ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

#オールタイムベストシューゲイザー (20枚)

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 今回の記事はTwitterハッシュタグで企画された「#オールタイムベストシューゲイザー」というものに投票するための記事です。

 

 そういえば去年の12月ごろにも同じ人の同じ企画に記事を上げてました。

ystmokzk.hatenablog.jp

 シューゲイザー、いいですよね。今回はもうシューゲイザーの解説の前書きとかそういうのせず、サクサクとチョイスした20枚のアルバムを並べていきます。シューゲイザーか微妙なやつも何のその。よろしくお願いします。

 

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3の倍数(4分の3拍子,8分の6拍子,三連符)のリズムの曲:40曲

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 世の中に存在するポピュラーな音楽の大半は4の倍数のリズムで出来た楽曲です。いわゆる8ビートとか16ビートとかそういうやつです。拍の数を数えてみてください。大体1小節*1のうちに8回か16回、均等にシンバルが叩き込めるようになってると思います。

 ただ、世の中には、決して多数派とは言えませんが、8や16ではどうもタイミングの合わない音楽があって、それらのうちの多くは3の倍数でリズムが構成されていることが多いわけです。所謂「4分の3拍子」だったり「8分の6拍子」だったり、もしくは人や場合によっては「三連符」などと呼ばれたり。

 今回はそういうのについての記事です。3の倍数のリズムのみで構成された40曲をそれぞれ見ていく感じです。例によって最後にプレイリストもあります。

 

*1:”1小節”という単位もいまだに感覚的にきっちりと把握できてないけど、大体普通の8ビート的なリズムでスネアが2回叩き終わる周回までのこと、と把握してる。

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『coup d'Etat』syrup16g(2002年6月):2002年の日本の下北系ロック関係(後編)

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 2002年頃に急に色々と現れてその後しばらくのロック界隈の潮流と人脈とを形成した下北系ギターロック界隈について、2002年にリリースされた10枚のアルバムをサンプルとして見直してみる、という趣旨の記事を前回から書いています*1

ystmokzk.hatenablog.jp

上記の記事で10枚のうち9枚を取り扱って、そして後半の記事である今回は、残り1枚のアルバムについて全曲見ていきたいと思います。それがこの『coup d'Etat』です。人によってはこの作品こそ、2002年のみならず、下北系ギターロックの最高傑作だと思う向きもあるんじゃないでしょうか*2

 

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syrup16gの「coup d'Etat」をApple Musicで

 

 ここで取り上げなくてもどうせ別に、こんな強烈なレコードが歴史に埋もれるなんてこと考えられない気がしますが、何がそんなに強烈なのか、改めて確認していけたらなと思います。

 

*1:まさかの好評で驚いてます。ありがとうございます。今の日本の音楽の潮流的に語りづらい、だけど好きだからどうしたものか、、という人が案外沢山いたということなんでしょうか。

*2:もしくは、次の年の『HELL-SEE』とこれが彼らの二大巨頭だと思われるので、『HELL-SEE』の方をそう思ってる人も多いのかも。

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2002年の日本の下北系ロック関係(アルバム等10枚)(前編)

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 日本のロック関係の歴史で、同世代のバンドが一気に出てくる場面は何度かあるかと思います。渋谷系の諸々の中でミスチルスピッツ等が同じ頃に出てきた1990年代初めやら、くるりスーパーカーNumber Girl中村一義やらが一気に出てきた1997年〜1998年の世代やら。そして、2001年〜2003年に一気に出てきた、”下北系”という括り方をよくされる世代も。

 今回はこの、2000年代前半に一気に出てきたこの”下北系ギターロック”な世代の、そのうち2002年に出た作品を10枚選んで見ていく記事になります。10枚と言いつつ、上のサムネ画像には9枚しかないのですが、今回はこの9枚を扱う前半の記事で、そして次の後半の記事でサムネに無い残り1枚を個別に扱います。一体何デターなのか、予想してみてください。

 中には一度解散したバンドや、活動が止まってしまっているバンドや、中心メンバーが亡くなったバンドもありますが、でも、今回取り上げる10組のバンドが、なんだかんだで続いていることは、根強い人気だったり、メンバーの粘り強い活躍だったりを感じられて、何よりも、風化しないぞ、と懸命に立つその姿に、尊敬を覚えます。リアルタイマーではまるでないし、ネットで調べた知識とアルバムを聴いただけの自分に何が書けるのか、とも思いますが、しれっと書いていきたいと思います。

 

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『Requiem For Innocence』ART-SCHOOL(2002年11月)【リマスター記事】

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 ART-SCHOOL関連作品のリマスター記事という形式でのレビュー書き直し、7つ目にして大きな山場となります、彼らの1stフルアルバムについて今回取り組みます。

 このバンドを端的に象徴する1枚であり、なおかつその特化し切った楽曲のフォーマット等により後進への最も直接的な影響を与えたであろう作品で、下北沢ギターロック文化遺産としての価値すらあるんじゃなかろうかと思う作品ですが、何故かサブスク未解禁。それでアルバムの価値が損なわれることは無いとは思うけど、でもサブスクに無いせいでこの作品が風化が進んで行ってしまうのも何か悲しいので、自分含むファンから一番にどうにかしてほしいと願われている作品です。

ystmokzk.hatenablog.jp

 

 前作、このアルバムの先行シングル『DIVA』のレビューは以下のとおり。このシングルから2曲が今回のアルバムに収録されました。

ystmokzk.hatenablog.jp

 

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『DIVA』ART-SCHOOL(2002年10月)【リマスター記事】

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 楽曲の疾走感を損なわないよう一気に駆け抜けていきたいART-SCHOOL関連作品のレビュー書き直しもとい記事リマスター、これで6つ目の記事です。

 今回はバンドのメジャーデビュー後初のシングル『DIVA』です。4曲入り。東芝EMIからのデビュー。これは同じ東芝EMIだったNumber Girlに憧れて*1、とのこと*2

 このシングルは、対応するアルバム『Requiem For Innocence』とともにサブスクに解禁されていません。レンタル等で比較的入手しやすいアルバムに対して、このシングルは入手が少し難しいかもしれません。B面集のおかげで、このシングルでしか聴けないのは今や1曲だけですけども。

 

 前の作品『シャーロット.e.p』の記事は以下のとおり。

ystmokzk.hatenablog.jp

*1:その後向井秀徳ZAZEN BOYS日向秀和を獲得するのは妙に縁のある話。

*2:Number Girl 等を見出した当時の東芝EMIの名ディレクター加茂啓太郎の力もあったかもしれない。

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『シャーロット.e.p』ART-SCHOOL(2002年4月)【リマスター記事】

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 ART-SCHOOL関連作品のリマスター記事、という名の単なるレビュー書き直し、今回で5つ目です。インディー時代最後の作品にして、また後のアルバム『Requiem For Innocence』の先行シングル的な要素も併せ持つ作品。6曲入り。

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 前作『MISS WORLD』のレビューはこちら。

ystmokzk.hatenablog.jp

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『MISS WORLD』ART-SCHOOL(2001年9月)【リマスター記事】

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 「”リマスター記事”って名称はその作品がリマスターされた、っていう誤解を招くのでは…?」とふと気づいてしまいましたが、ART-SCHOOL関連作品のリマスター記事の4つ目です。ART-SCHOOLのインディー期唯一のシングルです。4曲入り*1*2

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 前作『MEAN STREET』の記事は以下のとおり。

ystmokzk.hatenablog.jp

 

*1:と見せかけてボーナストラック含めれば5曲入り。昔のCDのボーナストラックあるあるな「最後の曲がやたら長くて、無音とその後に収録」の形式だけど。

*2:サブスクだとボートラ無しの4曲なことにこれを書いてて気づいた。サブスクでは旧バージョンの『車輪の下』は聴けない…。

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『MEAN STREET』ART-SCHOOL(2001年4月)【リマスター記事】

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 ART-SCHOOL関連のリマスター記事の3つ目。バンドの音源として2枚目となる作品で、やはり6曲入りミニアルバム。6曲入りミニアルバムはこのバンドで最も多いリリース形態で、シングルと言いつつ6曲入りな『SWAN SONG』(disk1)を合わせて9枚存在します*1

 前作は楽曲の粒揃い具合はともかく音質の悪さが複雑な印象を抱かせる1枚でしたが、今作では音がグッと抜けが良くなり、幾らかインディー感はありつつも、それが心地よいくらいには普通に聴けると思います。サウンドアレンジが一気に幅広くなり、初期の彼らを代表する曲も複数含まれていて、ついでにまだバンドメンバーの仲も良好な頃で、初期の彼らの最も幸せな時期を記録した1枚なのかもしれません。

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 音が悪いけど曲は良い前作ミニアルバム『SONIC DEAD KIDS』のレビューのリマスター記事は以下のとおり。

ystmokzk.hatenablog.jp

*1:ART-SCHOOLのミニアルバム群のうち、『スカーレット』『Anesthesia』の2枚のみ7曲入り。なのでミニアルバムはART-SCHOOLで合計11枚。木下理樹関連としてはそのほかにソロの1枚とKilling Boyの2枚もあり、ここまで非常にミニアルバムばっかり出してる人も珍しいと思われます。

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『SONIC DEAD KIDS』ART-SCHOOL(2000年9月)【リマスター記事】

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 ART-SCHOOL関係作品のリマスター記事2つ目。彼らが2000年3月に結成して以降、幾つかのデモ音源を自主制作した後に、最初にCDとしてインディレーベルからリリースした最初の作品になります。やたらとミニアルバムのリリースが多い彼らの経歴の最初もミニアルバムというのは、何か面白いものを感じます。

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 前回となる木下理樹ソロミニアルバム『TEENAGE LAST』のレビューはこちら。

ystmokzk.hatenablog.jp

 

 本稿と全然関係ないですが、今のこの”ブンゲイブ・ケイオンガクブ”のブログが始まった際の最初の記事もそういえばART-SCHOOLだったんですね。少しばかり懐かしい。

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