ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

【随時更新】辞典

随時更新する辞典です。思いつきで随時更新されます(します)。

こういうの続けられないからなー自分。頑張ろう…。

(最終更新:2018.10.8 21:56)

新着更新項目:インディーロック、カップまぜそば、新東名自動車道、ソニカハンターハンターをネカフェで読み返す行為、ブラックアウト、フォネティックコード

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『REBROADCAST』the pillows

REBROADCAST 通常盤

REBROADCAST 通常盤

 

www.youtube.comthe pillowsの今回の新譜がとても素晴らしい。

自分はthe pillowsの傑作として『Please Mr.Lostman*1『HAPPY BIVOUAC』*2『Thank you, my twilight』*3『トライアル』*4といったアルバムを挙げるけど、今作はそれらと同等の非常に高いレベルの何かを感じれてグッと来るので、何がいいのか見ていきましょう。

 

*1:収録シングルのクオリティが高すぎるし、結果的にこのアルバムっぽい作風ってこのアルバムにしかないし、意外とそういう点で貴重なアルバムと思う

*2:「(元の言葉の意味どおりでなく、スタイルとしての90年代オルタナを想定した上での)オルタナティブロックとはどういうものですか?」という問いにスパッと答えられるアルバムのひとつだと思います

*3:このアルバムの結構思い切った録音方針(ギターを真鍋さんが全部録音する、シンセを多用する、とか)がかなり好きだったので、近年のフリクリ再録の際にさわお氏本人から「特に『Thank you〜』の頃の作品はスケジュール等の都合もあって満足な録音じゃなかったから、今回再録できて嬉しい」みたいなことを言ってたのはなんか、本人的にはそうかもだけど、ちょっと寂しかった

*4:これが出たときも今回と同じくらい衝撃が大きかった。最近では「the pillowsの歴史上でもとりわけダークで、そして山中ソロ的なエモーショナル度合いの高いアルバム」という位置づけになっている模様

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ヘヴィ・メタリックな音たち、ヘヴィ・メタリックなアルバムたち

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 確かに音楽ジャンルとしての「ヘヴィメタル」はあります。けれども同時に「メタリックな音」と呼ばれるタイプのサウンドというものもありますね。「メタル」つまり「金属質」ということで、どっちの意味でもおそらくは「メタリックである」ということではあるのだと思うのですが、ある種の様式美としてのジャンルの「ヘヴィメタル」とは異なる方の、いわゆる「エレキギターの鉄の弦の響きがそのまま硬質な音として現前している」的なサウンドというものはどういう感じなのか。

 今回はそういうのの整理をします。アコギとかピアノとか、そんな軟弱なものは必要ない*1という強い意志でもって最後まで駆け抜けていきたいですね。

 なお今回は筆者の独断と偏見に満ちた「メタリックな」アルバム*2についての言及をもって「メタリックな音」の解説に代えさせていただきますので、どういうのがメタリックな音か、どうすれば出せるか、といった話はありません。

 

*1:「トップ画像のメロトロンはなんなんだ」というツッコミ待ち

*2:例によってメジャーどころばかりだと思います。浅い…

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“ローファイ”とは結局なんなんだ

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Lo-FiLow-FidelityLo-Fi music)とは、音楽レコーディングの際の録音状態、録音技巧の一つで、極端に高音質なものではない録音環境を志向する価値観。転じて、そうした要素を持った音楽自体を表す言葉。対義語はHi-Fi

             —Wikipedia『Lo-Fi』より

  なのだそうだ。

 なのだそうだけれども、どうしてだろう、ある程度インディロックに浸かってしまった私や貴方のような人間が、この定義をそのままそのものとして受け止めて首肯することが、果たしてできますでしょうか…。

 今回は、「ローファイ」なる、本来は音響学的な概念でしかなかったはずのこの単語が、なんだか成り行き等によってどんな意味を持ち合わせるようになってしまったかを整理して、そしてその結果どんな作品が「ローファイ」に含まれるようになってしまったか、まで書いてみようと思います。

  • 大体こいつらのせい —Pavementというバンド
  • ふたつの“ローファイ”の混在
  • 音質的ローファイの系統 ー宅録ライクさを中心に
  • 感傷的ローファイ ーセピア色な音世界に着目して
  • ゼロ年代USインディ的ローファイ ーガレージ+リバーブ
  • 王道ローファイをアレする系 ーS.Mの祝福、或いは呪い?

 

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ギターロック10選(後編)

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(前編・後編ともにトップ画像のギターがジャズマスターなのは仕様です)

 後編です。10選のうち6〜10番目。正直ギターロックとオルタナティブロックと何が違うのか分からなくなってくるラインナップだと書いてて思いました…。せめてシンセとかが入って無い曲だけでリスト組もうとも思ってたけどキュアー入れちゃったし。

 考えていけばいくほど、ここで言ってるギターロックという枠組みは、現代においてとても不自由な形態のように思えます。幾分か分厚い歪みのギターを鳴らせることを条件に、シンセ・シーケンサー、キーボードなしの演奏をしないといけない。かといってハードロック・ヘヴィメタルの方に行ってもいけない。マッチョさを感じさせず、どことなくナード的な風味を残し、かつ使用できる楽器がベース・ドラムと、そしてもう何十年もサウンドが研究・開発されすぎて、新しい奏法や音が出せる気がしない、ギターとかいう楽器。評論家にバカにされ、音楽家にバカにされ。そもそもが、トラックメーカーがPC1台でできることを、4人前後集まってやっとでしか演奏することができない、音の自由度でもトラックメーカーに全く及ぶことのできない、バンドとかいう不自由・不合理の塊。

 でもですね、現代の自由で刺激的なR&Bやヒップホップの世界観でしか描けない風景があるのと同じくらいには、ギターロックでないと現せないような風景だってあるんだということは言いたい。たとえ「インディロックがブルジョアな青年男女の慰みものに堕してしまった」という言説がある程度事実であるとしても、この形式でしか、この制約でしか出せない音はあるんだと思います。すっかり言葉どおりのオルタナティブさが失われてしまったかもしれない“オルタナティブロック”も、そういう音や、そういう演奏をしているところが好きであれば、それはもう、トラックメーカーがどれだけ合理的で現代的で先進的であっても、それは仕方がないこと。

 年老いたロマンだとか、視野狭窄だとか、感性が貧しいとか、貶す言葉は自分の被害妄想体質からか幾らでも絞り出せるけれども、それでも好きならば仕方がない。ヒロトマーシー的な「最初にギターをジャーンと鳴らしたときが人生の絶頂」という感覚をそのままファズ・ディストーションに浸して、どこまでも阿呆のように、何か新鮮さを求めながらもやや退屈げに、ブルースにドライブしていけばいいんだと思います。

 

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ギターロック10選(前編)

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 そもそもギターロックとは何ぞや。検索してもWikipediaの記事すら出てこない。大体ロックという音楽はギターを使うのが普通なんだからロックは概ねギターロックなんじゃないのか。それにギターロックが創造的だった時代なんてとうに終わってしまって今やR&Bやヒップホップの方が刺激的で云々・・・。

 上記のあれこれ全てどうでもいいので、ひとまず自分がこれはギターロックだなあ、いいギターロックだなあと思うものを10曲、選んでみましょう。選んでいるうちに、とりわけ“ギターロック”というタグを付けたくなる音楽が、そうではない音楽と具体的にどう違うのか、なんとなく見えてくるかもしれない。その差異の向こうの何らかの情緒が、規律が、衝動性が、きっとギターロックという概念のフォルムなのでしょう。

 正直なところ、隠れた名曲なんて1曲たりとも出てこない、実にありきたりな、逆に言えば王道を突っ走らんとする選曲を前半と後半で合計10曲、年代順に列挙していきます。

 

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SONIC MANIAで観たMy Bloody Valentineがすごかったこと

 今年はサマソニ本編には行かず前夜祭のはずのSONIC MANIAだけ行きました。メンツがずりーよ。

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 鹿児島から幕張メッセまで車で行ったのですが、それはまた別の機会に話すとして、ともかくこのときに観たマイブラが、ちょっと想定してたのとは全然違う感じに、とてもとてもかっこ良かったので、それについて書いておこうと思ったものです。

 

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