ブンゲイブ・ケイオンガクブ

本を読まない文芸部員と楽器を練習しない軽音楽部員のような感じのブログ。適当な創作・レビュー等々。

『luminous』ART-SCHOOL(2023年6月リリース)

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 ART-SCHOOL全作全曲レビュー、2023年現在ではこれが最後にして最新の作品になります。6月にリリースされたこの作品は昨年の4曲入りシングル『Just Kids e.p.』に続く作品で、フルアルバムとしては2019年の『In Colors』から3年ぶり、通算10枚目の作品となります。

 全10曲で合計約32分という歴代最短のサイズで、収録楽曲のスタイルのこともあって再生開始から聴き終わるまでの疾走感はあの“勢いだけで作った”かのようだった1stアルバム『Requiem For Innocence』さえ凌ぐのでは…という、よく考えたらなんだか凄いなこれは…という作品です。見ていきましょう。

 

 前作『Just Kids e.p.』の弊ブログレビューはこちら。

ystmokzk.hatenablog.jp

 

 前々作『In Colors』の弊ブログレビューはこちら。結構前に書いたものなので今と書き方の形式や文体が結構違うのはご愛嬌。。

ystmokzk.hatenablog.jp

 

 前々々作『Hello darkness, my dear friend』のレビューはこちら。順番はおかしいけど、この記事の直前に書いたのはこれです。

ystmokzk.hatenablog.jp

 

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『Hello darkness, my dear friend』ART-SCHOOL(2016年リリース)

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 ライブ前に完結させたいとの思いでにわかに再開したART-SCHOOL関係全作全曲レビュー、今回は2016年の、通算8枚目になるフルアルバムである本作になります。メジャーレーベルを離れて自主レーベル“Warszawa”からリリースされた本作、ジャケットを見るとなんかファンタジックな感じですが、実際作品もそんな感じです。どんな感じにファンタジックなのか見ていきます。

 前作のレビューは以下のとおり。

 

ystmokzk.hatenablog.jp

 

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『YOU』ART-SCHOOL(2014年リリース)

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 ART-SCHOOL関係の(ほぼ)全作品全曲レビュー、あとアルバム3枚で完結します*1が、今度のライブまでに全部終わらせたかった気持ちもあり、やや慌てつつも、今回はこの通算7枚目となる11曲入りフルアルバムについてレビューしていきます。現在まで続いているメンバーになって3作目、またソニー所属時代最後そしてメジャーレーベルからのリリースとしても最後の作品になります。次作からは自主レーベルからだったりUKPからだったりします。

 前作のレビューはこちら。

 

ystmokzk.hatenablog.jp

 

 そして前々作のレビューはこちら。

ystmokzk.hatenablog.jp

 

 本作への印象を一言で述べるならば、同じメジャーレーベルで出した上記2作の、結果的に様々な意味での反動として本作があるような感じがします。

 

*1:これより後の作品のうち『In Colors』『Just Kids e.p.』はすでにレビュー済み。

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夏の楽曲集(Vol. 6 2000年代:30曲)

 サムネ画像は今回は熱海です。2回ほど行ったことあるけど1回は車で行って大変な渋滞で死にそうになりました…。

 年代ごとに夏の楽曲に触れていくシリーズを長々とやってきましたが、今回は個人的にはクライマックス感のある2000年代です。この一連の記事を書く端緒になった作品の楽曲を含んでいますし、筆者が個人的にとりわけ思い入れのある感じがする2000年代初頭の時期を含んでいます。なんだかんだで思い出には左右されてしまうもの。書く身にも力が余計に入ったのか、えらく書き終わるまで時間がかかってしまいました。

 前の年代である1990年代の記事は以下のとおり。

 

ystmokzk.hatenablog.jp

 

 また、寄り道的に書いたスピッツサニーデイ・サービスの夏特集は以下のとおりです。

 

ystmokzk.hatenablog.jp

 

ystmokzk.hatenablog.jp

 

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サニーデイ・サービスの“夏”にまつわる曲【20曲】

 一個前に書いたスピッツの同種の記事で味を占めたので、今回は同じくサニーデイ・サービスの夏にまつわる歌を集めました。予想はしていたけども、スピッツ以上にサクサクと曲が集まり、20曲のチョイスということになりました。

 一個前のスピッツの夏の記事はこちら。

 

ystmokzk.hatenablog.jp

 

 サムネ画像のコラージュは今回のリストに入っていない曲のPVからも引っ張ってきましたが…それにしても海岸沿いを舞台にしたサニーデイのPVやたら多いな*1

 

 

*1:どの画像がどのPVからなのかというと、

1段目左:サマー・ソルジャー 右:さよなら!街の恋人たち

2段目左:One Day 右:夏は行ってしまった

3段目左:summer baby 右:苺畑でつかまえて

4段目左:幻の光 右:ジーン・セバーグ

ジーン・セバーグだけテイスト違うかもしれんけど女の子がキモ可愛くてかなり好きなPVなので。

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スピッツの“夏”にまつわる曲【15曲】

 前の記事で「やらないけど」と書いていたはずのものを早速書いてしまうという。あれはきっとフェイントだったんだと思います。

 ということで、前回の記事で『夏の魔物』だけ取り上げたものの、スピッツの夏の名曲・佳曲はそれだけに尽きないどころかもっと沢山あるので、この機会にそれらのうち目ぼしいかなと思った15曲を、今回ばかりは前置きとかも短めににしてササっと見ていこうという記事です。

 

 前回の記事はこちら。

ystmokzk.hatenablog.jp

 

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夏の楽曲集(Vol.5 1990年代:40曲)

 一年近く前に書き始めて、夏が終わってしまったので中断した企画の続きを今回は書きます。ちなみに上記の画像はクロアチアスプリトという街で、アドリア海の奥の方で多くの海岸線を持つクロアチアは結構こういう観光のウェイトが大きいそうです。全然今回の企画と関係ありません*1

 前回まで10年間で20曲とかでやってたのが、急に数が増えていますが、それだけ色々見つけられたということなので、減らすのも辛いしそのままの数です。

 選曲の条件は曲タイトルか歌詞に「夏」「summer」といった語が出てくるかどうかです。夏っぽい光景を歌っていても上記が入ってなければ排除。まあ、「7月」とかは入ってれば夏扱いでいいかなとか、サーフィンのこと歌ってるし流石にそれは夏だろ…とか例外はあります。

 

 前回までの記事は以下のとおり。なお、一連の企画の楽曲を入れたプレイリストがあったんですが、今回取り上げた楽曲もサブスクが解禁されている限りで追加した上でこの記事の最後に掲載しようとしたけどうまく反映できなかったので、新しいプレイリストを作ってそれを貼ってます。

 

ystmokzk.hatenablog.jp

夏の楽曲集(Vol.3 1970年代:19曲+1曲?) - ブンゲイブ・ケイオンガクブ

夏の楽曲集(Vol.2 1960年代:20曲) - ブンゲイブ・ケイオンガクブ

夏の楽曲集(Vol.1 〜1950年代:10曲) - ブンゲイブ・ケイオンガクブ

 

*1:むしろ1990年代当時はユーゴスラヴィアからの独立の関係で内戦とかやってたし…。

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『The Alchemist』ART-SCHOOL(2013年リリース)

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 このバンドの前作にあたる『BABY ACID BABY』から約7ヶ月という短いスパンでリリースされた本作を、その高速さをリスペクトしたペースで前作のレビューを書き終えた勢いで一気にやっていきます。6曲収録のミニアルバムです。

 前作のレビューは以下のとおり。

 

ystmokzk.hatenablog.jp

 

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『BABY ACID BABY』ART-SCHOOL(2012年リリース)

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 このバンドのイメージをまさに地で行くドライなメンヘラ感丸出しなジャケットだ…。

 ということで、新譜リリースを記念に再開した木下理樹関連作品レビュー、今回はその新譜においても続いている現行メンバーになって最初のリリースである、このバンドの6枚目のフルアルバムとなったこの作品です。

 日本のオルタナ界隈の名プレーヤーを揃え、オルタナの聖地のひとつであろうSteve Albiniの所有するシカゴのElectrical Audioスタジオで録音された本作、色々とオルタナづくしの作品ですが果たして…。

 なお、ART-SCHOOLとしての前作はミニアルバム『Anesthesia』(2010年)、木下理樹としての“前作”はkilling Boy『Destroying Beauty』(2012年)です。特に後者は本作と制作時期が近く、killing Boyの方のインタビューで本作の存在や録音手法などが仄めかされていました。

 

 

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『Destroying Beauty』killing Boy(2012年リリース)

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 ART-SCHOOL新譜リリースを記念しての弊ブログの木下理樹関連作品レビュー再開、その第2弾として、killing Boyの2枚出した作品の2枚目の方である本作を取り上げます。ART-SCHOOLの新譜『luminous』はもうリリースされてしまいましたが。

 キーボードが多く入って密室的な雰囲気も多かった前作と比較して、本作は基本ギター二人体制で、よりノイジーでメタリックなポストパンサウンドが軸になっている作風です。前作から1曲減って8曲ですが、全体の尺はむしろ30分から35分に伸びています。やはりミニアルバムと呼ぶには長すぎて、実質的にフルアルバムみたいなものでしょう。

 前作のレビューは以下のとおり。

 

ystmokzk.hatenablog.jp

 

 なお、この一連のレビューでKARENについては書く予定がありません。すいません。よって本作の次にレビューする作品はART-SCHOOL『BABY ACID BABY』になる予定です。

 

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