ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

野田努『ブラック・マシン・ミュージック』のレジュメ(後半)

 レジュメと銘打つ割に文字数が多すぎる気がしないでもない記事の後半です。前半は以下の記事です。

 

ystmokzk.hatenablog.jp

 

 なお、新装版の方を購入したので、初版の2001年から16年の時を経て、何が変わってしまったのか、何が変わらずにまだそこにあるかについての書き下ろし『16年目のブラック・マシン・ミュージック』も読みました。そこも含めてレジュメしたいと思います。

 

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野田努『ブラック・マシン・ミュージック』レジュメ(前半)

 最近この本を読み終わり、何というか非常に圧倒されました。正直自分の興味範囲外の話が延々と続く内容なんですが、文章の中に満ち満ちた切迫感がどんどん読ませてくる本で、全然興味がなかったハウスやテクノについて、ちゃんと聴き始めようかな…と強く思わされるくらいにガツンときました。

 惜しむらくは、書籍であるが故に、そこで取り上げられた様々な歴史的名トラックやら壮絶な名曲やらをすぐに聴いて理解することができないという、そりゃ書籍なんだからそんなこと無理だよ…という点。なので今回は、この本の内容を簡単に雑にレジュメしながら、各人物の写真や各楽曲の動画などを貼って後で読み返すときにイメージしやすくなったり、すぐ曲を聴いたりできるよう整理しておこうという、とても自分本位な、自己満足的な内容の文章です。文章…?

 ちなみに自分が読んだのは2017年に出ているらしい増補新版ではなく、サムネ画像に挙げた表紙の、2001年発行の元々の版の方であることを申し添えます。増補新版にはどうやら「16年目のブラック・マシン・ミュージック」なるこれまたかなり興味深い追記がなされているようであり、今回図書館で借りて読んだものなので、この増補新版の方をちゃんと買い直すか考えています。

 

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夏の楽曲集(Vol.4 1980年代:20曲)

 夏の楽曲をある程度の数リスト化していく記事の、第4回目、1980年代編です。今回もとりあえず20曲暗い用意してます。サムネ画像はウクライナザポリージャ州のベルジャーンシクというところだそうです。この記事投稿時にはロシアに占領されてしまっていますが…。

 この一連のシリーズの過去の記事は以下のとおり。

 

ystmokzk.hatenablog.jp

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夏の楽曲集(Vol.3 1970年代:19曲+1曲?)

 8月も終わったというのに、コロナウイルスにかかりまして、更新が遅れてしまいました。自宅療養をしているところで、熱はすぐ引いたけどもともかく喉が唾が通りにくくなって痛くて苦しんでいたりを経て、もうすぐ自宅療養解除となる今日この頃です。

 ただでさえ盆を過ぎたら夏も終わりって感じなのに8月も終わってしまった、そんな中でもとりあえずこの企画の次の記事を書いておきます。サムネ画像はもうこんな状況なのでまともに選びたくなくなって、南イタリアガリポリというところの夏っぽい写真をどこかから引っ張って来たものです。

 今回は19曲、という中途半端な曲数にあともう1曲を追加した20曲取り上げます。なんでこんな歯切れが悪いかというと、1曲、リリース年が分からない楽曲があって、時代がもう2022年にもなっているというのにそんなことある…?とは思うけど調べても分からなかったので諦めてまあ多分1970年代のどっか初出だろう、ということで書いていきます。

 

 前回(1960年代:20曲)・前々回(〜1950年代:10曲)の記事はこちら。

 

ystmokzk.hatenablog.jp

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夏の楽曲集(Vol.2 1960年代:20曲)

 夏の楽曲を取り上げていく記事を前回から書き始めていて、今回はその1960年代分のものになります。この年間だけで20曲という多めのチョイスをしていることに、なんかこれより前の音楽の世界からグッと夏に対する取り上げ方も歌われ方も表現の仕方も拡大してきてるんだなということが選曲していても書いていても大いに分かるところであります。

 前回、すなわち1950年代までの楽曲についてはこちら。

 

ystmokzk.hatenablog.jp

 

この1950年代編では10曲選曲し、全部が洋楽、というかアメリカの楽曲で占められています。今回からはもう幾らか広がって、日本の曲なんかも入ってきます。

 なお、今回取り上げる20曲については上記の記事で取り上げたプレイリストに追加してありますので、そちらも適宜ご参照いただければかなと思います。

 

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夏の楽曲集(Vol.1 〜1950年代:10曲)

 夏の曲についての記事を書こうと思って、色々とテーマを考えてたんですが、いろんな組み合わせだとか何とかを考えているうちに段々面倒くさくなって、とりあえずもうそれっぽいものを全部揃えた記事を書くようにしよう、と思って、年代別に曲を探し始めてたらなんかだんだん膨大な量になって来たので、各年代ごとに記事を書くことにしました。

 まずは1950年代までの記事を書きます。10曲程度どうにか揃えられたので、元々得意な年代でもないし、色々調べて分かったこと等を含めてサラッと書いていこうと思います。

 なお、これから何回かの記事がこの「夏の楽曲」に関するものになります。記事最後のプレイリストは新しく記事にした年代の楽曲が追加されていくようにしようと思います。気力の限り、なるべくどっかで諦めたり飽きたりして放り投げないよう頑張る所存です。

 あと、サムネの画像にした曲は、それっぽかったのでサムネ画像にしただけで、リストには入れてません。

 

(2022年8月22日追記)

 次の時代の記事です。

ystmokzk.hatenablog.jp

 

 

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『another sky』GRAPEVINE(2002年11月リリース)(及び2022年の再現ライブについて)

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 おそらくこのブログですでに何度か何らかの形で取り上げたことのあるGRAPEVINEのこのアルバムですが、今回どういう風の吹き回しなのか、バンドの25周年とこのアルバム20周年が被ったことによりこの、別にファンの間でアルバム自体が特別飛び抜けて支持があるわけでも無いようにしか感じられない気もする*1アルバムの再現ライブが行われ、それを幸運にも観れたことによって改めて色々な気付きがあったので、ようやく、ようやく全曲レビューをしていこうと思います。

 

 ちなみに、この記事のメインは2002年にリリースされたスタジオアルバムの方の全曲レビューになりますが、同時に、2022年7月に行われた同アルバムの再現ライブ*2のライブレポートについても、脚注を中心に書いておこうと思います。何せアルバムから20年も経過して、演奏もバンドの佇まいも熟成された彼らのステージングは、当時*3と比べても間違いなく何かしら変わっているだろうと思われます。で、そのライブを見て逆に、本作が当時バンドの中でどういう地点の作品だったか分かるような感じもしたので、そこも込みでレビューしていければと考えています。

 ちなみにこのライブが観れたのは様々な偶然が重なったもので、以下の記事でそもそも存在を知ったり、その後も出遅れてチケットが買えなくて9月の大阪や新潟の公演さえ検討していた中でチケットを譲っていただける方がいたり、ライブ後にTwitterでリプライのやり取りする中で色々書く内容がまた整理されたりと、様々なラッキーを経てこの記事が書けています。ありがとうございました。

 

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 なお、かなり前にこのブログでGRAPEVINE全アルバムの簡単なレビューも書いてましたが、ようやく短評だけでなく詳細なレビューが今回1枚だけでも書けたところです。良かった…。

 

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*1:曲単位ならファン人気最上位に属するであろう『アナザーワールド』があるけれども。

*2:筆者が見たのは7/23福岡DRUM LOGOSの公演。

*3:当時のライブを見たことがあるわけじゃ無いんだけども。

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『Just Kids.ep』ART-SCHOOL(2022年7月リリース)

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 帰ってきた。お帰りなさい。アルバム『In Colors』から4年ぶりとなる、長い活動休止から復活の4曲入りシングル。

 復帰作、ということもあってだろうか、軽やかに駆け抜けて行く4曲。エンジニアは過去にアルバム『Flora』やミニアルバム『The Alchemist』等を録音した益子樹、PVは第一期の頃をはじめ多くのこのバンドのPVを撮影してきたモリカツ(森克彦)、そして演奏陣は活動休止前と変わらず、アルバム『BABY ACID BABY』以来ずっと続いている4人。

 今回はもう早速各曲レビューに入ります。ART-SCHOOLな雰囲気を実にサッと感じれる、爽やかな作品です。

 ちなみに本作の前の作品となる、2018年のアルバム『In Colors』についての全曲レビューも弊ブログで書いてました。以下の記事です。

ystmokzk.hatenablog.jp

 

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頭打ち?モータウン・ビート?そういうアレ(50曲)

 何とも煮え切らないタイトルですが、今回はいろいろ調べた結果、こうせざるを得なかった…ドラムの、とある特徴的なリズム形式についての話です。説明するよりも、おそらくこのリズムで世界一有名な楽曲を聴いていただいた方が、何についての話をするのか分かりやすいと思います。

 

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 今回はこの「ドラムのスネアを普通の8ビートみたいに2拍・4拍で打つのではなくて、4つ全ての拍で打つ、スネア4分打ちのプレイスタイル」についての個人的な考察と、50曲のセレクトに関する記事になります。それにしても呼び方が微妙に揺れてるせいでこんなタイトルになってしまうの、マジ満足いかないぜ…。

 

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『It's the moooonriders』ムーンライダーズ(2022年4月リリース)

 

 1976年から活動を続け、2011年に活動休止、その後主要メンバーの他界などを経つつもやがて活動再開したムーンライダーズですが、今年の4月に遂に新作アルバムのリリースまで辿り着きました。この作品がもう実にムーンライダーズでしかない作品でとても嬉しくなったので、全曲レビューを書きます。

 アルバムタイトルだけ見ると、“復活による記念っぽさ”を感じさせる雰囲気がありますが、その実態は果たして…?

 

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 このアルバムは2011年のラストアルバム“だった”『Ciao!』以来の新作スタジオアルバムということになりますが、その『Ciao!』までのアルバム22枚*1についてのレビューは以下の記事で書きました。

ystmokzk.hatenablog.jp

 

 また、今回の新作に収録された楽曲3曲も含んだ日比谷野音でのライブレポート記事も書いています。

ystmokzk.hatenablog.jp

 

 思えば今年の弊ブログ記事でムーンライダーズはこれで3つ目。

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*1:数え方によってこの数字は若干変動するものと思われます。ひとまず筆者カウントで22枚。

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