ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

2019年の年間ベストアルバム30枚(part1 30→16)

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 年間ベストです。こうやってジャケットをコラした画像をサムネにした方がパッと分かる感じがするのは利点ですね。逆に、一目見てネタバレしてしまうわけですけど。

 令和になってめでたいことはそれほど多くなく、悲惨なことばかりが堰を切ったように怒涛の勢いで巻き起こる、頭の痛くなりすぎるような一年でしたが、なんとか生き延びた感じなので、そんななんとなく生き延びた中で聴いて作ったリストです。2回に分けてやっていきます。今回は前半、30位から16位まで。順位はどんくらいちゃんとしてるか不明ですが。

 

(追記)昨年となる2018年の年間ベストを貼っておきます。

ystmokzk.hatenablog.jp

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2010年代のロック音楽(15枚、及びそれを取り巻く状況とか)

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 はっきり言ってこんな画像をキャプションにしたくないけども、でも確実に、2010年代において様々なものに確実に多大な影響を与えてしまったものはこの大統領を置いて他に無いと思われ。それこそ2000年代のNYのテロと同じくらいの存在感があるかもしれない。

 最初はやはりツイッターで見かけた「#2010年代ベストアルバム」なるタグの名前に引っ掛けてこの記事を書こうと思ったのですが、しかし自分が選ぶと、時代の潮流とかそんなの関係なしに選ぶと、バンド音楽ばかりになってしまったので、なのでそれを「音楽全て」の中から選んだんだ、とするとなんか恥ずかしい気がしたので、この表題に変えました。ちなみに邦楽は前の記事でやったので選盤から除きました。

 で、15枚を選んで思ったのが「みんな白人だな」ということ。ロックという音楽は2010年代においてUSインディーのブームが収束していくとともにどんどんシーンの中で存在感を失った、もう出来ることが無くなってしまって、R&Bとかの方がより刺激的な音楽であるしシーンも席巻している、という状況になりました。それで強く思うのが、ロックというバンド音楽ってどうしてこんなに白人しかやってないような状況なんだろう、ということ。ジャズとかを見ればむしろ黒人の活躍がどんどんと出てきている状況において、ロックって本当に白人の音楽だなと。それで、世間的には2010年代特に中頃くらいから、ポリティカルコレクトネスとかブラック・ライヴズ・マターとかの運動があって、世の中は多様性を大切にすること、マイノリティを尊重すること等の重要性がより広がっていきました。それは音楽においても、もっと多様性を、となれば、白人しかやっていないロック音楽がメインストリームであり続けることなんて出来るはずが無いなと。

 それで不安になるのが、自分はどうもR&Bとかヒップホップとかジャズとかよりも、いわゆるロックというものによりずっと愛着がある訳ですけど、そういう趣向自体が、白人中心主義的で、現代ではあってはいけない趣向なんじゃ無いかということ。この悩みというか不安というか、問いについてはおそらく特に2016年以降ずっと頭の中でぐるぐるしていたような気がします。あくまで、日本国内がどうか、ではなく自分の問題として。自分はナチュラルに差別主義者なんじゃないかと、頭の隅でずっと違和感が蠢いていたような。

 しかしながら、そういうのをずっと考えることにいささか疲れました。なので、以下は上記の悩ましげな問題など全然無視して、自分の楽器のサウンドの趣向とか曲の感じとかの趣味全開で、15枚をライトに選んでいきます。前の邦楽の記事と同じく年代順です。

 

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#2010年代ベストJポップアルバム(10枚、のうち9枚)

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 ツイッターで表題のタグを見つけて、1枚選んで投稿したのですが、なんかそれだけじゃ足りない感じがしたのであと9枚選んで10枚にしました。「そうか、2010年代もうすぐ終わるんだ…」的な実感や感慨には正直乏しいのですが、そういう期限を切って10枚選ぶのは自分の趣向を見つめなおすのにいいかなと(あと備忘録として)。

 年代順で並べていきます。今までのぼくの年間ベストではランクが高くなかったやつとか入ってないやつとかありますけど人間変わってしまうので…。ツイッターに自分の1枚として投稿したやつは別に記事にします。東京インディーのやつでずっと放置状態になってる1位のやつと一緒ですけども。あと「Jポップ」という単語のイメージからすると外れる気がするものが多いですけど、まあでもタグ見てたらみんな「邦楽」くらいのゆるい受け止め方だったので…。あと、他の企画記事と選盤の被りが多すぎるので、それぞれについての文章は短めに書きます。

 それにしても、「震災で始まった混沌と不安と失望と虚無の2010年」という印象だったですけど、“2010年代”という括りだと2010年も入ってしまうのか…という、しまったな…的な感覚があります。

 

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『空の飛び方』スピッツ(リリース:1994年9月)

空の飛び方

空の飛び方

 

open.spotify.com

 今回はスピッツが『ロビンソン』で大ヒットする直前のアルバムにして、実質タイトルトラックの『空も飛べるはず』のリバイバルヒットによって多くのリスナーに聴かれるようにもなった、通算5枚目のフルアルバム『空の飛び方』の全曲レビューです。

 前作『Crispy!』がはじめてプロデューサーを迎え、売れるための気合を入れて製作したにも関わらずチャートに入らなかった、しかしながら収録曲のひとつである『君が思い出になる前に』をシングルとしてリカットしたところようやく初のヒットとなり、それを受けて今後どうなるか、という状況でした。そこからシングル『空も飛べるはず』『青い車』がスマッシュヒットし、そしてこのアルバムに至ります。ブレイクとまではいかなくても発売当初チャートで14位まで上昇したと言うことで、お茶の間ブレイク直前まで来ていたとも思えます。

 それで、そんな作品の内容はどんな感じか。詳しくはこの後の各曲レビューやあとがきに書きますけど、大まかには「大ヒット以降の典型的なスピッツの感じ」がこの時点で相当完成してると言えそう。その上で、まだ初期スピッツと連続しているように感じられる部分が残ってたり、むしろそういう性質が大ヒット以降っぽい質感の下で妖しく蠢いていたりと、そういった部分が今作の魅力なのかなと思います。個人的には『フェイクファー』までと思っている“中期スピッツ”という概念における、ひとつの達成でありつつも過渡期というか。

 なお、今作からジャケット写真を女性にするのがスピッツのアルバムの定番になっていきます。これは『ハヤブサ』『小さな生き物』といった例外がありつつも、今年の『見っけ』に到るまで続いています。

 では本編に。

  • 1. たまご(3:28)
  • 2. スパイダー(3:47)
  • 3. 空も飛べるはず(Album Version)(4:31)
  • 4. 迷子の兵隊(4:31)
  • 5. 恋は夕暮れ(5:01)
  • 6. 不死身のヴィーナス(3:24)
  • 7. ラズベリー(4:42)
  • 8. ヘチマの花(3:06)
  • 9. ベイビーフェイス(Album Version)(4:12)
  • 10. 青い車(Album Version)(4:41)
  • 11. サンシャイン(5:25)
  • 総評

  

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初期スピッツについて(8つのテーマで)

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 祝・スピッツの(ほぼ)全スタジオ音源サブスク解禁!*1

 この機会にこのブログのスピッツ全曲レビューも前進すればいいんですが…その代わりというわけではありませんが、今までに書いてきた時期のスピッツ、所謂“初期スピッツ”という概念について、今一度まとめておきたいなとずっと思っていたので、今回はそれをしようと思います。

 方法としては、筆者が勝手に決めた8つのテーマに沿って3曲ずつ初期スピッツの楽曲を改めて取り上げて、何か所感とかを書くなかで「ああ確かに初期スピッツってそういうことかもしれない」みたいな何か取り回しのいいものが見つかればいいな…というものです。こういう手法なので、すでに書いてる内容とかなり重複する部分があります。

 なお、この記事で貼り付ける各楽曲のリンクは全てSpotifyのリンクです。あしからず。また、ここで規定する“初期スピッツ”はメジャーデビュー後〜アルバム『惑星のかけら』までとさせていただきます。*2

*1:一部カップリング曲や初回盤特典の楽曲などは今回漏れています。『エスペランザ』とか。あとインディー時代の音源とかもまあ無いですね。

*2:インディー時代は『ヒバリのこころ』くらいは加えても良かったかもですが今回サブスク化から漏れてるし。

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セルフタイトルのアルバム10枚

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 世間の一部で割と定説のように言われる「セルフタイトルのアルバムは名盤」というの、時々それ本当かなーと思ってしまうんですけども、でもまあ、自身のアーティスト名をそのまま作品にしてしまうってのは、作った作品集に対して何か気の利いた他のタイトルを付けるよりも、自身の名前をそのまま付けたくなってしまっている訳で、それってその人たちにとってどんな気持ちで付けるんでしょうね。想像もつかないな。

 という訳で、セルフタイトルのアルバムを10枚、「もしかしたらこういう気持ちからセルフタイトルにしてみたりしたのかもなあ」なんてことを書いたりしながら並べていきます。

 ただ、なんとなくですが「1stアルバムでセルフタイトル」というアルバムが世間にはかなり多くて、実際「セルフタイトルの1stアルバムが最高傑作」みたいなこともあるんですけれども、でもそれよりも「アーティストが活動を続けて満を持して出すセルフタイトル」というのに格好よさを感じたので、1stアルバム系のセルフタイトルは外しています。The Stone Rosesとか外したくなかったけど外した。。あと、番号をつけてセルフタイトルを連発していく系の作品も外してます。ツェペリンとかZAZEN BOYSとかそういうの。

 あと、年代は現在に近いものから逆順に下っていきます。

 

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The Beatlesの曲タイトルだけをサビ等で連呼する曲 10曲+10曲

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 前回と前々回の弊ブログ記事で「曲タイトルだけをサビ等で連呼する曲」を50曲探してきて色々と見ていきました。

ystmokzk.hatenablog.jp

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 それで、part1の第1曲目はビートルズだった訳ですが、part2を描いてる途中に気づいたんですが、ビートルズって実はこのパターンの曲が相当多くない?っていう。それで選曲してみたら、完全にタイトルだけを歌ってる曲で10曲、完全じゃないけどやっぱひたすら曲タイトルを連呼しまくってる曲で10曲を選曲することができたので、前者を1軍、後者を2軍(?)として、今から見ていこうと思うものです。様々なキャッチーさを生み出してきたと言っても過言ではないビートルズの、これらのパターンの曲を見ていって果たして何が浮かび上がって来るのか。ひとまず見ていきます。年代が早いものから順番に行きます。

  • 2軍(完全にタイトルだけではないがタイトル連呼が目立つ)
  • 1軍(サビ等が完全にタイトル連呼のみで構築されてる)
  • 終わりに

 

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曲タイトルだけをサビ等で連呼する曲 50曲 part2

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 前回の記事からのパート2です。

ystmokzk.hatenablog.jp

 part2では2000年代から先の曲を取り扱います。それにしても1960年代〜1990年代までの30年で28曲で、残り22曲が2000年〜2019年の20年間というのは、なんかここ20年に比重がやや偏ってる気がしますね。

 part1から引き続き曲数を数えることができるよう、part2は全50曲中の29曲目から始まります。part1からの連番ということです。よろしくお願いします。

 

  • 2000年代 11曲
  • 2010年代 11曲
  • 終わりに

 

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曲タイトルだけをサビ等で連呼する曲 50曲  part1

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 曲のタイトルを歌詞にどう登場させるか、又は歌詞のどの部分から曲のタイトルをつけるか、あるいは歌詞と全然関係ないタイトルにするか、というのは歌のある曲を作曲するにあたって割とどれかを考えないといけなくなることです。
 そんな中で、曲のタイトルを歌の中でキャッチーなフックとして使う手法があります。個人的には、曲タイトルを連呼しながら他の言葉をくっつけていく作詞は歌詞カードとして読んだ時にちょっと微妙な感じを受けたりもしますが、しかし曲タイトルだけを連呼、となると話は別。歌詞カードには少なくない場合、サビの行とかに曲タイトルの一行だけが並び、その佇まいの潔さは時にクールに感じられます。
 今回はそんな「曲タイトルだけをサビ等で連呼する曲」を50曲集めて、どんな感じなのか、どう有効な感じになってるかを観ていきたいという試みです。段々年代が新しくなっていきます。邦楽も途中から混じります。投稿時間の都合で一度に書ききれなかったので記事を2分割して、このpart1では1960年代〜1990年代までを扱います。

  • はじめに・ルール説明
  • 1960年代 4曲
  • 1970年代 10曲
  • 1980年代 8曲
  • 1990年代 6曲

 

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【お知らせ】“素敵な歌詞bot”なるものを作りました

 私事ですが、こういうものを作りました。

 

 このブログで歌詞について言及したやつからもいくつか選出してたりしなかったりしてます。今のところ1アーティストにつき1ツイートしか枠を用意していないので、その分厳選したつもりではあります。

 しかし、歌詞の一部だけツイートで流れてきても、大してグッとこないなあとも思ったりするので、やっぱり音楽って言葉を伝える上で大事だなあ、とか思いました。それでもなるべくめげずに、コンスタントに好きなフレーズとかを追加していければと思います。

 もし万に一つこのbotのツイートでなんか言葉遣いとかいいなと思って曲を聴いてそれでそのアーティストが好きになるきっかけとかにでもなれればせめて幸いです。

 あと、どうしてもそのまま引用するだけでいい邦楽に偏ってしまいます…洋楽の方も、いいフレーズだと思ったら積極的に載せたい気持ちはあるんですけども。