、様々な制約(ツイッターの文字数、歌詞ならではのよくわからない文法、及び筆者の英語力の貧弱さ)などにより、翻訳は全然正確ではないのでご容赦ください。

 

続きを読む

パワーコードな25曲

f:id:ystmokzk:20200712174546j:plain

 他のブログの方からブログバトンなるものを貰ったんですが(そっちは後日投稿します)、そのブログバトンの記事で取り上げられてた曲が今回の記事の1曲目だったので、そこで閃いて、今回は演奏の大部分をパワーコードでやってる曲を集めたら25曲くらい集まったので見ていきます。年代順で、最後にSpotifyのプレイリストがあるのはいつもの通りです。

 そもそもパワーコードとは何か?これはギターの弦を2本ないし3本だけ決まった形で押さえて弾くとなんか明るいとも暗いともつかない、なんか無骨な感じの割と太い感じの音が鳴る演奏方法です。こういう感じで押さえます。押さえやすいです。

f:id:ystmokzk:20200713194450j:plain

 

メジャーコードもしくはマイナーコードの第3音を省略し、それにより音の濁りが少なくなるため純粋かつ力強い音を醸し出す事が出来る。また、オクターブを加える場合もある。

    Wikipedia-パワーコード

 

 パワーコードがどういうものか知ってる人はその上で、知らない人は各曲を見てて「あっこういう演奏のやつのことか」ってなれば幸いです。あと例によって自分が聴いてるジャンルに偏りがあるので、特にヘヴィロック・ヘヴィメタルスクリーモ等は全然分からないので、その辺申し訳ありません。とはいえ、パンクからヘヴィなのまで、速いのから遅いのまで取り揃えました。

 

続きを読む

レトロスペクティブ:2010年のアルバム15枚

f:id:ystmokzk:20200702073539j:plain

 10年前に戻りましょう。

 もう2020年ウンザリしすぎませんか…?コロナウイルス、政治的犯罪の連発、BLMの混乱とあっちも深刻な政治不信、香港情勢、最新情報で九州各地の大雨と川の氾濫…もうこの世界終わりなんじゃね?みたいなヤケな気持ちになるので、10年前を振り返ってみましょう。想像してみましょう、10年前の2010年、コロナウイルスどころかまだ東日本大震災も起こっておらず、日本は民主党政権で色々賛否がありながらもとりあえずは今の政権ではなく、アメリカはオバマ大統領の時代が続いていて、中国も時々変なニュースはあっても今の香港みたいなことはなくて、インディーロックはUSインディーが最盛期で、ぼくもあなたも10年分若くて、10年分健康で、10年分バカで、10年分愚かで、10年分呑気で、10年分まだ何かを信じれていて…。

 …などと大げさな前振りはひとまず脇に置いて、回顧記事です。今の自分のiTunesもといMusicアプリのライブラリに入ってる2010年の作品から15作を選んでみました。正直、大半はリアルタイムで聴いてはいなかった気がする作品が並んでしまいましたが…自分史ではなく、あくまで2010年の音楽を今の地点から“回顧”するもしくは“ディグる”というテーマでやっていきます。2010年、こんなアルバムがあったんだなあと改めて思いました。自分もまだ年間ベストとかを書いていなかった頃ですし(書いていなかったんだっけ?よく分からない)。今回は順位を付けて、15位から下っていきます。

 10年前はサブスクとかなかった気がしますので、10年前っぽいやり方で各アルバムのAmazonへのリンクを貼っておきます。Amazonは嫌いになってしまって久しいけども。

 

続きを読む