ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

『DIVA』ART-SCHOOL(2002年10月)【リマスター記事】

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 楽曲の疾走感を損なわないよう一気に駆け抜けていきたいART-SCHOOL関連作品のレビュー書き直しもとい記事リマスター、これで6つ目の記事です。

 今回はバンドのメジャーデビュー後初のシングル『DIVA』です。4曲入り。東芝EMIからのデビュー。これは同じ東芝EMIだったNumber Girlに憧れて*1、とのこと*2

 このシングルは、対応するアルバム『Requiem For Innocence』とともにサブスクに解禁されていません。レンタル等で比較的入手しやすいアルバムに対して、このシングルは入手が少し難しいかもしれません。B面集のおかげで、このシングルでしか聴けないのは今や1曲だけですけども。

 

 前の作品『シャーロット.e.p』の記事は以下のとおり。

ystmokzk.hatenablog.jp

*1:その後向井秀徳ZAZEN BOYS日向秀和を獲得するのは妙に縁のある話。

*2:Number Girl 等を見出した当時の東芝EMIの名ディレクター加茂啓太郎の力もあったかもしれない。

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『シャーロット.e.p』ART-SCHOOL(2002年4月)【リマスター記事】

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 ART-SCHOOL関連作品のリマスター記事、という名の単なるレビュー書き直し、今回で5つ目です。インディー時代最後の作品にして、また後のアルバム『Requiem For Innocence』の先行シングル的な要素も併せ持つ作品。6曲入り。

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 前作『MISS WORLD』のレビューはこちら。

ystmokzk.hatenablog.jp

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『MISS WORLD』ART-SCHOOL(2001年9月)【リマスター記事】

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 「”リマスター記事”って名称はその作品がリマスターされた、っていう誤解を招くのでは…?」とふと気づいてしまいましたが、ART-SCHOOL関連作品のリマスター記事の4つ目です。ART-SCHOOLのインディー期唯一のシングルです。4曲入り*1*2

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 前作『MEAN STREET』の記事は以下のとおり。

ystmokzk.hatenablog.jp

 

*1:と見せかけてボーナストラック含めれば5曲入り。昔のCDのボーナストラックあるあるな「最後の曲がやたら長くて、無音とその後に収録」の形式だけど。

*2:サブスクだとボートラ無しの4曲なことにこれを書いてて気づいた。サブスクでは旧バージョンの『車輪の下』は聴けない…。

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『MEAN STREET』ART-SCHOOL(2001年4月)【リマスター記事】

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 ART-SCHOOL関連のリマスター記事の3つ目。バンドの音源として2枚目となる作品で、やはり6曲入りミニアルバム。6曲入りミニアルバムはこのバンドで最も多いリリース形態で、シングルと言いつつ6曲入りな『SWAN SONG』(disk1)を合わせて9枚存在します*1

 前作は楽曲の粒揃い具合はともかく音質の悪さが複雑な印象を抱かせる1枚でしたが、今作では音がグッと抜けが良くなり、幾らかインディー感はありつつも、それが心地よいくらいには普通に聴けると思います。サウンドアレンジが一気に幅広くなり、初期の彼らを代表する曲も複数含まれていて、ついでにまだバンドメンバーの仲も良好な頃で、初期の彼らの最も幸せな時期を記録した1枚なのかもしれません。

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 音が悪いけど曲は良い前作ミニアルバム『SONIC DEAD KIDS』のレビューのリマスター記事は以下のとおり。

ystmokzk.hatenablog.jp

*1:ART-SCHOOLのミニアルバム群のうち、『スカーレット』『Anesthesia』の2枚のみ7曲入り。なのでミニアルバムはART-SCHOOLで合計11枚。木下理樹関連としてはそのほかにソロの1枚とKilling Boyの2枚もあり、ここまで非常にミニアルバムばっかり出してる人も珍しいと思われます。

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『SONIC DEAD KIDS』ART-SCHOOL(2000年9月)【リマスター記事】

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 ART-SCHOOL関係作品のリマスター記事2つ目。彼らが2000年3月に結成して以降、幾つかのデモ音源を自主制作した後に、最初にCDとしてインディレーベルからリリースした最初の作品になります。やたらとミニアルバムのリリースが多い彼らの経歴の最初もミニアルバムというのは、何か面白いものを感じます。

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 前回となる木下理樹ソロミニアルバム『TEENAGE LAST』のレビューはこちら。

ystmokzk.hatenablog.jp

 

 本稿と全然関係ないですが、今のこの”ブンゲイブ・ケイオンガクブ”のブログが始まった際の最初の記事もそういえばART-SCHOOLだったんですね。少しばかり懐かしい。

ystmokzk.hatenablog.jp

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『TEENAGE LAST』木下理樹(1999年10月)【リマスター記事】

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 このブログは2016年の9月ぐらいから始まっていますが、それより前にやっていたブログと連続してやっていて、その前のブログから記事をインポートしてきているため、実際は2013年くらいからの記事が載っています。

 しかしながら、インポートで持ってきた記事については、FC2ブログはてなに持ってきた都合からなのか何なのか、レイアウトが色々と壊れてしまっていて、今見ると見辛いな…というのも少なくありません。

 なので、幾つかの記事についてはこうやって”リマスター記事”として、比較的見やすい形式にしてアップし直そうと考えている所存です。*1ついでに多少内容を今のスタイルで整理しなおしたりもしますが。

 

 2019年くらいからずっと実質活動休止中の、日本のオルタナティブロックバンドART-SCHOOL。活動しているかいないかはやっぱり存在感として大きく、このまま活動休止が続いて人たちから忘れられる、もしくはすっかり”過去の音楽”として埋もれてしまうのはファンとして寂しいような、でもそれも時と場合によっては仕方がないのかな、とも思います。

 やっぱり活動再開を願っています。それで今回から何回か、ART-SCHOOL関係の過去のレビュー記事をリマスターしていこうと思います。今回はその活動の原点にあたる、中心人物・木下理樹のソロミニアルバムから始めます*2

 なお、このミニアルバム、おそらく買えないので、ネット上にアップロードされてるのを聴くのがメインの聴き方になります。サブスクもまあ無いようです。

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*1:この作品については、あろうことか記事のアルバム名を間違えていたけど…

*2:何度目かのリスポーン。

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楽曲から見る「東京」(20曲)

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 この記事を書くのを考えてる最中に東京周辺で震度5強地震が発生しました。被害に遭われた方が普段の暮らしに少しでも早く戻れることを祈っております。

 

 東京。日本の首都であり世界規模で見ても有数の超巨大都市であるこの存在については、東京に住んでいない多くの日本人も様々な形で無視することのできないものであり、少なからず色々な思いを抱かざるを得ない存在であり、ましてやカルチャーを少なからず追っている身としては、そこには憧れも憎しみも様々に入り混じった思いがあるものです。

 筆者は東京に住んだことは無いので*1、これはそういう者からの記事です。巨大であるが故にカルチャーが集まり、カルチャーが集まるが故に巨大になっていく、という存在である東京は、巨大メディアが集中していることもあって、日本においてどうしようもなく文化の中心になってしまう土地です。地方民としては、東京に対し様々な感情を、都民からすれば「ルサンチマン」の一言で切られてしまいかねないような感情を有しています*2が、今回はそこはそれとして、世の中に様々に存在する「東京」が出てくる楽曲について、20曲ほど集めたので、それらの楽曲の隙間から浮かび上がってくる「東京」がどんなものか、思いを馳せることとしてみます。

 

*1:というか九州の外に住んだことが一度もない。

*2:ここに書けないほど様々あるのですが、一例を挙げれば、文化に限らず、仕事も含む多くの場面で「東京こそが成熟であり模範。地方は東京の指導に従い、東京に倣った洗練を目指すべし」といった、名言化されないものの確実に存在する雰囲気には、様々な場面で遭遇しては辟易します。もしくは、東京こそが平均であり、地方はその平均から様々に「クセの付いた」存在だ、という扱いとか。

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コード進行の話:サブドミナントマイナーの入った曲(30曲)

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 このサムネ画像を見てすぐにピンときた人は物分かりが良すぎると思いますが、単語の”サブドミナントマイナー”よりも「Radioheadの『Creep』の4つ目のコード」と言ったほうが分かりやすいのかも、と、この概念については時々思います。

 

 ということで、今回はこの、『Creep』において4つの循環するコードの最後に置かれてとても不穏な空気を出している、正式には”サブドミナントマイナー”と呼ばれるコードについて少々調べてまとめた記事になります。とは言っても、楽理的な話は苦手なので、たとえば五線譜で音がこう配置されるから、とか、スケールの中でどうのこうの、とか、サブドミナントマイナーのコードの代理コードはこれで、とかそういう話はほとんど触れられませんので、そういうのを知りたい方は他のサイトを見た方がいいと思います。

 今回集めた30曲は例によって最後にプレイリストを掲載します。

 なお、今回の記事は弊ブログで以前扱った「コード進行の話」シリーズの記事の3個目のものになります。以前の二つは以下のとおり*1。多少関係はするけど、別にこれらを読まなくても今回のこの記事は読めるように書いてます。

ystmokzk.hatenablog.jp

ystmokzk.hatenablog.jp

 

*1:当時記事に貼った動画が結構消えてて、時の流れと、あと動画って全然永久的な文化じゃないんだなあということを思いました。

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カテゴリ新設:「アルバムレビュー」と「プレイリスト」

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 お気づきの方がいたらありがたい話ですが弊ブログは、割と昔からせっせとやってる音楽アルバムのレビュー(大体は全曲レビュー)と、近年やたらそればっか書いてたプレイリストを元にした記事とがやたら多い状況でした。

 なので、この二つの記事を探しやすいよう、「音楽-アルバムレビュー」と「音楽-プレイリスト」という二つのカテゴリーを追加しました。もし奇特にもこの二つを目当てに弊ブログを見にきていただいている方がいらっしゃれば、これらが少しでも見やすくなることに繋がればと願っています。

 

 最近は様々な昔からやってたインターネットサービスの終了・閉鎖が目立っていて、気づくと自分が学生とかだった頃に見ていた音楽サイトや、なんなら最近まで全然見ていたような音楽サイトまで消滅していたりなどして、不便だし、何よりもなんとも寂しい気持ちがしています。インターネット上のものは紙で残るものとかと比べても全然永遠じゃないし儚いものなのかも、とよく感じるようになりました。

 なので、もしかしたらそういった残念ながら消えてしまったサイト等の代わりにこの弊ブログが役に立つことが万に一つあるかもしれないので、このブログが残り続ける限りは、見やすいように、様々なことが見えるように、ちゃんと保守とか改善とかそういうことも多少は真面目に考えないといけないのかな、とか思う今日この頃です。

 このブログが消えないためにも、はてなブログが潰れないよう、会社には頑張ってほしいですし、はてなブログを盛り立てていけるようになればいいなあとか思いますが多分心配しないでも全然きっとはてなブログは大丈夫多分だからどうすれば盛り立てられるか分からないこともあるし暗愚に以前と同じことをするのみなのだけど。これからもよろしくお願いします。

『HEY WHAT』Low 及び"声"と"ことば"について

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 すごいアルバムが出たもんだ、と思ったので緊急でレビューします。

 もうここまで来るとかつてスロウコアバンドだったとかいう前史殆どいらないんじゃないか…とさえ思えてきます。勿論その頃の経験があっての今のメンバー二人ではあるんですけども、でも音楽的にはもう全然変貌してしまってる。

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Lowの「Hey What」をApple Musicで

 

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