ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

素敵な歌詞botで翻訳した気に入ってる曲part(14曲)

 細々とツイート内容を増やしてるこのbotの、翻訳したやつで気に入ってるものを取り上げるやつの4つ目の記事です。前回が割と1年前だったのでそれ以来となり、その時点で210曲程度の登録だったのが2022年末までに241曲になっています。あまり増えていない…。

 

ystmokzk.hatenablog.jp

 

 前の記事でも「1年でそんなに登録曲増えてない…」と嘆いていて、人間変わらないなってちょっと笑いました。

 

 

1. Rae Street / Courtney Barnett(2021年)

 

 「こうありたいな〜」って感じのナチュラルさ。もちろん、常にこんな感じに過ごせるものでも無いものだろうけども。あと、靴磨きってしたことないな…。

 

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2. I'll Never Marry / Daniel Johnston(1983年)

 

 そりゃ死んでる奴と結婚とかできんわなハハハ。

 短い曲だと1ツイート内に収まるから助かる。

 

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3. The Aeroplane Flies High / Smashing Pumpkins(1996年)

 

 曲名が長いと1ツイートに収めるのがなかなか難しくなるけどこの曲はどうにか収まるように超訳できたと思う。まあタイトル自体も括弧書き部分を端折ってる訳だけども。重い鉄っぽい音の感じとこのゴスな関係性の歌詞の相性がいい。

 

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4. Polly / Moses Sumney(2020年)

 

 「黒人はマッチョかセクシーな歌を歌う」みたいな思い込みがまだ抜けてないから、こういう内向的な独白を彼のようなアーティストが歌うと、同じようなのを白人やらが歌った時にスッと受け取るのと違う、不思議で歪なワンクッションが入ってしまう。これがなくならないといけないものだとは分かるけども。

 そういうのを極力除いたつもりで見てみれば、現状へのうんざり具合と抽象的で無責任で甘美な逃げ方への夢想の相剋具合がもうオルタナティブロックとかのそういうのとなんも変わらんものなっていう。静謐でフォーキーな曲でこういう歌詞って、やっぱこういうのいいなっていう。

 

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5. Spit on a Stranger / Pavement(1999年)

 

 一回以下の記事で歌詞全部を翻訳してるけど、それを無理矢理140字に詰め直してそれなりにいい纏まりで成立できたのが嬉しかったので選びました。すっげえ留保と、その上での悲観的な客観性と、その上でだからこそ築ける関係性みたいなの。普通に憧れちゃうこういうのには。

 

ystmokzk.hatenablog.jp

 

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6. Tripoli / Pinback(1999年)

 

 なんか上記の『Terror Twilight』の記事で1999年USインディーのコーナーを書いてたらにわかに1999年のUSインディーファンになってしまって、特によく聴いてたやつのうちの1つであるこのバンドのセルフタイトルのアルバムの冒頭曲。すっげえ心細くなるような音ですっげえ心細くなるようなこと歌ってて最高だなっていう。最初のアルバムの1曲目からいきなり“死”ってワードが出てくるとか最高にネクラで良い。しかしなんで曲名がこれなんだ?

 

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7. Sidewalk / Built To Spill(1999年)

 

 1999年のUSインディーににわかに熱中した結果その2。最高にブライトでキュートなギターロックで素晴らしいな。歌詞の微妙にねじくれたようなポップにシニカルなような具合も曲に対して良い塩梅だと思う。

 

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8. Summer Turns to High / R. E. M.(2001年)

 

 若さ弾ける夏!って感じとはまた違う、そして、感傷と淡い後悔と…的な“大人の”夏とも違う、なんか控えめなポジティブさで“大人の夏”してる感じがいい。「あったかもしれない可能性に患うことなんてない」って言えるの強いなっていう。まあ彼らもそうありたいと願ってるからこうやって歌詞にもするのかもだけども。後悔とか何とかを振り解けるのはやっぱ何かへの夢中・熱中なんだよな。

 

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9. Self Control / Frank Ocean(2016年)

 

 いくらそれが「金持ち家庭に生まれたボンボンで天才によるヤクまみれのもの」であっても、彼という非常に影響力があったであろう存在が積極的に自身の惨めさと妄想めいた甘美さとを取り違えまくるどうしようもない世界観の歌を連発したのは、間違いなくR&B界隈のSSW化にムチャクチャ貢献したろうなって思う。そしてそういうスタイルの歌に対して、アンビエントR&Bというものがここまでドンピシャな相性だというのは、本当に発明だったんだなと、2016年当時に全然理解していなかったことが、時代が進んできてやっとぼんくらな自分にも理解できてきた。

 それにしても恋人が他の人の元へ行って「自制は失われた」なくせに「きみたちの間で寝るから」とか言えるの、惨めにしても大変こんがらがっていて、実にユニークな惨めさだなって思った。「何もないさ」って絶対ウソだろ。

 

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10. Allison / Pixies(1990年)

 

 Pixiesの歌詞の幾つかは「こいつマジでバカやんけ〜!」って感じな妄想が繰り広げられていて最高。この曲とか尺も短いしおかげで1ツイートに歌詞全部収まったしなんか微妙に破滅的な光景とロマンチックさが交差してる気もするし、なんか、オルタナティブロックって別にこういうのでいいんだよ、って言われてるような気持ちにもなる。いや、こんな歌詞案外なかなか書けないが。

 

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11. (Sittin' on)the Dock of the Bay / Otis Redding(1968年)

 

 Otis Reddingは基本なんとなく暑苦しい感じがして苦手だけど、不幸な死の直前に出されたこの名曲は趣をガラッと変えて、海辺に虚しく佇む、穏やかで涼しげな光景の中に甘い悲しさが滲む、あっまさにこういう具合のやつをR&Bに求めてるかもしれん…って感じになる具合の良さを感じてる。それにしても、死去によるブーストはあっただろうけどそれにしても、こんな後ろ向きで虚無感に満ちた歌詞の歌が大ヒットするんだからなんか面白い。

 

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12. Cosmonauts / Fiona Apple(2020年)

 

 あのアルバムの中でもとりわけ“絶叫”しまくる、女性シンガーでここまでドスの効いた絶叫する人もそんなにいないんじゃないか、と思うような曲だけども、歌詞の方を読むと、そりゃ愛は重たいんだろうけども、しかし意外と可愛らしい表現にも見えるなって思った。「宇宙飛行士のつがいになる」ってなんか可愛らしいじゃないですか。さまざまな束縛から逃れた純粋な愛の地点、みたいな感じで。しかしながらこの曲はやっぱ、絶叫だけども。

 

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13. Lightworks / Atlas Sound(2011年)

 

 4AD特集の記事を書いてる中でも翻訳は色々とやってて、一応そういうところからbotに引っ張ってきたやつはなるべく選ばないようにしてるけども、この曲は記事では書いてなかったので。アルバムの最後にあってこんな妙に前向きというか、“光”について歌うような歌詞を書いて、やっぱ『Parallax』はBradford Coxの物語の“一旦の”終着点みたいなとこある作品なんだなと。しかしながら『Monomania』でまた気がおかしくなりそうなくらいに拗れまくるし、『Fading Frontire』で今度こそ何かしらケリをつけた感じになっているけども。

 

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 『Living My Life』の歌詞も大変良くてそっちも載せたかったけど、まあ普通にすでに書いてる記事の中で訳載せたし。

 

 

14. Stairs / Yellow Magic Orchestra(1981年)

 

 今朝、高橋幸宏の死去の報を見て、「ついに…」という気持ちと「まさか…」という気持ちとが両方湧いてきた。本当に本当に失礼なことを言えば、YMOで彼が最初に死ぬとはなかなか思えなかった。

 3人の中でとりわけ柔和なスタンスで、フットワーク軽めでコラボも多かった人で、そういうことがなんか、彼を「案外死なないでいてくれ続ける人」だとか思わせてたんだろうか。なんだか悲しいとかよりも、死んだっていう事実がいまいちしっくりこなくて、変な心持ちになっている。

 でも、死んだのは死んだに間違いないんから、ここに追悼させていただきます。彼の曲で一番好きなやつを、ちょうど英語詩だったので翻訳した。安らかに…。

 

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 以上、今回は14曲になりました。

 なんだか全体的に歌詞のチョイスが暗いのは前からだけども、今回はやむを得ない事情からまた少し別の意味合いで暗くなったかもしれません。

 でも、ライブは観れなくなるけど、新しい曲とか声とか聴けなくなるけど、でも音楽だったらちゃんと録音物というものは残るんだよな、と。それはとても救われる話だと勝手に思っています。

 また1年後くらいにbotの歌詞が溜まったら同じように書くと思います。

 それではまた。