ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

『Yankee Hotel Foxtrot』Wilco(ex-1 全曲歌詞翻訳)

 アルバム1枚分翻訳した歌詞を曲順に列挙しておきます。

 後で自分で見返す用でもあります。 訳し間違えとかあれば教えてもらえると大変助かります。

open.spotify.com

Yankee Hotel Foxtrot

Yankee Hotel Foxtrot

Yankee Hotel Foxtrot

Yankee Hotel Foxtrot

 

 元の英文の歌詞は、ここで読めます。おそらくこれが歌詞カードに正確なものです。

wilcoworld.net

 

 

1. I Am Trying to Break Your Heart

ぼくは水族館で酔っ払うアメリカ人、並木通りの暗殺者。

光輝く大都市に潜伏しよう。

きみから離れた時、ぼくは何を考えてたかな。

 

口下手な稲光のことなんか忘れてしまおう。

寄目がちの変態たちみたいに服を脱いでしまおう。

冗談じゃないんだ。笑うのはよしてくれ。

傷つきはしないとぼくが言った時、ぼくは何を考えてたかな。

 

夢を見てるあの茶色の瞳たちの間を滑走したいよ。

内からくる悩みに耐えて、ぼくを強く抱いて欲しい。

ぼくがずっと呑んだくれてたときみが言ってただろ。正解だったよ。

ぼくが「おやすみ」と言った時、ぼくは何を考えていたんだろうな。

 

暗澹たる聖書の夜明け前にきみを抱きしめたい。

きみは大した大人しいドミノだよ。今すぐぼくを葬ってくれ。

タッチダウンなんて信じないから、そのバンドエイドを剥いでくれ。

きみに「やあ」って声をかけた時、ぼくは何を考えていたんだったか。

 

きみを強く抱きしめたら、きみは常に昔みたいにぼくを愛してくれる、

そんな風なことをずっと思ってきた。

きっとぼくはそのまま眠って、そして大都市は光り輝き続けるだろう。

きみに戻ってきてもらった時、ぼくは何を考えていたんだろうね。

 

ぼくはきみのハートを壊そうとしている。

ぼくはきみのハートを壊そうとしている。

でもきっとまだ、簡単じゃ無いと言って、嘘をつくんだろうな。

ぼくはきみのハートを壊そうとしている。

 

使い捨てられる紙コップで酒をあおりながら、

ぼくは並木通りで暗殺者している。

光り輝く大都市に潜伏していよう。

きみから離れた時、ぼくは何を考えていたのかな。

 

(ぼくはきみを愛している人間なんだよ…)

 

2. Kamera

ぼくにはカメラが必要だ。ぼくが思うに、きっとそうだ。

きっと思い出すことだろう。

ぼくが隠し通してきた嘘がどんなだったか。

そこにどんなエコーが含まれてたか。

 

それがどんなに遠いか分かるべく、日々を数えてきた。

ぼくの心の中のエコーとともに、暗闇の中を彷徨っていた。

 

家族に電話する。そして電話越しに言うんだ。

「歩道で道に迷っちゃった。ああ、まともじゃないさ、畜生」

 

ぼくはカメラを壊してしまった。

どうしてそんなことしたのか知りたいよ。

ぼくが思うに、それで決まってしまったんだろう。

ぼくが隠し通してきた嘘がどんなだったか。

そこにどんなエコーが含まれてたか。

 

ぼくは心というものをすっかり当て込んでしまっている。

記憶が歪みきってしまうようなこの戦争を過ごしてくためにも。

 

家族に電話する。そして電話越しに言うんだ。

「歩道で道に迷ったぞ。ああ、まともじゃないよな、畜生」

 

ぼくは数えてきたんだ。

みんなどんなに遠いかまるで知らないんだ。

道に迷ってるって言おう。愛も正義も幸福もみんな暗闇の中だ。

道に迷ってるってことだろう。ぼくの中にエコーはあるけども。

道に迷ってるっていう感じだ、この感じは。

 

家族に電話する。そして電話越しに言うんだ。

「歩道で分からなくなったよ。ああ、まともじゃないさ、畜生」

「まともじゃないだろうな、畜生」

「まともが分からないな、畜生」

 

3. Radio Cure

ぼくに精気をおくれよ、ハニー。きみならできると祈ってるよ。

ぼくには何かしら問題があるんだ。

銀色の星たちがぼくの頭の中に渦巻いている。

ハニー、キス、綿毛の雲。

すっかり肩をすくめてしまう。

 

ぼくに精気をおくれよ、ハニー。きみならできるだろうよ。

ぼくには何かしら問題があるんだね。

ラジオの救いがぼくの頭の中に渦巻いている。

電気的で外科的に作用しそうな言葉たち。

 

林檎を取ってみせよう。

今まで見たことないものたちの王と王妃のために。

ああ、距離が2人の愛を浮かび上がらせるなんて、あるわけない。

 

ぼくに精気をおくれよ、ハニー。きみならできるって思うよ。

ぼくには何か問題があるね。

銀色の星たちがぼくの頭の中で渦巻いている。

ハニー、キス、綿毛の雲。

 

林檎を取ってみせよう。

今まで見たことないものたちの王と王妃のために。

ああ、距離が2人の愛を浮かび上がらせるなんて、あるわけない。

ああ、距離が2人の愛を浮かび上がらせるなんて、あるわけない。

ああ、距離が2人の愛を浮かび上がらせるなんて、あるわけない。

ああ、距離が2人の愛を浮かび上がらせるなんて、あるわけないよ。

 

ぼくに精気をおくれよ、ハニー。きみならできるだろうよ。

 

4. War on War

果てしなく戦争だ。

果てしなく戦争だ。

果てしなく戦争だ。

果てしなく戦争だ。

果てしなく戦争だ。

果てしなく戦争だ。

果てしなく戦争だ。

もうずっと戦争…。

きみは負けるだろう。負けないといけない。

どうやって死ぬかを学ばないといけない。

 

道筋というものを俯瞰で見てみよう。

道筋というものを俯瞰で見てみよう。

お前はぼくの伝記担当じゃない。

でも、お前はぼくにとってのデーモンにはなり得るんだよ。

炎上する扉をくぐらせて、ぼくを連れ出すんだろう。

お前は負けないといけない。

どうやって死ぬかを学ばないといけない。

もしお前が、これからも存在し続けたいと願うのならばね。

オーケー?

 

お前は負けないといけない。

お前は負けないといけない。

どうやって死ぬかを学ばないといけない。

もしお前が、これからも存在し続けたいと願うのならばね。

 

お前は死なないといけない。

お前は死なないといけない。

どうやって死ぬかを学ばないといけない。

もしお前が、これからも存在し続けたいと願うのならばね。

オーケー?

 

5. Jesus, etc.

ジーザス、泣かないで。

ぼくを頼っていいんだ、ハニー。

何でも都合よく考えを結んでくれていいんだ。

衛星みたいにぼくはそばにいよう。

星々の知識はきみの方が正確だった。

各々が沈みゆく太陽なんだ。

 

高層ビルが揺れて、口をつくのは悲しい悲しい歌ばかり。

きみの頬を伝ってくコードに合わせて、

苦いメロディーがきみの軌道を変えてしまう。

 

泣かないで、ぼくを頼っていいんだ、ハニー。

好きな時に訪ねてくれていいんだ。

衛星みたいにぼくはそばにいよう。

星々の知識はきみの方が正確だった。

各々が沈みゆく太陽なんだ。

 

高層ビルが揺れて、口をつくのは悲しい悲しい歌ばかり。

きみの頬を伝ってくコードに合わせて、

苦いメロディーがきみの軌道を変えてしまう。

 

すすり泣きの音が響く。

高層ビルがみんなゴミ山になっていく。

きみの声はヤニ臭くなる。きみの手には最後の煙草だけ。

きみの軌道を変えてしまうんだ。

 

ぼくたちの愛、ぼくたちの愛。

ぼくたちの間にあるのは、ぼくたちの愛だけ。

ぼくたちの愛、神様に捧げられるのはそれだけ。

各々が燃え盛る太陽なんだ。

 

高層ビルが揺れて、口をつくのは悲しい悲しい歌ばかり。

きみの頬を伝ってくコードに合わせて、

苦いメロディーがきみの軌道を変えてしまう。

 

すすり泣きの音が響く。

高層ビルがみんなゴミ山になっていく。

きみの声はヤニ臭くなる。きみの手には最後の煙草だけ。

きみの軌道を変えてしまう。

きみの手には最後の煙草だけ。きみの軌道を変えてしまう。

きみの手には最後の煙草だけ。きみの軌道を変えてしまう。

 

6. Ashes of American Flags

キャッシュマシーンは青色・緑色。

20ドル札を1束、それに若干の手数料。

3ドルと63セントで買えたのはダイエットコカコーラと煙草一箱。

誰も気に留めやしないのに、なんで詩人たちに耳を傾けるんだろう。

無残に熱にやられて哀れなこの機械は、自分に運が向けばと思ってる。

 

ぼくの数えきれない嘘は総て、いつだって望みなんだ。

そう、まっさらに戻れるならぼくは死んでもいい。

 

鼻が利くような人生を送りたい。

爽やかな風も明るい空も、ぼくが苦しみのたうつのを楽しんでる。

何も言えなくなったぼくは、鍵の無い鍵穴みたいだ。

明日の話をしても、そのとおりになったことなどあるか。

 

ぼくの数えきれない嘘は総て、いつだって望みなんだ。

そう、まっさらに戻れるならぼくは死んでもいい。

 

ドアのベルが鳴るたび、ぼくは跪いている。

自分が歌ってる時などは、歯痛みたいに震えている。

ぼくの数えきれない嘘は総て、単なる望みなんだ。

そう、まっさらに戻れるならぼくは死んでもいい。

 

敬礼しよう。

灰になったアメリカ国旗と、買い物袋一杯に溜まった落葉に。

 

7. Heavy Metal Drummer

ああ、あのヘビーメタルバンドたちが懐かしい。

夏が来るとステージを観に行ったりしていた。

あの娘はそのドラマーに恋をした。

あの娘はそのドラマーに恋をした。恋をしていた。

 

ギラギラしたズボンに脱色したブロンドヘアー。

夏の川辺にツインペダルのドラマー、という取り合わせ。

あの娘はそのドラマーに恋をした。

それから他の、また他の奴と恋をしていた。

 

ぼくも知ってるあの手の純粋さが愛おしい。

KISSのカバーをしてた。美しくてラリったんだった。

 

身体を自由にして踊り出したりする。

暖まった水っ気が吹き出しては芝生を揺らす。

面の皮を吹き飛ばすようなクラシカルな音楽が耳にこびりつく。

 

ああ、あのヘビーメタルバンドたちが懐かしい。

夏が来るとステージを観に行ったりしていた。

あの娘はそのドラマーに恋をした。

あの娘はそのドラマーに恋をした。恋をしていた。

 

ぼくも知ってるあの手の純粋さが愛おしい。

KISSのカバーをしてた。美しくてラリったんだった。

ぼくも知ってるあの手の純粋さが愛おしいんだ。

KISSのカバーをしてた。美しくてラリったんだった。

KISSのカバーをしてた。美しくてラリったんだった。

KISSのカバーをしてた。美しくてラリったんだった。

 

8. I'm the Man Who Loves You

ぼくは今、白と黒しか見えない。
白色・桃色で青い区切り線のあるページの上で
ぼくはどんな言葉を書けばいいか考えている。
これをきみに送ろうと思ってた。
きみへの手紙を書き始めたけども、
ぼくの願うままに感動的な内容になってるか不安だった。

でも、上手くいったら、ひたすらきみの手を握りたい。
そんなこときみは知ってるんだろ。
そしてきみは分かってくれる、
ぼくこそがきみを愛している人なんだってこと。

ぼくはひたすら、海のように途方もなく忙しないよ。
空回りする車輪、投げる石を探し彷徨う腕、
逃げるのに家に帰ってきてしまう脚…。
どうだっていいよな、とっくに分かってるさ。
どうだっていい、とっくに分かってるけども。

でも、上手くいったら、ひたすらきみの手を握りたい。
そんなこときみは知ってるんだろ。
そしてきみは分かってくれる、
ぼくこそがきみを愛している人なんだってこと。

 

ぼくは今、白と黒しか見えない。
白色・桃色で青い区切り線のあるページの上で
ぼくはどんな言葉を書けばいいか考えている。
これをきみに送ろうと思ってた。
きみへの手紙を書き始めたけども、
ぼくの願うままに感動的な内容になってるか不安だった。

でも、上手くいったら、ひたすらきみの手を握りたい。
そんなこときみは知ってるんだろ。
そしてきみは分かってくれる、
ぼくこそがきみを愛している人なんだってこと。
ぼくこそがきみを愛している人なんだってこと。
ぼくこそがきみを愛している人なんだってこと。
ぼくこそがきみを愛している人なんだってこと。
ぼくこそがきみを愛している人なんだってこと。

 

9. Pot Kettle Black

狂ってる奴はロケットに乗る。
魔法の杖を振って、きみのポケットは空っぽに、
言葉は曲に乗っからないまま散らばる。
本当の敵は自分自身だって気付いてるし、
ぼくに健康が戻ってくるといいんだけど。

 

眠そうな目を向けて、
ベイビー、自分の指を咥えてろよ。
ぼくのペンダントにきみを閉じ込めようか。
紐は決して揺らさない。
そんなのははっきり明らかになるよ。
きみは自分自身のことよく分かってないね。

 

ネクタイに結ばれて、でもぼくは絡め取られる気は無い。
みんなもうお互い様のことだろう。
どんな曲も終わってもまた流れたりするし、
どんな瞬間もちょっとの間に過去になっていく。

 

気だるげな機関車。
きみがどんな風に振る舞ったところで、
モチベーションも、帰るところも無いんだろ。
そんなのははっきり明らかになるよ。
きみは自分自身をよく分かってないね。

 

ネクタイに結ばれて、でもぼくは絡め取られる気は無い。
みんなもうお互い様のことだろう。
どんな曲も終わってもまた流れたりするし、
どんな瞬間もちょっとの間に過去になっていく。

 

どんな瞬間もちょっとの間に過去になっていく。
どんな瞬間もちょっとの間に過去になっていく。
どんな瞬間もちょっとの間に過去になっていくんだね。

 

ネクタイに結ばれて、でもぼくは絡め取られる気は無い。
みんなもうお互い様のことだろう。
ぼくは絡め取られる気は無い。
みんなお互い様のことだろうに、あーあー。

 

10. Poor Places

父さんの声が夢で響いて、消えていく。
朝に船乗りが陸に上がっていく夢。
階段を登りきった先の、エアコンの効いた部屋に向かって。

 

彼の顎は砕けてしまっていて、
彼の身体には包帯がきつく巻かれてる。
その牙は抜かれてしまってる。
そして本当に、ぼくは今夜、きみに会いたい。

 

バーボンの匂いが、きみが本当に愛してる歌手の口から臭い立つ。
彼はいろんな書籍から自分が歌にする言葉を引っ張ってきてる。
きみがどうあっても読まさそうな本から。


彼の顎は砕けてしまっていて、
彼の身体には包帯がきつく巻かれてる。
その牙は抜かれてしまってる。
そして本当に、ぼくは今夜、きみに会いたい。

 

だれかがぼくの裏庭で蝶ネクタイをしてる。
ぼくに親愛を示すために。
ぼくの声は苛立っていて、
煙草を片手に愛を求めて彷徨う。

 

ぼくの顎は壊れきってて、
心は凍りついている。
牙はすっかり抜かれてしまってる。
本当に今夜、きみと過ごしたいんだ。

 

そしてだれがありとあらゆる国でどんな風に泣いていようと、
ぼくには関係のないことだ。
貧しいところで今夜、何かが起こってたとしても、
ぼくはどこにも行かないよ。

 

だれかがありとあらゆる国で泣いていた。
だけどぼくには何の関わりもない。
貧しいところで今夜、何か起こっていたとしても、
ぼくはどこにも行かないんだ。

 

11. Reservations

どうやってきみに分かってもらおうか、
ぼくが嫌ってるのはあくまでぼく自身だってこと。
きみの視線を気にしていないんじゃない。
ぼくが距離を取ってしまったり嘘をついてしまったりするなら、
それはどんな時でも、愛のためだ。

 

選べないようなことにこの身を縛られている。
あっさり騙せるような感情にこの身を縛られている。
でも、きみとぼくを引き裂く程のことは何も無い。

 

ああ、ぼくの世界には不安ばかりがある。
でも、それはきみのことじゃない。

 

こんなの、きみが言って欲しいことと違うなんて分かってる。
嘘が美しさを生むなんていう酷い真実について、
どうすればうまい距離の取り方ができるんだろうね。

 

ああ、ぼくの世界には不安ばかりがある。
でも、それはきみのことじゃない。

きみのことでは決してない。

きみであるはずないよ。

 

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