ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

My Bloody Valentineの(サブスクにある)全作品:後編

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 以下記事からの続きが今からのこの記事の内容になります。前回はEP『Glider』まででした。

ystmokzk.hatenablog.jp

 あと1枚のEPと2枚のアルバムだけで終わるのですが、2枚のアルバムがまあ非常にヘヴィーなので…。

  • 『Tremolo』(EP, 1991年2月)
  • Loveless』(LP, 1991年11月)
  • ”失われた時代”?両アルバム間期のマイブラ
    • My Bloody Valentine名義のリリース
    • Kevin Shields”としての活動
      • ・作曲者として
      • ・演奏者・編曲者として
      • ・リミキサーとして
  • 『m b v』(LP, 2013年2月)
  • その後のマイブラ 〜サブスクは成ったが〜
  • 終わりに

 

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My Bloody Valentineの(サブスクにある)全作品:前編

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 やはり最近サブスクが”再”解禁されて嬉しいところな、シューゲイザーという一大ジャンルのオリジネイターにして伝説なバンドMy Bloody Valentine。早速プレイリストを作って楽しんだりして、久々に聴き返すと色々また気付くしそれに楽しい美しい。。

 よく考えると今回解禁された音源はアルバム4枚だけで、仮にも歴史の長いバンドとしては多くない作品数だけど、1枚はEPとかをかき集めたコンピレーションなので、それぞれを見ていけばアルバム3枚+EP4枚でそこそこの分量になるので、今回こうやって「サブスクにある限りの」全作品を見ていきます。一応「前史」や「長い沈黙期間」などにもある程度触れる形で書こうと思います。

 しかし、書いてて段々、作品評というよりも全曲レビューに近くなってきたので、記事を前編と後編に分けることにしました。今回は前史〜EP『Glider』までです。

 それにしても、隠者っぷりといいウォールオブサウンド的要素といい、妙なところでこの前まで書いてた大瀧詠一と被る…。

 

  • 前史:”覚醒前”のマイブラ
  • 『You Made Me Realize』(EP, 1988年8月)
  • 『Feed Me With Your Kiss』(EP, 1988年10月)
  • 『Isn't Anything』(LP, 1988年11月)
  • 『Glider』(EP, 1990年4月)
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『君は天然色』大瀧詠一

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 先日投稿した以下の記事で、その1曲目になるこの曲が、あまりに書くことが多すぎたので、この曲単体で記事にすることで後回しにしました。

ystmokzk.hatenablog.jp

 

今見ていただいてるこれが、その記事です。

 『A LONG VACATION』というアルバム全体よりもむしろ、その先頭に配置された、この一世一代の大名曲について正面切って何か書くということの方に、より強いプレッシャーを感じます。果たして。あくまで、個人の感想として読んでください。

www.youtube.com

  • 1. 楽曲の概要
  • 2.素晴らしい箇所
    • 2-1. イントロ
    • 2-2. Aメロ〜Bメロ(全部Aメロ?)
      • 2-2-1. Aメロ
      • 2-2-2. Bメロ
    • 2-3. サビ
    • 2-4. その他の演奏
    • 2-5. 歌詞
  • 3. 個人的な見立て:AOR視点での『Pet Sounds』として
  • 終わりに

 

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大瀧詠一の20曲(+1曲)

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 3月は期せずして弊ブログの大瀧詠一強化月間となりました。これはロンバケ40周年記念だからではなく、長年叶わなかった大瀧詠一作品のサブスク解禁によるものです。 これまで弊ブログでは、数々のテーマ別記事の作成の際、どうしてもサブスク上でプレイリストを作成しそれを参照しながら書く、というスタイルの都合上、サブスク解禁されていなかった大瀧詠一の作品に触れることがし辛かったところでしたが、その状況が今回の解禁で大きく変わってくるので、個人的なことですがそれもまた、とても嬉しいことになります。

 手始めに、ぼくの方で作ったSpotify大瀧詠一プレイリストを参照しながら、彼の20曲+1曲について見ていくという、いつものノリのこの記事をもって、弊ブログの大瀧詠一強化月間を締めたいと思います*1

 ということで、以下がその曲目となるプレイリストです。 

*1:もっと時間と気力に余裕があれば、『EACH TIME』の全曲レビューも書いてたかもしれません。

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『NIAGARA CALENDAR』大瀧詠一

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 前の記事に追記した予告どおり、大瀧詠一のこのアルバムを全曲レビューしていきます。それにしても本当にすごいこう、幸せなアルバムだ…リアルタイムではむしろ不幸な作品なのに、事実とか予備知識とか除いて聴いてると、これほど”大瀧詠一”で溢れかえっているアルバムも無いのではないかしら、とか思ってしまいます。とりわけロンバケ以降の”プロフェッショナル大瀧詠一”に対する1970年代の”アマチュア大瀧詠一”の、そのアマチュアさを楽しむ視点では、また様々な面白さが立ち上がってきます。

 はっぴいえんど界隈の全作品集めた中でも、多分これが一番好きです。

 サブスク解禁前夜の投稿になります。サブスク解禁したら以下にリンクを後で追記すると思います。

ナイアガラ・カレンダー 30th Anniversary Edition

ナイアガラ・カレンダー 30th Anniversary Edition

  • アーティスト:大滝詠一
  • 発売日: 2008/03/19
  • メディア: CD
 

 

(2021年3月21日追記)

 サブスク来ましたね。

 しかも『'78』も『'81』も両方とも。これは嬉しい誤算。

 

(2022年9月7日追記)

 なんかどなたかがtwitterでこの記事を褒めていただいたので嬉しくなって読み返して色々とレイアウトや形式の調整・そしてそこそこの量の加筆をしました。いくつかの流石にしょうもなすぎる曲を除いてそれぞれの曲の好きな歌詞の一説を加えてみたり。

 

 

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大瀧詠一の全オリジナルアルバム(7枚)

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 大瀧詠一のナイアガラレーベルからの全楽曲が2021年3月21日からサブスクでリリースされます。ようやく、ようやくされます。ロンバケ40周年だけリリースされてサブスク来なかったらどうしようかと思ってたけど遂に!

 

 というわけで、今回はそんな大瀧詠一のオリジナルアルバム(と呼べそうな作品)を、サブスク解禁となる前に全部ざっくりとレビューしておこうという記事です*1

 ”全作品”と書くとすごく多そうですが、彼は意外と”オリジナルアルバム”という括りで見るとそれほど手に負えないほどの枚数を出しているわけではなく、今回のカウントとしては7枚になります。この7枚だけでは、彼の広範なディスコグラフィーの全てを満足に網羅することはできず、むしろ彼についてはCMソングだとか他者への楽曲提供とかそういったものも重要性が非常に高いですし、2枚の『NIAGARA TRIANGLE』のアルバムも純粋な彼のソロでは無いので今回扱いませんし、また1990年代以降は自身の作品としてはシングルしかリリースしていないので、それらも取り扱う範囲から除かれます。

 今回取り扱わないうちの特に重要な曲については、彼の死後にリリースされたベスト盤『Best Always』だとかセルフカバー集『DEBUT AGAIN』辺りが纏まって拾いやすく、良いかと思います。

Best Always

Best Always

  • アーティスト:大滝詠一
  • 発売日: 2014/12/03
  • メディア: CD
 
DEBUT AGAIN

DEBUT AGAIN

  • アーティスト:大滝詠一
  • 発売日: 2016/03/21
  • メディア: CD
 

 

では早々に本編に入ります。

 

(2021年3月17日追記)

 この記事を投稿した後、非常に多数の方々にこの記事を見ていただき(非常に恐縮です…)、書いた後の熱も冷めやらぬまま、さらに追加で色々調べてたらまたどんどん書きたいことが湧いてきたので、この字の色で追記させていただきます*2

 Twitterにも書いたけど、こういう追記に対しての「1度世に責任を持って出したものに後から手を加えに加えて出し直すのは歴史修正的な感じがしていかがなものか」という起こり得るご批判については、「そういうことを度重なる自作の再発のたびに何度も何度もリミックス等で行ってきた日本でも随一の人物こそが大瀧詠一さんなんですけど」というミラクルな回答が可能なため、この見苦しくも思える追記行為についてはむしろ爽やかさすら感じます。

 また、注釈も後から色々追加してますが。こちらは文字色が反映できないので、いつ追加したかを記載しておきます。

 願わくば、これらの追記でかえってこの記事がより読み辛さを増すのを極力抑えられれば、というところ。すでに割とシンプルだった前書きがこんなに肥大化してては望むべくも無いかもしれませんけど…。

 

(2021年3月21日追記)

 サブスク来ました!しかし解禁来なかったものも残念ながらありますね…。各アルバムの箇所に可能な限りSpotifyリンクを追記しました。

 

(2021年4月23日追記)

 サブスク追加来ました…!こんな早くにそんなのありかよ…!という驚きの展開。しかし素晴らしいです。

amass.jp

 

(2022年3月17日追記)

 ようやくファーストがサブスク解禁されるようです。大瀧詠一の誕生日に合わせて解禁予定とのこと。

natalie.mu

 

(2023年4月追記)

 『LET'S ONDO AGAIN』もサブスク追加されました(1曲のみ欠落あり)。これで一応この記事にあるアルバム7枚ともサブスクで自由に聴けるようになりました。

 

 

*1:2021年3月18日追記:2020年に音楽家50周年記念の”オリジナルアルバム”として『Happy Ending』というアルバムがリリースされていましたが、中身を聴いた感じこれは流石にオリジナル扱いは厳しいな…と思われたので除外します。

*2:2021年3月17日追記:ペパーミント・ブルーってこんな色でしょうかね。

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『macbookpromid2012』セルフライナー

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 前回のサブスクにない音楽の記事でこのブログを読まれるようになった方々にとってはアレかもしれませんが、ぼくは宅録を細々とやっていて、このたび、2021年3月5日にアルバム『macbookpromid2012』をBandcampにてリリースしました。フリーダウンロードになります。

 

 今回はこちらのセルフライナーノーツというかセルフレビューというか、そういうものを書きます。

  • アルバムの経緯
  • 収録曲
    • 1. ロウライフ・スロウライフ(5:46)
    • 2. シェディーレーン・シャーベット(4:10)
    • 3. バターフィールド(4:17)
    • 4. 眠たくなったら(3:01)
    • 5. ヘリポート(3:00)
    • 6. めくらましメランコリア(4:05)
    • 7. そのまどろみを信じるならば(3:53)
    • 8. くれない埠頭(7:24)
    • 9. ロックンロール(4:16)
    • 10. バニーガール・レプリカント(3:02)
    • 11. 虎を放つ(5:11)
    • 12. 太陽は夜も輝く(5:18)
    • 13. 何を話せば(1:58)
    • 14. あんしんアンダルシア(4:57)
    • 15. アンハッピー・ボーナストラック(5:34)

今回ばかりは本当に自己満足と自己顕示欲だけで書いていきます。

 

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サブスクにない音楽(2021.2.28現在)→【随時更新あり】

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線はソフトを使って引きました。色の変え方が分からんかった…。

 

 最近は大概サブスクでばかり音楽を聴いていて、このブログの記事ももはやサブスクのプレイリスト前提みたいな記事ばっかりになってきていて、これでいいのだろうか…などとよく思ったりしているところです。

 それはそれとして、そうやってテーマに基づくプレイリストをサブスクで作ろうとするときにまあ困るのが、サブスクが解禁されていないアーティストやら作品やら。今回は、思いつく限りで全部または一部の作品がサブスクに上がっていないアーティストを自分の興味が湧く限りで15組(+殿堂入り1枚)程度挙げてみます。中には何で解禁されないのかよく分からないもの、本人等の意思により堅く解禁されないもの、むしろ本人は解禁を望んでいるのに問題ごとによって成し遂げられずにいるものなど状況は様々。

 音楽産業全てサブスク(とレコード盤)だけあればいい、みたいな環境が本当に良いのかどうかは結構悩ましいところだけども、ひとまず書いていきます。A→Z順です。

 

 完全にインディーな活動の方々においてはまあ難しいよな…と思うところもあるので、どちらかといえばメジャーレーベルに関係するアーティストを挙げてます。

 

 

(2021.3.1追記)どうやら一部のアーティストのサブスク事情について誤った記述をしていたようなので、この赤い字で追記修正させていただきます。申し訳ありません。

 

(2021.3.3追記)大瀧詠一のサブスク解禁が3月21日から始まることが公表されました!!!!!!!!!

natalie.mu

 このブログ書いてこんなに早くこうなるとは…でもとても嬉しいです!!!

 

(2021.4.4追記)3/31にMy Bloody Valentineもサブスク再解禁されてました!

 

(2021.6.27追記)なんかいつの間にか(4月頃?)CANが日本でサブスク再解禁されていました!

 

(2021.7.23追記)続編的な記事を書きました。この記事との被りはないようにアルバムを選んでいます。

ystmokzk.hatenablog.jp

(2021.11.7追記)Pizzicato Fiveの解禁状況となんかいつの間にかSun Kil Moonが全作品解禁されてたので追記しました。もうこの記事の結構な割合が解禁されてんな…。ついでに記事の整理。

 

(2022.3.7追記)Jim O'Rourkeの“歌もの”アルバムがいつの間にかApple Musicで配信されていましたので追記。Spotifyには無いようなので、今のところApple Music限定の配信か。ここ最近のSpotifyの様々なトラブルを憂慮したんでしょうか。

 

(2023.10.19)遂に、The Roostersのサブスク解禁が発表されました…!!!日本のロック史観は今後どうなってしまうのか…。

 

 

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ウイスキーをめぐる楽曲風景(30曲)

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バランタインの17年はまだ飲んだことありません。

 2020年4月頃からのコロナ関係による緊急事態宣言以降、職場でもそれ以外でも飲み会というものの数が激減し、それによって自由になった飲み会分の費用と時間によって、遂に家でウイスキーを飲む文化を手に入れました。よかったのか悪かったのか…。

 それで、今回はウイスキーにまつわる楽曲を集めたプレイリストを以下のとおり作ったので、このリストの楽曲それぞれについて色々書くことに終始する記事です。リスト作成には相当難儀しましたが、その分なかなか妙な範囲の広さが出た気がするので、結構面白いリストかもしれません。

  

●Caution!

 お酒は20歳になってからです。未成年の飲酒は法令とか条例とかそういうので禁止されています。

 また、アルコールは付き合い方や飲む量によってはあなたの暮らしを破壊してしまう恐れもあります。今回のリストにもアルコール中毒みたいな楽曲が時々出てきますが、それらが決してアルコール依存症を推進する意図で書かれている訳ではないことは言うまでもありません。

 なんというか、用法・要領?を守って、いい具合にお酒と付き合っていきましょう。

 

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2020年紅白歌合戦の感想−2人の2つの歌を通じて−

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 2021年最初の記事です今年もよろしくお願いしますです。

 先日の2020年年間ベストアルバム記事を書いてアップした後すぐに家を出て実家に帰りました。その後1月1日の朝まで滞在して昼には福岡市の居住地に帰ってきました。家では大してやることがないし(なんかやれないし)、実家で起こったトラブルの対応とかもあってなんかちょっと居心地が微妙でした。そもそも年末年始を祝う様々な慣習とかを嫌いすぎてるかもしれない。

 でも、親が録画してくれていた『岸辺露伴は動かない』のドラマと、大晦日にダラダラ見てた紅白歌合戦は、色々と素晴らしく感じて、年末はNHKに救われたな…と思いました*1

 そもそも紅白歌合戦自体、いつまで男性と女性の二項対立でやってんだよもう2021年やぞ本当にオリンピックとかやる気あんのか*2とか色々あると思います。でもそこで披露されたパフォーマンスひとつひとつが素晴らしかったりすることとは別の話だと思います。こうやって、テレビさえあれば日本在住の人みんなが観れて、そして様々な人々にも届くよう微妙な配慮も効かせたこの番組が存在すること自体は、全然素晴らしいことだと思います。

 で、紅白歌合戦で何が良かったって考えたときに、色々良かったことは他にもあるんですけど*3、やっぱり際立ってたのは星野源玉置浩二、この二人のパフォーマンスだったと思いました。何がどうグッと来たんだろう、ということについて今回はちょっと書き残しておこうと思いました。

 いつもと全然記事の目的が違ってて書いてるこっちも違和感ありますが、ひとまずやってみます。

 

*1:今住んでる家にもテレビは無いから受信料は払ってないけど、こういった素晴らしいコンテンツのためなら払おうかな…とかチラッとだけ思いました。

*2:オリンピックは本当にもうやめたほうがいいと思うんですけども。

*3:最早白組なのか怪しいくらいボーダーを超えて暴れまわる氷川きよしとか物凄かったですね。淡々と『香水』を歌う瑛人の虚無っぷりも面白かった。反面、筒美京平追悼のコーナーはたった2曲かよ…とは思いました。

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